2/28 社民党は民主党を中心とした連立政権に参加して主体性を発揮すべき
社民党の党大会に準ずる位置づけの全国代表者会議で、福島党首が提案した民主党との連立を否定する意見が相次いだという。
既視感があることだが、毎度、政局に対するセンスのなさに呆れかえる。
今回、連立に最も後ろ向きと見られていた福島党首が決断し提案したことの歴史的意味は大きい。
しかし、それを批判している方は、うすうす連立や選挙協力をしなくてはならないとわかっていながら、原理論によりかかって安易な発言をしているのだろう。しかし答弁する方はちゃらんぽらんな答弁はできないわけで、結果として、社民党の政治選択の幅を自ら狭めていることになる。私もこういう社会党以来の感覚についていけなくて、民主党結党を機に社民党支持をやめた。
社民党が狙うべき戦略は、国民新党と意志疎通を十分にはかり、次の衆議院選挙でキャスティングボードを握り、民主党を中心とする政権ができそうな段階で少ない議席を高く売りつけること以外にない。そしてそのために選挙協力をばっちりやり、比例区の積み上げを図ることだろう。
民主党を中心とする政権にかまずに、社民党の主張の一部も実現することはないだろう。
さらに先読みすれば、民主党も政権が手に入った後にどうなるかわかったものではない。民主党の地獄の選択に巻き込まれることを恐れているのだろうが、その場合、社民党がそれでガタガタになる前に、民主党の方がガタガタになるだろう。
今は政権を担当するという一点において、民主党は党内の異論や感覚の違いを、小沢体制のもとで封印している。実際に政権を取った後は、経済政策や、労働政策などで、政策判断で党が割れることは避けられないし、ときには党が分裂するような危機に陥る可能性もある。大連立みたいなことがあれば、民主党は確実に大きく割れる。
そのときに社民党や国民新党、新党大地の判断は大きな動きの重要な鍵になってくる。これら小政党は、それまで命脈を保ち、来るべきそうした事態に十分に党を動かせるような体制づくり、とりわけ戦略家の確保が重要ではないかと思う。ほんとうに社民党が真価を問われるのはそのときである。
余計なお世話かも知れないが。
●どうしても連立にあたって社民党が前原を気に入らないのなら、前原誠司の発言力が封印されたり、前原誠司が出て行きやすい環境整備をするような調略をすべきだろう。民主党の横路派が小沢と安全保障に関する基本合意をしたことが、前原などの対米従属派の行動を封じた。社民党の主体性がきちんとあれば、民主党と連立したことでいいようにやられることはない。
民主との連立に反対意見相次ぐ 社民党全国会議2009年2月28日22時38分朝日
社民党は28日、党大会に代わる全国代表者会議を党本部で開き、次期総選挙で「10年間続いた自公政権を打倒する」との決議を採択した。総選挙で現在の7議席から10議席以上の獲得に向け、比例区で計450万票▽来年の参院選で改選3議席の倍増――をめざす方針も確認した。しかし、民主党との連立政権樹立には反対意見が相次ぎ、結論を先送りした。
福島党首はあいさつで「麻生総理は総理をやりたいためだけに総理をやっている」とし、自民党内の麻生降ろしの動きも「政権たらい回し」と批判。一方、各地で選挙協力が進む民主党との連立や、同党の小沢代表の「第7艦隊」発言には触れなかった。
これに対し、出席した地方代表からは「民主党や国民新党と共通の政権公約を示すことが衆院選勝利に向けて大事だ」と連立に前向きな意見も出たが、94年に前身の社会党が自民党との連立政権で、自衛隊を合憲と認めるなど基本政策の転換に追い込まれた経験から「せいぜい閣外協力。下手をすると、今度は党がなくなる」との指摘も出た。
その後も小沢氏や前原誠司前代表を名指しし、「民主党右派とは決定的に平和への考え方が違う」「決して連立するとは言わないで」と否定的な声が続出した。重野安正幹事長は会議後の記者会見で、「憲法に忠実な社民党のさまを侵すような政権参加はちゅうちょせよ、との忠告だった」と語った。
全国代表者会議は、2年に1回の党大会がない年に開かれている。(蔭西晴子)
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