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2009.09.14

9/14 国土交通省が小竹向原駅の平面交差を解消へ予算計上

国土交通省の鉄道局の政府予算概算要求に、有楽町線小竹向原駅の改良予算が盛り込まれている(19ページ)。

有楽町線のダイヤの混乱要因は、
①6分間隔(朝ラッシュ時間2.5分間隔)の有楽町線と、15分サイクル(朝ラッシュ時3分45秒間隔)の副都心線のダイヤがかみ合わない。おまけに乗り入れ先の東上線、西武線の中途半端な増発でパターンダイヤが崩れているため、ダイヤに法則性がなく立て直しも難しく、少しの遅延が総崩れになっていく。
②東武と西武から入ってきた電車を、有楽町線と副都心線に流す小竹向原駅の平面交差の存在。西武線→副都心線や、何より本数も多い東上線・和光市方面→有楽町線が存在すると、自動車でいう右折待ちみたいな状況になる。
③副都心線に乗り入れられない車両の存在、次に乗り入れをする東急の都合にあわせて今から始めている8両編成の存在など、車両のやりくりの複雑さ。
④折り返し線が不足している和光市駅。しかも和光市止まりが多く、事故ともなると全列車和光市止まりになって、折り返し渋滞が発生する。
⑤駆け込み乗車や様子見乗車などでドアに挟まった乗客に、挟まったドアだけ開閉できる「再開閉」機能を使わず、全てのドアを開けるため、さらに混乱を誘発する。
など(言いだしたらまだまだ言える。ダイヤ混乱時の対応となれば、不備な点はさらに上げられる)。

この中で、最も困難だと思われていた②の対応が国土交通省の英断で前進することになる。現在、有楽町線はパンクとは言わなくても、東京メトロでは東西線、千代田線の次に混雑する路線になってしまっている。小竹向原駅の平面交差を解消せずに有楽町線の本数を増加させることは、平面交差をしなくて済む西武線方面から乗り入れてくる電車だけで1時間に25本以上用意しなければならない。結論として不可能になってしまう。

またダイヤ混乱時も、今のままでは平面交差で電車がぶつからないようにダイヤを組み直す必要があり、結局これが次々に電車を送り出すことを難しくし、混乱状態のところに間隔が開き、さらにダイヤが混乱するという悪循環を産んでいる。

たった200メートル程度の追加工事で、ダイヤの目詰まり、遅延発生時の混乱などが収束できることになる。
東武・西武・有楽町線あわせて300万人以上の利用者が、不愉快な思いをすることから解放されることになる。

●心配されるのは、国土交通省を全て敵視している民主党の態度である。
国土交通省の予算カットはやむを得ないと思う。しかし、政治的事情からは、都会の地下鉄利用者はいくら虐待しても票が減らないが、田舎の整備新幹線は自公民そろって建設推進だったりして、選挙区事情から誰が乗るのわからない整備新幹線の建設を優先させるために、帳尻合わせで地下鉄の改良が事業カットになったりすれば、勤労者が虐待されながら通勤している電車の改良を、働く者が応援している政党が潰すことになる。
残念なことに、我が選挙区の代議士先生は駅頭でちらしを配りながら、こうした問題に興味がないみたいで、応援団になってもらえるかどうかあやしい。
政治的には心配な予算である。

●問われるべきは、運賃収入の10%以上という史上最高水準の最終利益をここ数年出し続けていながら、国土交通省の予算が付くまで必要な設備投資を怠っている東京メトロの経営姿勢である。それまで不要だった内部留保や株主配当のためのコストが必要になって、利用者の負担した利用料がすべて直接的な経費に使われなくなるというのは、公共サービスの民営化の問題点である。民営化される対象が社会福祉法人以外、この問題を克服していない。

