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2009.03.07

3/7 政治資金規正法で立件できるのか

起訴された案件の99.99%に有罪判決が下るこの国で、検察に狙われたということは、よっぽどのことがない限り絶体絶命ということだと思う。刑事事件での検察側控訴を招いた判決を下した裁判官は、昇進査定で悪く響くという内部告発もあるみたいだから、裁判所も検察の意向を最大に斟酌するだろう。

しかし、今回の民主党の小沢一郎に対する西松建設の献金問題は、やや検察の摘発に無理があると思う。容疑は政治資金規正法だが、迂回献金として問題を取り上げている。
今回の事件は、会社が従業員の給与を経由して個人献金として政治資金規正法をクリアする偽装をしたのではないか、ということになろう。

政治資金規正法では、会社→個人→政治資金団体→政党または政治家の後援会というお金の流れを摘発することは不可能ではないか。そのお金の連続した流れを指示した文書でも出てこない限り、そして、そのお金の流れを業務命令として西松建設が出していることが証明しない限り、迂回献金としての立件は不可能ではないか。また、西松建設の関係者の政治資金団体が小沢一郎氏に寄付をするだけの仕組みなら、西松建設の従業員に払った給与の一部が小沢氏の政治資金だったと証明できるが、その政治資金団体は小沢一郎氏だけではなく、その他大勢の政治家への献金やパーティー券にも支出されたわけだから、迂回献金と言っても、社員を経由してかき集めた資金をどこに配分するかは、社員の賃金を払った段階、社員が政治資金団体に寄付した段階では未定である。どこへ、という主体的な意志は政治資金団体から出発することになる。そうなると、政治資金規正法上はクリアせざるを得ないのではないか。

この件を摘発すれば、個人が政治資金団体を経由して献金をしていく仕組みそのものが否定されるのであろう。個人が、特定の政治資金団体に寄付をするということが、どういう意図なのか、いちいち証明されなければ献金を受けられないからだ。個々人から1万、5万の寄付に対して、そんなことをいちいちきれいに調べ上げていたら、そのための人件費の方がかかるからだ。

たまたま暴力沙汰で入院して、そこの病院の医師がヤブ医者で死亡したところで、医師が治療の技術の問題で過失責任を問われる可能性があったとしても、もともとの暴力沙汰の責任を負わされないのと同じではないか。

政党助成金や議員報酬などに厳しい視線が注がれ、その使途がガチガチになってきている中で、個人献金まで受け取りにくくして、どうするつもりだろうか。再び政治資金が裏金化していくのではないだろうか。

ダイヤモンド・オンラインで上杉隆氏が、小沢氏を批判しながら、

とはいえ、確かに、小沢氏の言い分にも頷ける部分はある。総選挙の迫ったこの時期、同じ西松建設からの不正献金で、嫌疑を掛けられている国会議員は彼ひとりだけではないからだ。
 金額の多寡にかかわらず、政治資金収支報告書に基づいて列記すれば、尾身幸次元財務大臣、加藤紘一元自民党幹事長、森喜朗元首相などの名前が挙げられる。
 ただ、その多くが、派閥(党)経由の献金であったり、政治団体をいくつも迂回させているということで、即、違法性を問えるものかどうかという確認が難しい上に、会計処理の方法も複雑であり、その実態が掴みにくいのだ。
 むしろ、もっとも政治資金を透明にしている小沢事務所の方が、カネの流れが歴然としている。皮肉なことにそれが、今回の秘書逮捕に繋がったという見方もできなくもない。
 小沢氏からしてみれば、もっともオープンにしている俺ばかりがなぜ? ということなのだろう。

と、明朗な処理にこだわった小沢氏がやり玉に挙がっている事実も指摘している。

●政治家の違法行為が野放しでいいとは思わないが、世の中政治的に解決すべきことと、行政的に解決すべきことがある。とくに政治家がどうあるべきかということは、少なくとも行政が介入すべきではない。そういう意味では、収賄のように、政策そのものをねじ曲げたような、政治家の自治を超えたような案件以外は、警察・検察が政治家に踏み込むことは慎むべきではないかと思う。そのことの恐ろしさは、戦前のような体験をしておきながらも、日本人はあまりよくわかってなくて、検察に拍手喝采を送るような政治風土がある。では、拍手喝采を送る国民は、膨大なたれこみ情報の中から、特捜検察官がどの政治家に踏み込むかという判断は誰が決めているのか、ということを考えてみたことがあるのだろうか。

●朝日や読売のこの記事は、検察リークではないのかという疑問がある。それこそ、公務員としての守秘義務の問題がありそうである。

●メディアスクラムは相変わらずだが、少し緩和されたように思う。冷静に立ち止まって、政略捜査の余地も検討した報道をしているし、同じお金を受け取っている自民党議員に捜査の矛先が向いていないことをきちんと批判している。

●また民主党の中堅はざわついている。こいつらは、世代交代の軸でしかものを考えられないのだろうか。
この事件があって民主党への批判が高まったとしたところで、こんなにだらしない政治をしている自民党政権を続けてくれ、という話にはならないだろう。それぐらい今回の世界同時不況は、今までのやり方を許さない時代環境になってきている。この事件で民主党に心底嫌気をさした人は、共産党に入れるか、比例区で社民か国民新党に入れることになろう。ごくたまにわけのわからない泡沫政党に入れるひともいるが。
むしろ、党内の足の引っ張り合いが始まって、こんな大事なときに自民党と同じようなことになることが、民主党にとっての危機だろう。新たな刑事罰になるような法律違反が発覚して、党首が辞任することになったとしても、現執行部をひっくり返す必要性は全くないだろう。
実際、検察の捜査は、自民党議員にも向き始めた。このことで、どちらの党がという話ではなく、そもそもゼネコンと公共事業の関係をどう制度改革するか、という制度論に展開すべきなのではないか。

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