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2008.12.31

12/31 京の粉雪

昨晩、京都で友人を呼び出し、忘年会。京都の冬は寒いと聞いていたが、最も寒いこの時期に来たことはなかった。
聞きしに勝る寒さで、肌で感じる空気が晴天のときの札幌の冬のようなもの、日差しも緩く、時折雪が舞い降り、悪くないなぁと思う。あの夏の異様な暑さが信じられない。
京都の良さは、やはり山に囲まれているあの風景だと思う。方向が逆だが、札幌も三方山に囲まれていた。山が美しい大都市に憧れる。

往復の新幹線の車中から見える山の風景が、年末で空気が澄んでいるせいか、とてもきれいだった。

●「藤原家の正体」(新潮文庫)を読む。藤原家が天皇制をいまのようにし、平安時代の恐怖政治を通して、日本人の精神構造に多大な影響を与えたという批判的視点は、新しいものではないが、梅原猛の論点と少し違うところがあって、考えさせられた。
しかし、図表の使い方とか、ユダヤ陰謀本みたいで、よかったのかなぁ。

●一年が終わる。
このブログでは、通勤電車のトラブル、朝霞市の基地跡地の問題、自治体の非正規労働者の問題について書いたことが多かった。
来年は市長選がある。
もう少しやることを本業に特化し、余暇時間は少しでも趣味に生きられたらと思う。

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2008.12.27

12/26 経済情勢悪化のもとの朝霞市がとるべき道

経済情勢が厳しい。このことの朝霞市の財政への影響を考えてみたい。

朝霞市の一般会計は300億円超、一時は330億円ぐらいまでいったこともあるが、デフレ経済のときに310億円前後に下がり、以降、そのまま落ち着いている。

そのうち、市の税収は270億円。税収のトップは固定資産税で4割。僅差で住民税が4割弱。そして0.7割が法人事業税。ホンダが朝霞市にいくら納税しているのか把握できないが、企業規模、従業員数、これまでの利潤の高さから、法人事業税の半分ぐらいが消えるのではないか。これで8億円程度の税収減になる。

固定資産税収の考え方も、多く下がることはないにしても、じわじわと下がる。固定資産税は土地価格×住宅や事業所の数、これに滞納しない人の割合と考えればよい。

土地価格でいうと、マンションバブルの崩壊でマンション価格の下落、特に朝霞市のような郊外住宅地の住宅価格が下落していく傾向はしばらく続く。この秋の金融危機以降、不動産業界への資金流入は絞り込まれており、不動産価格が上がる状況にない。事業所も、企業のリストラが始まり、そもそも価格が下がっていく。
さらには住宅は生産過剰にある。毎年110万人しか赤ちゃんが生まれない時代に、160万戸作ってきた。20年で1000万戸供給過剰になる生産をやって、不動産の需要が高まることなどあり得ない。
ということで、朝霞市の住宅価格が上がることは今後数十年は考えられない。

続いて、住戸数が朝霞に増えるのか、という問題である。
95年から2001年にかけての朝霞でのマンションブームは、住宅価格の下落による手頃感で購入者が増えた。しかし、今回の不況で住宅価格が下がって、いくら朝霞のマンションが手頃価格になっても、今まで通り売れ続けるということはないと私は読んでいる。
1つには前に書いたように住宅供給過剰であること。首都圏の住宅ニーズは、必ず都心→23区郊外→多摩地区→23区周縁の千葉、埼玉、神奈川と広がる。人口増加がないまま、住宅供給過剰であれば、人口増加は23区郊外で息切れしそうである。少なくとも裕福な東京都に比べて格段に行政サービスの質が落ちるため、県境は超えない。特に住宅価格だけではなく、保育料や教育水準などを考えれば、人生のトータルコストを考える人は朝霞にマンションを買わなくなるだろう。

住宅購入世代の意識の変化も、住宅価格が下がったからといって購入が進むとは思えない。これまでマンションブームを支えたのは、60年代生まれの持ち家志向が強い世代や、親の財産をあてにできた70年代前半までの前半の団塊ジュニアまで。それ以降の世代は、雇用不安にさらされ続けているので、ローンを組まなくては買えないような、自動車や住宅は買わない。買うのは正規雇用の公務員ぐらいになる。

