2/27 富岡市長候補のマニフェストを検証する
現職の市長候補のマニフェストを検証してみる。
公約1.子育てにやさしいまちづくり
家庭や子育てに夢を持ち、こどもたちがのびのび生き活きと育つまち朝霞を実現します
●乳幼児医療費無料化の拡大
●学校トイレの計画的な整備改修
●センター児童館の整備
●栄町給食センターの自校親子方式の整備改修
〈私の考え〉乳幼児医療費無料化の拡大は先日批判しました。内容はハコモノばっかり。本当に必要なのは職員たちのスキルだが、児童福祉や教育をサポートする正規職員は異動ばっかり気にしてスキルが無く、内規のためにこまぎれ労働を強いられスキルが蓄積できない臨時職員、非常勤職員に依存しています。
施設整備にしても、学童保育や保育所は待ったなしです。子育てでいま目詰まり起こしているのは、せっかく朝霞にマンションを買ったり、借りたりして引っ越してきた親子たちが、学童保育、保育所が足りなくて生活に苦しんでいること。学童保育は児童福祉担当の幹部職員が市長の側近に増設を提案したところ突っ返したなんて噂もあったりします。
2.お年寄り・障害者にやさしいまちづくり
福祉やサービスや医療、バリアフリーやユニバーサルデザインなど、居心地のよい生き活きとした、安心できるまち朝霞を実現します。
●高齢者バス共通カード事業の実施
●朝霞駅南口エレベーターの設置
●育みバーチャルセンターの設置
●障害者就労支援センターの設置
●授産施設の増設
●朝霞駅南口駅前通りのアメニティーロード化
●団塊世代の生きがい応援のためのシニア活動センターの設置
〈私の考え〉地域福祉計画の推進に関わって、ほんとうに市役所全体の姿勢を疑っている分野です。就労支援センターは、障害者自立支援法実施で不可欠なもので、ほんとうなら昨年からなくてはならなかったものです。
授産施設の増設は、障害者自立支援法で、国が就労にシフトさせるために授産施設への補助金を切っている中で、市として持ち出しを積極的に出してやる、ということでしょうか。そうであるなら評価できますが、その裏付けがはっきり伝わってきません。
駅前通りの整備を福祉の一環として捉えたことは評価しますが、これまたハコモノ事業で道路特定財源頼みです。もはや商売やる気がなくて、家賃収入をあてこんだ不在地主だらけの商店街をどう活性化しようというのでしようか。
エレベータの設置ですが、一周遅れの政策です。朝霞駅南口のバブリーな整備なんかより優先度が高かったはずですが今日まで放置されてきました。朝霞台駅もそうですが、和光市や新座市に比べて、駅周辺のエレベーター整備が遅れています。
高齢者バス共通カードは、バス路線の整備と運行本数の確保があってからの話です。人口同規模の大分県別府市や浦安市に比べて、バス路線網の目が粗くて、本数も1時間に1本とか、2時間に1本という路線も多くて、バスのタダ券をばらまいても、住民格差が広がるだけです。
育みバーチャルセンターというのが意味不明です。霞を食うようなイメージです。
3.心地よく過ごせるやさしいまちづくり
市民が生きがいと将来に夢を持った、心地よく生き活きと過ごせるまち朝霞を実現します。
●花火のあがる総合公園の整備
●休日・夜間診療所(医科・歯科)の整備
●女性センターの整備
●朝霞台駅南口駅前広場の整備改修
●NPO団体支援制度の創設
●浜崎ふれあい公園の整備
●シンボルロードの整備
●朝霞第四小学校跡地の有効活用の検討
●公共施設の修繕計画の検討
●市民センターの月曜休館の廃止
●体育館・テニスコートなどの体育施設の月曜休館の廃止
〈私の考え〉目的がそんなに大きくないハコモノ事業が多すぎます。ハコモノだけで、公園、女性センター、朝霞台駅南口、浜崎ふれあい公園、シンボルロード、第四小学校跡地と半分以上です。
女性センターも女性が集まって女性らしさを磨くような場所ではだめです。税金でやるのですから、DVや児童虐待の保護ができ、そうした被害者の駆け込みができるような場所になる必要があります。
朝霞台駅南口は危機感があります。また朝霞駅周辺の開発のようなバブリーなものになるのではないかという杞憂と、駅前ロータリーを大きくすることによって、朝霞駅南口のようにバス停が遠くにやられて、マイカーで送迎される人ばかり優遇されるようなことが起きはしないかと思います。
新聞で、富岡市長が市職員だったときに彩夏祭を担当していたことが大きく紹介されていましたが、市役所というのは祭の事務局みたいに思っているのでしょうか、優先度がそんなに高くもない、花火公園、シンボルロードそんなことが目立ちます。
公共施設の修繕計画がないというのは驚きです。鉄筋コンクリート建築は少なくとも60年は維持できますが、修繕計画があってこそです。基地跡地利用整備計画に辻褄合わせるために、修繕していないからと、基地跡地にあれこれ移設する話を進めるのでしょうか。本末転倒なことにならなければいいと思います。
公共施設の月曜休館の廃止は結構なことですが、それにふさわしい職員配置をし、そういう日に働く職員の賃金を買いたたくようなことはやめましょう。
なお、体育館や市民センターなど、月曜日に開いていないからと生活に支障のない公共施設が毎日開館されるなら、もっと切実な認可保育所や学童保育の開所時間を拡大し、土曜も休日も開けてもらいたいものです。サービス産業で働く人たちには、もはや土日必ず休めるなどという保障はないのです。そういう市民が税金を何十年もきっちり源泉徴収で払ってくれているのです。
●前回のも今回のも、富岡市長のマニフェストを読んでも、朝霞市をこういうまちにしたい、という柱になるような考え方がよくわからないでいます。タカ派県議として有名だったという政治家としての出自がはっきりしないでいます。
財政的な観点や、ハコモノ公共事業に傾斜しているところなどは、おそれおおくも改革派市長でもないし、福祉政策に弱いことからも福祉自治体をめざす立場でもないようです。
この事業をすべて推進すると、市の債務残高は、基地跡地利用計画の200億という債務増加に上乗せして、100億円の単位で積み上がっていくことだと思います。ホンダからの税収の落ち込み、固定資産税の長期低落傾向などをあわせて、4年後の市長選挙の課題が、財政再建にならなければいいと思います。
また、この4年推進、推進で強引に突っ走ってきた基地跡地利用について、計画を強行したことに反対する市民と和解し、市民を統合していくことが政治家として必要なのでしょうが、その視点でメッセージはありませんでした。
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