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2009.03.02

3/2 オバマがファシスト

佐藤優「テロリズムの罠」を読む。
オバマがファシストの論理を持っているという佐藤の洞察は鋭い。ブッシュが終わることにほっとしながらも、どうもオバマブームに馴染めない私がいたからだ。社会民主主義者として、思想性も経済イデオロギーもないかたちで国民の統合をひたすら追求する姿勢に違和感を感じているからだ。

オバマ氏は、「アメリカ合衆国という国家においてわれわれは1つである」ということを強調し、人事においてもブッシュ共和党政権のゲーツ国防長官を留任させるなど、民主・共和両党の壁を突破しようとする。さらに選挙期間中、インターネットを用いて国民の能動性を引き出し、100万人を超える草の根の人々を動員することに成功した。宗教右派以外にこのような動員ができる政治勢力は存在しない。
 筆者はこのような傾向に危機を感じている。経済危機で米国が保護主義的傾向を強める中で、社会の対立を国会主義的イデオロギーの力で超克するという発想がファシズムにつながる要素を持っているからだ。(佐藤優「テロリズムの罠」p211)

私は昔から帰属意識に訴えて、むやみに統合を振りかざす小権力者が苦手で、金日成そっくりの高校のときの校長を批判し続けたし、毎月のようにある演説中に野次ったこともある。高校生なんか適度な友人愛ぐらいがあればよくて、学校なんか服従するほど愛さなくてもいいと思ったから。
社会は違う人間で構成し、そこから政府や国家ができていくんだ、という基本的な考え方がきちんとふまえられていることが人間の自由を保障していく上で大事なことだと思う。そして、違う人間どうしが思想や立場や利害打算でやりあうことが重要だ。
そういう観点から、議会制民主制のもとでは、政党どうしがドロドロと闘う政治が健全だと思う。私はその中で左派だから社会民主主義を信奉しているが、社民連が消えて以降、残念なことにパチッとはまるような政党がない。

●そんなことを考えると、滅茶苦茶な国だが、欲得ずくで動いているブラジルやロシアがとても健全に見えてくる。

●もちろん公明党と共産党以外、政党がまともに機能していない朝霞の政治構造に、嫌気がさしてくる。

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