そうなると、朝霞市の固定資産税のもとになっている土地価格も納税者の数も減り続け、急激に来るかじわじわ来るかわからないが、財政を厳しくする傾向が出るだろう。

今後十年ぐらいは今の税収の1割~2割は減少していくことになると見られる。

朝霞市財政が長期的に息をつないでいくためには、
1.市の財政から不安定要素を排除すること
①基地跡地開発のような長期債務を伴うような投資は全て中止すること。民法的な所有によって市の事業を実現しようとせず、社会的規制によって市の方針を実現するようにすること。
②補助金頼みの開発や土地の買い上げ、事業をやめること。
③固定資産税収入に直結する住宅価格を下支えするため、新住民向けの政策を充実すること。千葉県市川市は、保育所政策を充実させ、病児保育(他の自治体はやっているところでも病後児保育まで)までやっている。私の組合の上部団体の女性職員たちも、市川市に続々移住しているという話も聞こえてきている。少なくとも、コストや利用料はともかく、サービス内容は23区内と遜色のない、福祉や教育水準を確保すること(和光市がこの戦略を採っている)。
④正規の市職員の問題発見、問題解決能力を高めること。臨時職員については、意欲向上して現場を守るためのモチベーションをつくること。
⑤市民が市役所に関わり、自治をしていく意欲を高めていくため、政策決定過程からの市民参加を進めていくこと。
⑥知っている人しか知らないような特定団体やプロ市民運動向けの5万、10万円細切れの補助金を整理し、税金がなければできない事業に絞っていくこと。
⑦以上のようなことを担保するために、市役所内の会議の全面公開、市議や町内会長からの口利き・便宜の取り計らい依頼の記録・公開制度の導入、市議会の改革、公益通報制度の導入、外部監査の導入など、市役所の運営の改革を進めること。

●2年に1度ランキングしている「日経愚ローカル」が、朝霞市の行政サービスの水準を高評価。板橋区より上という結果だが、疑問である。
日経の調査は財政指標の評価割合が高く、他が大したことなくてもぐんと評価が上がるようになっている。財政以外の指標で朝霞市が高位の得点を採っている内容を見たことがない。この調査、非常に表面的な指標が多く、もっとまじめにやっている自治体の評価が全然高くない。
朝霞市なんて行政に苦情を言っても適当に誤魔化されるだけだし、PTA関係者なら教育委員会から口封じの圧力もかかるような話まである。そんな自治体がさまざまな苦情解決機関を用意している板橋区より上、新座市より上、和光市より上なんてあほな話があるかと思う。

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2008.12.25

12/25 地下鉄の運賃は国に巻き上げられ、国は整備新幹線に浪費

中公新書の「大平正芳」を読む。今の自民党政治が失った、調和を重んじ、良質でずっしり重い価値を持っていた政治家だと改めて感じた。

●テレビの歌番組で「部屋とTシャツと私」が流れていて、フェミニストが小馬鹿にしていた話を思い出す。この時代、女歌は、高所得の男にぶらさがって、美しく自由に暮らす歌が多かった。その頃、親に対する突っ張りと人生最もひきこもっていた頃で、私は月7万で家賃も払って地方都市で暮らしていた。当時はこうした歌がほんとうに嫌な感じだった。今、若者がマイカーもマイホーム志向もなく、デートもひきこもりがちだという。収入がないし、将来展望も明るくないんだもの、しょうがない、と強く実感する。

●地下鉄が遅れる。毎日。朝はともかく、帰宅時の、どこで遅れてくるのやら、市ヶ谷で2分~5分の恒常的な遅れは何とかならないか。遅れると朝のラッシュ以上に混んでいたりする。前は、西武線方面行きに乗っても、小竹向原で東上線方面に接続したが、今は、「接続しません」と素っ気ないダイヤになったので、和光市行か、東上線直通電車を辛抱強く待つしかない。そんなんで定期入れにいる時刻表が手放せず、半年もしていないのにボロボロになった。
そもそも夕方以降の有楽町線は混雑しているのに本数が少ないのが問題ではないか。
混雑がひどいからドアの開け閉めを繰り返し、やたら発車に時間がかかっている。どんどん遅れが累積して、和光市に着く頃には5分ぐらい遅れている。車掌は毎日謝り続けている。
私たちはそのことで毎日苦痛に耐え運賃を払っている。その東京メトロは今年は売り上げの1割以上、400億円以上ボロ儲けをして、民営化の配当金として巨額のお金を国と都に上納している。

