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2009.09.02

9/2 自治体の臨時・非常勤職員の労働運動の担当をバトンタッチする

自治体の臨時・非常勤等職員の担当を外れることになった。残念な思いもよぎるが、ほっとすることも。正義感は人一倍と思うが、しかし力量不足、打算力のない私が、最も労働法制でひどい扱いを受けている彼らの支援をするというのは、難しいと思ったことが何度もある。

心がけたことは、当事者でもない私が、彼らを利用するようなことはしないこと。当事者の責任で運動ができるようにお客さんにしないこと、そして責任ある組織運営を当事者にしてもらうこと。そのための権利学習や、運動の訓練は何度もしてきたつもりだ。
まずは臨時・非常勤等職員の労働組合への組織化。労働組合のない労働者には、法律で相当な権利を認めている一方、労働組合のない労働者には丸裸にしているのが日本の法律である。そして法律で守られない労働者がいる限り、雇う側はそういう人を使いたがる。しかし、入口での議論に終始して、なかなか前進しなかった。私の舞台回しの悪さは反省すべきことも多い。

組織化された臨時・非常勤等職員もどうしても弱い立場。そのために自分たちでおかれた状況やできることを考え、決断し、動くという訓練がされていない人が多かった。自分たちのためによく指導してくれるリーダーを待っている状況だ。
でも、それでは運動に力が入らない。運動の代行主義が蔓延する。労働組合としてはそれではダメ、そんな思いで、組織への甘えはほどほどに行動すべきことは行動するよう心がけた。そして自分の職場や地域で同じことができるように、できるだけ手作りの行動をするようにした。
また、身内で意思統一の会議ばかりするのではなく自分たちの境遇を変えてくれそうな外の人に向かって話をしていく、そんなことを求め、課題をふりながら2年間担当した。苦手な作業だったが映像教材もいくつか作った。

マスコミ関係者には取材依頼を何度も受けたが、十分に取材対象を発掘できず、迷惑かけたことも多かった。一方で、テレビの取材依頼にはすこし辟易することも多かった。

丸裸の権利しかない、自治体の臨時・非常勤等職員の解雇・雇い止め問題については、ほんとうに胃を切られるような思いをしながら、理屈を考え続けた。実際に雇い止めにあった人を救うために、その上司に訴状の下書きを用意して撤回させたこともあった。

自治体の臨時・非常勤職員の問題は、職務給と職能給の問題や、労働時間、有期雇用のあるべき姿、正規職員というのは何か、そんな問題をいろいろ考えさせられる缶詰だったように思う。

この2年間は、非正規労働者に対する社会の同情も高まり、考えてくれるようになった。自治体の臨時・非常勤等職員のおかれた状況や全体像、激増した背景も明らかになってきた。非常にいい時期に担当させていただいたと思う。

お世話にいろいろな方々に感謝します。また新しい担当でも奮闘しなければなりません。

自治体の議員の方でご覧になっている方が多いようですのでお願いがあります。
社会の変化から、多様化ししていく自治体の仕事を臨時職員や非常勤職員が埋めていっています。公務員数の抑制、人件費支出の抑制が続く中、当面、臨時職員や非常勤職員に重責に担って働いてもらうような状況はなかなか転換できないと思います。
ぜひそれぞれの自治体で、地方公務員法上のコンプライアンスなどというつまらない目標で議論するのではなく、民間先進企業がすでに取り組んでいるように、必要な彼らにふさわしい処遇をし、満足度の高い職場の提供と、そのことによる質の高い労働力の開発のため、ご尽力とご協力をお願いします。
そのことがみなさんの自治体のサービスの質とふくらみを高めることになると思います。

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