3/21 一週間後、丸の内線がワンマン化
東京の地下鉄の丸の内線が28日からワンマン化される。また東京メトロ名物の常態化した遅延が起きるのだろう。
東京メトロがぼろ儲けしていることは以前記事に書いたが、それなのに東京メトロは人減らし合理化を突っ走っている。
丸の内線のワンマン化に先立ち、ホームドアを設置して、これで安全だとメトロは言い張っている。ホームドアは、本来乗客の安全のために設置したものだし、その観点からは賛成している。
しかし、どうして副都心線も丸の内線も中途半端な設備なのかと思う。というのも、ホームドアの高さが低く、よりかかると頭や手が線路側に出てしまうのだ。南北線に設置されているような絶対安全なものではない。
低いホームドア、危険な感じがしてならないし、事実、副都心線の開業当初は、鉄道マニアが写真撮影するために手や顔を出して、遅れの原因の1つになっていた。
そういう安全に対する完全性のないホームドアが導入されたのはなぜか、と思えば、人減らし合理化のため、ワンマン化するための形式的事実のためにホームドアが必要だったということだったのだ。
それで160人ほどの人員合理化ができるらしいのだが、それで浮いて出てくるお金はどう見積もっても年間15億円程度。今、東京メトロは毎年3000億円売り上げて、400億円前後の最終利益を出している。儲けを大きく出して支払う法人税なども考えれば、人件費の実際の節約分の半分しかメリットはない。この程度の人件費を節約したところで、意味があるのかと思う。
有楽町線の夕方夜間の間引きダイヤによる混雑と遅延の悪循環が放置されているのも、儲け中心の人員合理化至上主義の弊害だろう。人減らしの一環か、和光市駅の駅業務の全部がやや人件費の低い東武鉄道に委託されている。そのため、和光市駅で正確な運行情報がアナウンスされなかったり、遅延発生に的確に対応できていないことなど、問題を感じている。
一方、地下鉄有楽町線の池袋駅は、駅なかショップ「エチカ」の準備に追われ、工事の囲みで混乱している。東京メトロは乗客を虐待して本業をきちんとやらないまま、不動産賃貸稼業にせっせせっせと血道をあげている。JRでも日本郵政でも、同じような話があった。公益事業をする政府系の会社が不動産業に血道をあげていることは何か変だ。JRにしても、日本郵政にしても、東京メトロにしても、東武鉄道にしても、税金や規制による独占事業によって資産を蓄積してきた会社である。本業を手抜きして、不動産業をやるのはどうかと思う。
また、こうなってしまうのは、事業を直接やらずに、建物貸して働かずして儲かる日本の不動産価格の相場に問題があるのではないかと思う。日本は不動産業者の多い国であるし、不動産を持っている人間と持っていない人間との生活水準の落差が大きい。国民のまじめな努力を引き出したいなら、不動産業と他の産業との利益分配のあり方を見直した方がいいと思う。
そして東京メトロが短期的な儲けにばかり走るのも、現在、国と都が保有している東京メトロの株を市場で売却しようということがあり、外資が狙っているという噂があるから、「企業価値」を大きくしなければならないからだと思う。株価が低迷したのだから、政府には東京メトロの株を当面売らないという決断をしてもらいたい。そして乗客不在の商売のあり方を変えてもらいたい。
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