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2009.09.04

9/4 自転車事故の加害者に1300万円の賠償命令

自転車事故の加害者が裁判の呼び出しを放置したら、1300万賠償させられた、という産経新聞の記事。

闇に隠れる自転車事故を記事にしてくれたことにまず感謝。しかし結論に書かれているような、保険に入ろう、という話ではないだろう。まずは自転車事故をどうなくすか、という観点が必要なのではないか。自動車事故で同じ論調で記事書いたら、被害者遺族に猛烈な抗議受ける。

金融業者がこの社会で幅を利かせるようになった最近、保険に入っているから大丈夫みたいな議論があるが、人の生命や健康、自由をひきかえにした被害に対して金銭で解決できることは慰謝料としての意味しか持たない。侵害された生命や健康や自由を復旧できるものではない。

私が尊敬している故岡並木さんは、交通弱者の観点から歩行環境について検討した評論家。彼はもう15年以上も前から自転車の危険性を指摘していた。杉並区のご自宅を訪問したとき、目の前の細い路地をひっきりなしに暴走自転車が走り抜けるのを見て、岡さんの問題意識を感じた。

しかも自転車事故は、人命を奪うようなことをしておきながらひき逃げばかりだというのだ。

自転車が加害者にならないために、
・歩道の走行は認めない
・自転車が必要になるような都市の郊外化は抑制する
・バスなど公共交通機関を充実させ、地域住民も利用する
・ひき逃げを許さないために自動車のようにナンバー登録制度を設ける
・自転車の放置、事故補償のためにデポジット制や自賠責保険を導入する
・自転車事故のひき逃げ犯は、交通刑務所に送る
・自転車事故の徹底捜査
など考えてもらいたい。自転車ドライバーの教育だけで済む問題ではない。

インターネット選挙の議論でもそうだが、「自動車」「自転車」とツールを問題にするやり方に慣れてきた。だからあるツールが予想外の問題を起こすと、信じられない、という反応になる。しかし大事なことは、被害の実態である。被害の実態から、自動車がそう辿ったように、自転車がより安全な乗り物になるように社会全体で取り組んでほしい。

2009年9月 2日自転車事故で1300万円賠償命令 パート女性の後悔

 大阪市の交差点で自営業の女性(69)が大けがをした自転車同士の事故をめぐり、大阪地裁が7月、パートの女性(60)に約1300万円の損害賠償を命じる判決を言い渡していたことが1日、わかった。パート女性は裁判知識にうとく、裁判所からの呼び出しも放置。判決後に慌てて弁護士に相談して控訴したが、「なぜこんなことに…」と落胆の日々を送っている。自転車による事故が多発するなか、「保険の整備などが必要」とする声も出ている。

 判決などによると、事故は昨年6月の早朝に大阪市城東区の交差点で発生。出勤途中のパート女性が自転車で左折しようとした際、直進の自転車と衝突、自営業の女性がバランスを崩して転倒した。運悪く転倒場所に石があり、股(こ)関節や肩の骨を折る重傷を負った。

 パート女性は自分や夫の保険を調べたが、自転車事故で傷害を負わせた場合の保障はなく、蓄えから賠償できたのは、約70万円の治療に遠く及ばない10万円。パートの収入は月約8万円で、「あとは月1~2万円が精いっぱい」と被害者に訴えたが、折り合いはつかなかったという。

 一方、被害女性は治療費のほとんどを自己負担し、後遺症などで仕事もできなくなり廃業。当然、加害者の対応は不誠実と映り、刑事告訴とともに損害賠償を求めて民事訴訟を起こした。パート女性は事故の約1カ月後、罰金刑を受けて15万円を納付。民事訴訟では地裁から出頭を2度命じられたが、「勤務先はぎりぎりの人数で交代できない。休んだら迷惑をかける」と放置したという。

 ところが今年7月21日夕方、パートから帰ると被害者の代理人弁護士から電話があり、「今日判決が出ました。賠償額は1300万円」と聞かされた。愕然(がくぜん)として「とてもじゃないけど払えない」と訴えたが、「法的には支払い義務がある」と告げられた。パート女性はすぐに弁護士に相談し、裁判期日に出頭しないと相手の言い分を認めたことになることを初めて聞かされたという。

 自転車は毎日通勤で使っていたが、事故は初めてだった。判決では「一時停止しなかった」と過失を指摘されたが、パート女性の自転車には傷一つなく、スピードは出していなかったつもりだ。

 パート女性は「衝撃は軽かったのに、なぜこんなことに…。自転車事故でこんな高額な賠償金が求められるなんて本当に知らなかったんです。自転車保険に入っておけばと、悔やんでも悔やみきれません」と話している。

         ◇

 警察庁の統計によると、自転車が第1当事者となった事故は全国で約2万5千件(平成20年)。しかし、乗用車と違って相手の傷害を保障する保険に入っている人は少ない。原告側代理人弁護士は「相手が高齢者であれば転倒して骨折する可能性が高く、自転車事故でも重傷を負ったり死亡したりすることもある。高齢化社会でますますこうした事故が増える可能性があり、保険の整備や安全運転への意識づけが必要だ」と警鐘を鳴らしている。
(2009年9月 2日 08:23)

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