4/14 丘珠空港は残るのか
北海道以外の人は知らないが、札幌市の郊外に、道内ローカル航空路のみの空港、丘珠空港がある。
全日空系のANKが、撤退する方向で検討をしていて、年内に決定するという。
私は、15年前、所属するローカルパーティーの取り組みで、この空港の拡張の反対運動に参加したことがある。当時、千歳空港が改築され拡張されたばかり。新千歳空港は、距離が遠いが、交通機関が整っていて、アクセスに不自由はない。千歳に集約した方が、航空会社のコスト面でも、道内から道外、海外へのターミナル機能が強化されるという点でも、いい。丘珠空港を拡張するのはムダだと思ったからだ。
結果として、滑走路の延長は当初計画より短縮されたものの拡張は実行された。新たな高性能のプロペラ機導入で、丘珠空港の機能は維持強化された。騒音問題を重視する地元住民にとっては、使用機材がYS11から新型プロペラ機に変更されて騒音は大幅に抑制され、当初のに計画を推進する市と反対運動で痛み分けの結果になった。
それから15年、厳しい不況にみまわれ、おそらく北海道で道内を航空機で移動する人が少なくなったのだろう。私のいた中堅企業も、例外を除き出張はJRの往復切符でしかできなかった。拓銀が潰れ、公務員の出張手当の算定ルールが厳しくなっていることなどから、飛行機は一体だれが利用しているのだろうか、という疑問があった。
JRが高性能の特急を次々に投入し時間短縮していることや、スパイクタイヤの禁止によって鉄道利用が増えていることも影響しているのかも知れない。
丘珠空港を最も使ってきたANKが撤退することで、あのとき丘珠を維持してきた意味がどうだったのか改めて検証すべきときにきたのではないかと思う。
全日空の北海道内5路線、拠点空港を新千歳へ…年内正式決定
全日空は北海道内路線の拠点空港を、これまで利用している丘珠空港(札幌市)から新千歳空港(千歳市)に移す方針を固めた。
同社では、グループ会社の「エアーニッポンネットワーク」が、丘珠―函館、釧路、中標津、女満別、稚内の5路線を運航しているが、移転計画については、すでに北海道や札幌市などに移行を打診。
今年中には正式決定したい考えだ。
(2009年4月14日19時38分 読売新聞)
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