8/9 マニフェスト選挙がバラマキを促しているという意見
朝日新聞より、各党マニフェストに対して、民間9団体が評価した結果を報じている。その中で同感であり、マニフェストについての根本的な欠陥を指摘するものとしてこんな意見が紹介されている。
ただ、数値目標が焦点になることには「約束にこだわることで『ばらまきリスト』に変わってしまう」(言論NPOの工藤泰志代表)といった懸念も浮上。昨年9月の自民党総裁選や今年5月の民主党代表選での訴えが十分に反映されていないことから、工藤氏は「約束に信頼を持てないことは極めて深刻。時間があるのでマニフェストを作り直してほしい」と訴えた。
マニフェスト選挙が政党のバラマキ体質を促しているということに全く同感。理念や方向性を示すより、楽だからだ。西欧では、保守主義対社民主義という対抗軸があるため、理念について一定の方向性を政党が持っているし、政党には綱領があるのが前提になっている。
しかし、日本の場合、自民党も西欧諸国の保守政党のような理念はないし、民主党はあえて理念を否定しているようなところもあり、その中で公約実現を羅列することは、無秩序な政治になることは当然の結果である。
そもそも、政治にとって約束とは何か、約束を変えるときにはどうしたらよいのか、という作法のコンセンサスがない中で、期限と数値だけを示して羅列してよい、というマニフェストのあり方がどうかと思っている。
朝霞市長選挙のときに、富岡陣営が理念も何もなく、大した意味もない政策を細切れに出して、実施時期を区切ってマニフェストとしてまとめたが、そこからは基地跡地問題や、福祉水準をどうするのか、という理念的な問題は捉えられず、医療費を無料にすれば子育て世代から応援してもらえる、というまさにバラマキ公約しか見通せなかった。
●バラマキ公約になりがちな問題を小選挙区制のせいにする安易な議論があるが、中選挙区制の時代のひどさを忘れたかのようだ。
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コメント
民主党の政策について
子供手当は、親が働くなるだけだ。
高速道無料化は、事故や道路改修がおろそかになり、国の動脈硬化を起こすだけだ。
郵政民営化を逆戻りさせては世界からひんしゅくを買う。
選挙目当ての人気取り政策にはうんざりだ。
投稿: ヤノウトシノブ | 2009.08.29 23:58