一方、2009年度の国の予算で、整備新幹線には、今年3500億円で過去最高のお金を投じるということだ。国が直接投じるお金もあるが、貴重な地方交付税財源を喰うような話も自治体負担分という美名で裏側でくっついてまわっていたりして、何だかなぁと思う。景気対策とかで、とにかく使おうという話なんだろう。地方がそれで豊かになればいいが、今の特急代の倍近い運賃を払って、どんどん人が東京に流れ込んでくる。地方が豊かになっているように思えない。

都会のサラリーマンを虐待して、声の大きな一部の地方の有力者だけを優遇するような公共事業のバラマキしかやっていない自民党に愛想が尽かされるのは当然である。

がんばれ自民党の早川忠孝さん。毎日、サラリーマンを見ているなら、サラリーマンの苦痛を取り除いてください。

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12/24 泥臭くて色っぽい61歳とスマートに見えてただのヒヒじいの61歳

朝日新聞夕刊「東京タワーに乾杯」を読んで、クラクラする。

92年8月9日午前0時。
恋人の25歳の誕生日に24本のろうそくを立てたケーキを振る舞ったあと、東京タワーが見えるベランダへ。「今から25本目を吹き消すぞ」。タワーに向けて息を吹きかける。タワーの光が消える。「素敵!」。感動した恋人に抱きつかれる背広の男は、部長になった島耕作だ。
 作者弘兼憲史(61)のサラリーマン時代の動機が、タワーの見えるマンションで実際にやってくれた演出だった。(中略)
 夏至の夜、電気を消そうと呼びかける「100万人のキャンドルナイト」「スローな夜」が合言葉で、趣旨は自由。(中略)世話役で「大地を守る会」代表の藤田和寿(61)はその瞬間、思った。札幌の時計台でも、大阪城でも、薬師寺でも、いま電気が消えたんだ、日本中の人が暗闇でつながっているんだ。

悪いことではないんだけど、何か、困ったものだ、という感じがしてならない。46歳のオヤジが、25歳のコムスメをたらしこむのがこんなんでいいのか、と思う。同じ歳の差でも団鬼六のような色っぽさがない。みんなが電気を消してみることはいいことだと思うが、そこに人間どうしが暗闇でつながっていることを確認しあう運動なんて、どこかファッショのニオイがしてならない。

ああ、61歳。娘息子の就職が思うようにならないことに悩み、過激派時代の敵対党派の仲間を、自腹を切って助け合って同窓会を開こうとする団塊のおやじさんたちの方がずっとずっと色っぽいと思う。

●昔、好々爺を「すきすきじい」と読んだ同級生がいた。半日笑った。

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2008.12.24

12/24 明仁天皇が働きたい人が働けない自体に心を痛める

先日、わが職場の向かいのスペイン文化センター(日本文化センターみたいな名前で)に、スペインのカルロス国王がお見えになって、ミーハーに写真まで撮りに行ったことを書いたが、この国王、なかなかの名君でいろいろ考えさせられる。

明仁天皇が、生誕記念日のメッセージとして、以下のような言葉をおっしゃった。

世界的な金融危機に端を発して,現在多くの国々が深刻な経済危機に直面しており,我が国においても,経済の悪化に伴い多くの国民が困難な状況に置かれていることを案じています。働きたい人々が働く機会を持ち得ないという事態に心が痛みます。 これまで様々な苦難を克服してきた国民の英知を結集し,また,互いに絆を大切にして助け合うことにより,皆で,この度の困難を乗り越えることを切に願っています。

まさにその通りで、心に打つ言葉であると思う。

しかし、こういう感性が、雇用破壊をしてきた自民党に対抗する勢力から率直に出てこないのが本当に残念でならない。変にポジティブに表現しようとして、頑張ったものは報われるみたいな話になっちゃったりして。辛いものには辛い、はっきり痛みをネガティブに捉えてから、多分次のことが考えられるんだと思う。

今回、天皇がこのような発言をした。そして、そこに共感している自分がいる。
戦前も、結局大恐慌に対抗していく理念が成立せず、利権まみれの政友会と、緊縮財政しか理念のない民政党の中で、働きたい人が働けないという状況に全く無頓着だった両党の中に、右翼政党と、社会民主主義をめざすべき政党の3分の1が軍部に結びつき、やれ新体制、やれ翼賛とやったことの帰結があの戦争であった。天皇の理性的なところによりかかるしかなかったことが、軍部にいいように利用され、政治的には近衛文麿みたいな無定見な人間にふりまわされ、不幸な戦争という結果になってしまっている。