●この平面交差が解消され、わかりやすいダイヤになれば、カテゴリー「明日にも廃止を!副都心線」のタイトルを変更しなければならない。

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コメント

説明、よく分かりました。
私は氷川台から銀座一丁目まで毎日通勤で有楽町線を利用しているビジネスマンです。
以前から不思議に思っていたのが、小竹向原-千川間には線路が6車線あるのにどうして外側の2本を使わないのだろう?と思っていました。
平面交差という用語は知りませんでしたが、この構造は小竹向原の入線・出線に際してクロス走行での待ちが発生しないものなのだろうな、ということは想像できました。
なのに、どうして早く運用しないのだろかと疑問に思い、東京メトロに手紙でも出そうかと思っていました。
今のままでは、急行や西武線乗り入れなどによる不便さが増し、以前のほうが良かった。副都心線など出来ない方が良かったと思っています。
実際、以前はなかった氷川台通過の電車が結構あります。
また、2つの私鉄に乗り入れているので、ダイヤの乱れも多く、毎朝時間通りに下車駅に着くことはほとんどありません。
早く、この「平面交差」を実現してもらいたいものだと思っております。
改良予算が盛り込まれた、ということは少しは期待できるのでしょうか。国の予算が付かなければ、平面交差は実現されないのでしょうか。
このままでは、定年退職までには間に合わなさそうです。

投稿: メトロ工事 | 2009.10.09 18:28

メトロ工事さま
平面交差とおっしゃっているのは立体交差のことではありませんか?

小竹向原と千川が6車線もあるのは、立体交差工事をしないで誤魔化すための仕組みです。駅と駅の中間で数十秒停車させればダイヤに混乱なく西武→副都心、東武→有楽町を平面で交差させられると考えたのでしょうが、誰かが運行監視をしないと衝突するわけで、結局やっぱり遅延の原因になっています。またそんなことで駅でもないところで待たされる乗客もストレスです。

国交省の予算に盛り込まれたのは、西武・東武→有楽町線・副都心線に自由に振り分けができ、衝突する危険性のないように立体交差させるための400メートルの迂回路新設の工事です。
国の予算がつきそうということですから、来年4月以降、調査、工事となるのだと思います。ただし東京メトロが単独で前倒しで工事するということもなくなったようで、時間のかかる話になりそうです。

昨年6月以降は、成増・氷川台間の利用者は割を食っていますね。

話の後段、地下鉄が、乗り入れている私鉄が原因で遅延しているというときの半分はウソです。
東上線が遅延しておらず、和光市始発の電車の入線出発が遅れて遅延が発生しているのに、東京メトロの駅員や車掌は東上線のせいとアナウンスします。本社からそういう説明が無線か電話で送られてくるのでしょう。

投稿: 管理人 | 2009.10.09 23:50

いつも拝見しています。
小向竹原駅の平面交差解消に係る予算要求について、関係者でもないのに半ば憶測となって恐縮ですが、出し直しとなった「平成22年度概算要求の組み替えのポイント」http://www.mlit.go.jp/common/000050553.pdf(3頁目)では、
「都市・幹線鉄道は、可能な限りの事業行程の調整や新規着手の取りやめにより、前年度より予算を縮減する。」とあるものの、
「概算要求の概要(2)」http://www.mlit.go.jp/common/000050557.pdf(7頁目)には、
「空港アクセスなど都市鉄道ネットワークの改善」と項立ての上で、「相互直通運転等による列車運行形態の複雑化及び高密度化に起因する慢性的な地点や長時間・広範囲に渡る輸送障害発生時のダイヤ乱れを軽減するための駅の大規模改良工事」と当初の概算要求に書かれた内容を踏まえて項出しされていますので、予算額の縮減はあっても項落ち(着手取りやめ)にはならないのではないかと愚考します。
ともあれオープンとなっている資料がこれしかない上に、財務省と行政刷新会議での査定のノルマが多いことから予断は許さないとも思っています。
時節柄お身体にはご自愛下さいませ。ご活躍を期待しております。

投稿: 北からの通りすがり | 2009.10.23 21:17

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