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2009.05.24

5/24 病児保育にどうしてこういう見出しが書けるのか

インフルエンザ騒動のおり、病児保育というせっかくいい題材を取材し、いい話が盛り込まれているのに、「預けっぱなしに注意」という見出しをわざわざ使うことにイヤなものを感じる。ほとんどの親は子育てはちゃんとしないといかんと思っている。

病児保育:利用法調べて 「預けっぱなし」トラブルも…医師ら「親の看病が基本」

子育てや保育に関して、こういうものの言い方が、親を未熟なものとして捉え、いつも制度整備を怠る為政者に口実を与えている。当事者から言うと、何様だよ、と思うような書き方である。
一部の「預けっぱなし」にするような親の問題は別問題だろう。そのこととごっちゃにした議論をどこでもされるために、仕事と子どもの板挟みにあっている多くの労働者が解放されない、しょうもない生活環境がいつまで続くのだろうか。

家庭での保育が基本って言っても、新聞記者の働き方から言ったら、そういうこと簡単に言っていいの?自分で19時には帰宅して子どもの面倒見ているの?と思う。家庭で見ていたとしても妻に預けっぱなしじゃないの?妻を家庭にはりつけているだけじゃないの?

そういうどうにもならない事態にどうしたらいいの?ということに、子育てのことを語りたがるマスコミ人士はちゃんと応えてないと思う。

●こういう書き方になるのは、この記者が記者として育った時期が、何でもかんでも個人責任とする新自由主義が猛威を振るっていた時代なのかなとも思う。かわいそうに。モラルの悪い人のために社会保障制度を抑制することが、どれだけの多くの人を不幸にしているかということを認識すべきで、社会保障制度のこと書きたがるなら、湯浅誠氏の著書でもまず読むべきだろう。

●西日本では充実してきた病後児保育、ぼちぼち始まった病児保育。為政者や経営者団体とつるんでいる学舎などの圧力で、働き方が残酷になってきている今、とても深刻なニーズを抱えているのに、親のモラルの議論にすりかえられ整備が進んでいない。とりわけ首都圏は、働き方が過酷な割に一部の地域以外は惨憺たる現実である。

●病児保育の裏側に考えなくてはならないのが子どもへの往診。
インフルエンザ騒動で、軽症者の自宅保養が検討されているが、そうなってくると考えなくてはならないのが在宅医療である。特に感染症にかかって発熱しているような子どもは通院させるより、往診を待つ方がいいのではないかと思うこともある。
医師の質も求められるものも違うが、戦前より前の時代のドラマなどで「医者を呼んでこい!」と叫ぶシーンがある。首都圏では、病院から医師がいなくなり、診療所の開業医があふれている。この状況を逆手に取る方法はないものかと思う。

病児保育:利用法調べて 「預けっぱなし」トラブルも…医師ら「親の看病が基本」

 ◇事前の登録必要/少ない定員/料金1日1000~3000円
 子どもが急に熱を出したが、どうしても仕事が休めない--。こんな時、共働き世帯などの支えになるのが病児保育施設だ。ただ、多くの施設は事前登録が原則で、当日に申し込んでも預かってもらえない場合もある。病児保育の利用方法をチェックしてみた。【中西拓司】

 「食欲が出てきて良かったね」

 保育士から声をかけられると、おかゆをほおばっていた2歳の女の子がほほえんだ。東京都品川区の病児保育施設「キッズベル品川」は、小児科医院「鈴の木こどもクリニック」に併設されている。05年の開設以降、延べ2200人の乳幼児を預かってきた。

 病児保育施設は大まかに、(1)医療機関併設型(2)保育所併設型(3)非施設型(派遣型など)--に分けられ、(1)に当たるキッズベルでは、午前と午後の2回、医師の診察を受けることができる。インフルエンザなど伝染性の病気でも受け入れる場合があるため、保育室内に透明カーテンや陰圧設備、空気清浄機を設けている。

 病児保育施設は、働く親にとってはありがたいが、利用には決まりがある。まず、多くの施設で事前登録が必要だ。容体が急変した場合などに備えるためだ。キッズベルでは、病歴や予防接種歴などを記入した「児童票」の提出を求めている。

 定員の問題もある。キッズベルの場合、定員は1日4人だが、風邪の流行時期には十数人の希望が殺到する日もある。同クリニックの鈴木博院長は「もっと受け入れ態勢を充実させたいが、クリニックの診療もあり、現状が精いっぱい」と話す。

 利用料金は、医療機関、保育所併設型ともおおむね1日1000~3000円が相場。キッズベルは2000円だ。一方、NPO法人などが手がける非施設型は職員が自宅に引き取ったり、依頼先に訪問するため、1時間当たり1000円前後となっている。

 制度の理解不足による誤解もある。施設を「ベビーホテル」と勘違いし、病気の子を預けっぱなしにするトラブルや、利用時間を守らないケースがそれだ。鈴木院長は「病気の子は、親が看病するのが基本であることを忘れないでほしい」と話している。

 ◇全国745カ所、多くは「病後児」対応型
 「保育所の整備が進んでいないため、病児保育は二の次になっている」。全国病児保育協議会長で、中野こども病院(大阪市旭区)の木野稔理事長は、病児保育への国の取り組みについてこう指摘する。

 政府は04年、09年度までに1500カ所に増やす目標を掲げた。しかし、07年度時点の数字は745カ所と半数程度にとどまっている。厚生労働省は施設の内訳を明らかにしていないが、その過半数は「保育所併設型」とみられている。保育所併設型は、主に病気の回復期にある「病後児」に対応している。医師の関与が多い医療機関併設型に比べ、受け入れられる病児の範囲が狭いという側面がある。

 木野理事長は「ほとんどの医療機関併設型施設は赤字経営を強いられている。子どもと働く親のセーフティーネット確保のため、国は支援を手厚くし、施設が増えるようにすべきだ」と語る。

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コメント

こんにちは。
Web 検索からやってきました。
正にその通り「うんうん」等とうなづきながら拝読しました。ところで「西日本では充実してきた病後児保育」とありますが、西日本(博多)に住む私には実感がないのです。確かに色々なサポートメニューは聞こえてきますが、やはりどこかが足りないかなと。東日本(東西共に広いですが)の方が、もっともっと不足しているのでしょうか?
非施設型(病児)保育を起そうとしている友人の背中を押したりしているところです。
またお邪魔させていただきます。。(^^♪

投稿: けいこのママ | 2010.01.19 20:26

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