5/29 20代女性は専業主婦願望が高い
内閣府の男女共同参画白書で、20代の女性が30~40代の女性より「家庭を守るべき」との考えに賛成という興味深い統計が出ている。
若者が保守化しているという単純な問題ではなく、やはり若いひとの雇用情勢があまりにもひどい中で、家庭に入るという選択肢がある女性が、家庭を守るべき、という価値観に賛同しているのだろう。男なら働いて自分を家にいさせてくれるようにしてほしい、というところに逃げ込んでいるのかも知れない。さらには、今の20代の多くは親と仲良く、家庭をネガティブに捉える機会がないこともあるのではないか。
男性は逆の傾向を示しているみたいで、若い人ほど「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考えに反対の人が多い。
今の時代、専業主婦などというものを置いておける見込みのある若い男性はほとんどいない。さらには男には家庭に入るなどという選択肢はあっても、ほとんど認められない。親族の圧力、近隣住民の不信の眼差し、女社会そのものである昼間の地域社会、そういうところで孤立無援に家庭に入るほどの根性のある男なら、働く方がずっと楽だろう。だから男は働くという前提の中でしか、あるべき家庭を描けない。
●経済情勢が好転する見込みは当分ないし、好転したところで女を専業主婦として置いておけるような状況が若い人にもたらされるとは思えない。男も女も働かざるを得ない時代は続くだろう。
そういう時代の中で、家庭に入ることを夢見たところで、ほとんどの女の人にとってはそれは非現実的な理想で、夢見た将来を変えない限り、養ってくれる男もみつからないまま、がむしゃらに働かされ続けて、そのまま40代になっていく。
結婚やパートナー探しを人生設計に密着させて考えることが難しい時代になっているということでもある。
そうなると逆説的だが、人生設計なんか考えないでパートナーさがしをし、成り行きに任せて結婚し、成り行きにまかせて事実婚をし、ということの方がいいように思える。人生設計ばっかり考えてパートナーさがしをすると、自分に合う人生や、自分のしなやかさをつかまえそこなう可能性の方が高い時代ではないか。
「妻は家庭」20代女性の44%賛成、30~40代上回る
政府が29日の閣議で決定した2009年版男女共同参画白書によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきだ」との考えに、20歳代の女性の4割以上が賛意を示し、30、40歳代より多いことが分かった。
非正規労働者の増加や、仕事と子育ての両立が依然難しいと感じられていることなど、「現在の就業構造が若い世代の女性の意識に影響を与えていることも要因」と指摘している。
これは、白書に掲載された20~60歳代の男女1万人に内閣府が2月に実施したインターネットによる意識調査の結果だ。「妻は家庭」との考えに、女性はすべての世代で反対が賛成を上回り、男性は全く逆の結果だった。
ただ、賛成した割合を年代別に見ると、女性では20歳代が44・3%で50歳代(47・7%)に次いで高く、30歳代(41・4%)、40歳代(44・2%)を上回った。
男性では、若い世代ほど「妻は家庭」に賛成する割合は低かった。
(2009年5月29日23時00分 読売新聞)
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コメント
若者は平均して老人より無知だから、知的にはたいてい保守的ですよ。
男も女も、ラクをしたがっているんでしょう。
かく言うわたしも、なりゆきまかせで結婚しました!
投稿: o-tsuka | 2009.06.17 10:08