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2009.04.29

4/29 世襲禁止が憲法違反など片腹痛くて仕方がない

世襲禁止が話題になっている。

後援会名簿や、政治資金など、親族の選挙地盤をそのまま使えるような世襲は、不公平な競争であり、やはり禁止すべきだろう。世襲議員どもに、憲法違反だとかわけのわからないこと言っている人がいるが、自由競争させたら差別的な結果になるとわかっていることに、社会的な是正を求めて規制することは当然のことである。上杉隆氏が論難しているが、とくに政治資金(政治資金団体)の相続なんて全くもって論外である。自分で努力もしていないお金を使って他の候補者とのたたかいを優位に進めようなんてさもしい。

どうしても政治家になりたいなら隣の選挙区で出ればいい。政治資金は親からもらわず自力で集めればいい。それでも世襲の格差は出てくるが、タレントが政治家になる場合は、それ以上の効果もあるわけで、その程度の有利さまで否定するつもりはない。

世襲議員たちは世襲禁止に憲法違反と猛反対しているが、選挙制度の憲法違反の程度の方がもっと深刻である。選挙中、政策の主張をしようとして、どんな粗末なビラを配布することも規制される、選挙資金集めに候補者名入りのシャツを売れば違反になる、お金がほとんどかからないインターネットで政策の主張をしても違反になる、そんなあほなことがあるだろうか。
自由権を保障する最低の条件は、政治活動の自由にある。とりわけ政権を決める選挙は、言論活動をできるだけ保障すべきである。それを弊害になる問題との因果関係をきちんと証明もしないうちから、頭ごなしに規制をかけて、自由な選挙を官が規制している。
自由な発想の選挙運動が流入しないので選挙運動はステロタイプで陳腐なことしかできない。効率も悪ければ、無意味な行為の積み重ねに耐えられる人間しか立候補しない。チャレンジャーとなる候補者にはものすごい負担とお金がかかっている。逆に、官僚が管理している組織が割り当てられた候補者が有利な時代がずいぶん長く続いた。そういう意味で、本当に世襲は楽だ。単なる名望家が当選しやすいという話ではないのだ。

こうした選挙に関するあほくさい規制は、世界でも稀をみる内容である。そのルーツは、普通選挙法に怯えた内務省が始め、大政翼賛会の発足と同時期に今の規制内容になったものである。多くの国民は政治腐敗の解消のために選挙規制が行われていると信じているが、本質は言論弾圧と民主主義の官の側からの規制である。

今の選挙規制こそ私は憲法違反だと思っている。証拠の残らない街頭演説でしか政治的主張を不特定多数にできないようにしていて、これは政策の質を下げている。文字にして争うことなしに、契約としての政治選択は行われない。そういう意味では、ビラ配布の規制などナンセンスだと思っている。こうしたことは、世襲候補者の立候補以上の憲法違反だと思う。世襲議員たちは、そうした新たなチャレンジャーを弾圧するためにあるような規制を取り払ってから、世襲が憲法違反かどうかの議論をすべきだろう。

世界で稀にみる憲法違反とも言える選挙規制を放置しておきながら、世襲禁止が憲法違反だと、片腹痛くて仕方がない。

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