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2008.12.23

12/22 矢野朝水氏が天下りしていた

●某野党の党首に万一のときに代打になる議員の秘書(回りくどいな)に、左よりの人間集めたので会わないかという誘いがあって、職場の忘年会の後に寄る。
折しも話題は労働問題になった。そしてそのことの政局をめぐる話が出る。
某野党、とりわけその秘書の親方とJR総連組織内議員がしきりに政局にしたがっているけど、26日から4日まで役所も企業も閉まって動かず、飢え死にする人だって出かねないんだから、これをネタに政治ゲームをやっていると、あとでひどい宣伝のされ方される、と進言した。景気対策はともかく、この10日近い日々を、飢え死にせず、雨露しのげる対策に絞って、大胆に与野党協議をやるべきだろう。
それにしても、彼の親方は、私に小野善康阪大教授を紹介してくれたわけで、そういう情報源をこういうときにどうしているのか。YKKKなどと、選挙区調整も理念もイデオロギーもはっきりしないような盟友関係なんか作って遊んでいる場合かと思う。

●「吐息の日々~労働日誌~」「EU労働法政策雑記帳」の記事から、企業年金連合会(厚生年金基金連合会)の理事長をし、株主資本主義を強烈に推進してきた矢野朝水氏が、日本コープ共済生協連合会に天下りしていたことを知る。

所有の概念を全面展開する、矢野氏の株主資本主義の理屈と、配当もなければ互助理念にもとづくコープ共済の考え方がどう同居しているのか疑わしいが、厚生労働省の許認可権限による典型的な天下りだろう。

矢野氏は、今回、正社員が既得権益を手放して非正規社員に分け合え、というような論調でものを書いている。正社員の既得権益の上に、働かずに質の高い家事や地域活動専念できるコープ共済の加入者である専業主婦たちがいることを忘れている。そもそも正社員と非正規社員の間の収奪関係よりも、労働分配率の低下という企業対労働者の収奪関係があることを無視した議論をしている。労働分配率の低下を促してきたのは、矢野氏の株主資本主義の理屈であろう。

EU労働法政策雑記帳では、醜悪と言い切っているが、私も同感である。

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2008.12.18

12/18 強行採決を批判していたんじゃなかったっけ

民主党のバカが、雇用対策の法案を参院厚生労働委員会で強行採決をした。社民党や国民新党の中には強行採決に慎重な声があったようだが、どうにも強硬論に押し切られたようだ。

これまでの強行採決の悪夢は、民主党が廃止を求めている後期高齢者医療制度を作った、医療制度改革関連法案のときなど、困った話ばかりであるし、民主党が厳しく批判してきたものばかりである。

民主党は、社会保障・労働関係の政策を争点にしているため、国会での対決型にしようとするが、政争のネタにされて困るのは国民だけである。きちんとした議論、きちんとした実地での見聞を重ねて、与野党で建設的な議論をしてもらいたいし、そうでなければ政権など取ってほしいと思えない。

まぁ、派遣業者から献金もらったり、秘書紹介してもらったり、ときには妻まで紹介してもらっている議員が多いから、本当は民主党の半分ぐらいは雇用とか労働なんかよくわかっていないんだと思うが。

※かといって社民党も、一般労働者の経験のない議員ばっかりだなぁ、と思っている。世界の社民主義政党でもこんなに労働者出身の議員が少ない政党ってそんなにないんじゃないかな。

●自民党も困ったものだ、というのは先日書いたとおり。給付金以外、民主党は丸飲みするというメッセージも出ているし、雇用対策関連法案は議論すべき対象であった。それをファシズムだのナチスだの言って突き放したことが民主党の主戦派を勢いづかせてしまったのではないか。とにかく今の民主党は血に飢えているのだから、国民生活に密接に関わることを政争のネタにしないのは責任ある政権政党として配慮すべきことではないか。

●こういう風に、民主党がやんちゃに舞い上がって調子に乗っている時の後には、これまで、必ず、とんでもない悪夢が待っている。偽メールでひっかけられるか、党首の愛人疑惑か、心配である。とりわけ、前原世代の福山哲郎が強行採決議案の提案者として、採決後に不敵な笑みを浮かべていたのが、いつか見たような風景である。

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12/18 子育て中の労働者だけ残業規制させられたってさ

政府の労働政策審議会が育休法の改正の考えをまとめたが、子育て中の親に残業をさせることを禁止するなど考えられている。まぁ、やらないよりましだが、実効性があるのか疑わしい。

