1/27 議員年金廃止のかけ声は高いけれども
きょうの朝日新聞の7面「地方議員年金 存続か廃止か」というタイトルの記事が載っていた。
今、議員年金財政が破綻寸前になっている。払い込まれる保険料より給付が圧倒的に大きいからだ。その原因は市町村合併で、現役議員数が減った一方で大量の引退した議員が出たためと言われている。
私は、今の議員年金という制度がおかしい、という記者や紹介されている問題提起した人たちと問題意識を共有するが、しかし、乱暴にも議員に年金なんかいらない、という考え方に与しない。
議員といえども1つの職業とすることが重要で、議員の間に必要以上の禁欲を強いることは絶対、どこかで歪みを生む。小泉元首相が「人生いろいろ」と言い切ったように、どこかの会社の社員を偽装してサラリーマンの年金に入ったり、表の年金ではなくて老後もしゃぶりつづける利権を捕まえたり、いろいろ問題を起こす。
税金と同じように、議員も1つの給与所得者として捉え、他の人と同じ厚生年金に加入する、厚遇も冷遇もしない、その掛金は加入者と国が折半して払う、というのではダメなのだろうか。
●この記事で紹介されていた「神奈川ネットワーク運動」は、特権的と議員年金に一方的な廃止を訴えている。私は神奈川ネットワーク運動がこういうお金をめぐるきれいごとを言うと、いつも、なんだかなぁ、と思う。高所得の夫のもとで老後の経済的不安も考えずにいられて、報酬はいりません、8年で失職しても文句は言いません、年金もいりません、と言っていられる神奈川ネットワーク運動の議員になれる方が、特権じゃないかと思っているし、高度成長の遺物のように感じる。シングルマザーやシングルファーザーの議員は必死だ。
だから、母体の生協の票だけで当選できないぐらい厳くて、プロ化が避けられない横浜や川崎の市議たちが、次々に反旗を翻したんじゃないか、と思う。
●一方で、5期も6期も地方議員をやって、市民の代理人のように振る舞い、ライバルが現れそうになるとつまらない小細工ばっかりしている人間に、ほんとうに困った思いをする。プロとして仕事を確立できないのに期数を重ねた議員も困ったものだと思っている。
●給与所得者が人口の6割もいるのに、地方議員の構成比では、現役の給与所得者は1割もおらず、労働組合出身の休職者や退職者を入れてようやく2~3割しかいない。
議員をやりながら生活をするためにはどういう社会制度がよいのか、真剣に議論すべきだ。報酬ゼロで夜間や土日議会とするか、公民権休暇取得に強制力を持たせるとか、そういうかたちにするか、専業化して、自治体の意見集約機能を高めるか、どちらかではないか。
中途半端に、訳知り顔で俗論の開陳しかできないような人間に、情報独占というかたちでの「プロ」の地位保全が行われ、そういう人たちに担われる自治体議会が続けば、多くの自治体で地方自治は機能不全になるだろう。
●地方自治が機能しない場合、大都市圏なら、中心的な都市に吸収合併してもらうことが、ごちゃごちゃやるより早道かも知れない。
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