1つには、古くて新しい問題だが、子育て中の女親の大半が、非正規雇用労働者であることだ。その人たち相手に、残業させるも何も、という感じである。そもそも安定して子育てさせる環境が、非正規雇用かつ低賃金でないと手に入らないというのはどういうことかと思うところだ。

そして、ハードに働いている正規職員に対して、子育てしている親だけ残業規制して、どうなるというのだ。その結果、だから子育てしている親は使いにくい、という反応になるだけである。気持ちいいことしていいように子どもつくっていい気なもんだ、好き者だねぇ、とか言われる風潮がますます強くなる。実際、そうだから、子どもを産むと働くのを辞めてしまう女性が多いし、あるいはキャリア女性は子どもが好きでも子どもを絶対に産まない。あるいは苦労して受験勉強をして、権利を否定できない公務員や、準公務員的職場を選択する。

全体が残業規制されていない中で、特定の人だけ残業規制すれば、そういう生き方はとても不自由になるだけである。何かといえば「権利ばかり主張して」と言われるこの国の風土で、残業規制を受け入れる当事者こそ奇特な存在になるし、入って当初はうまくいっても、ひとたび景気が悪くなると、途端にそういう制度が空洞化して犠牲になる。
やるなら、労働基準法の残業規制のルールの厳格化である。全ての労働者に協約なしの残業は認めない、認めても月45時間以内、である。そして、割り増しでなくても、残業部分は比例賃金を最低限きちんと払わせることである。さらには、そうしたことを実際に作りだしてしまう、下請け業者への公正な発注制度がないことだ。それもしていないのに形式的かつ部分的な残業規制など何の意味もない。

日本社会が第一にめざすべきは、残業ゼロとはいいにくいが、ちょっと長めに開いている保育所に預けて働けるぐらいの残業まで、週に2~3度、1~2時間程度の残業で済む、全員がほどほどの残業しかさせられない労働環境ではないか。

ほんとうに子育てしている労働者に役に立つことは、形式的な、育児時間の確保ではない。商習慣、労働慣習を変えることである。それから何といっても、一番働き者が多い大都会ほど使いにくい保育所の改良である。24時間365日とは言わないが、ある程度、時間に柔軟な保育所を整備することが必要である。それとゼロ歳児保育の拡充である。どういうわけか、保育所の定員は、年齢が下になるほど激減するようになっていて、産休明けから働かなくてはならないような人にこそ使いにくい制度になっている。

商習慣でいうと、あしたできることはあしたでよい、夕方頼まれた仕事は明日でもよい、という20年ぐらい前の商習慣に戻すことである。トヨタも没落していることだし、カンバン方式みたいな商習慣は禁止すべきだろう。

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12/18 失業者を臨時職員にするのが大分県内の自治体しかないということの疑惑

一昨日、大分県内の自治体が、解雇された派遣社員を臨時職員として雇うことを評価したが、しかしよく考えるとそうした動きが大分県内にしかないことが気になる。

というのもキヤノンの代表の御手洗氏の出身県が大分県であるからだ。出身地に恥をさらしたくないと、自治体に圧力をかけたのではないか、と疑いたくなる。推測だから、これ以上とやかく言うべきではないが、この間、使い捨てしやすい労働行政を求めてきた同氏のスタンスからは、その尻ぬぐいを自治体に押しつけたということは、容易に考えられることである。経団連は、社会保障全般の引き下げについて言及しているが、社会保険制度と連動しない生活保護については、充実しろ、と提言している。そのことに悪いことはないが、他の社会保障政策とのバランスを考えると変な感じである。

だからといって、失業者を何もせず、寝かせておいて、働けなくしたり、低廉な労働力として再生産させるよりは、次の仕事を見つけたり、転居をするための原資を稼ぐ、そこまでいかなくても(自治体の臨時職員なんて時給800円前後で、不合理な勤務時間の上限だとかややこしい自主規制を持っているから、月で10万円ぐらいしかならない。)、当座、何とか生きていけるために、自治体が仕事を創るということは、悪いことではない。しかし、問題はそうしたことをするための自由な財源がないことである。

この春、田舎の自治体の多くが、道路特定財源死守を掲げて、財政のほんとうの分権を返上した。そのことのツケはこういう危機のときにやってくる。大きな政府論者にとって必要なスタンスは、雇用を維持することであって、不要不急な道路を造り続けることではない、不要不急のダムを造り続けることではない、ということである。田舎でも農業回帰をする若者に補助金を出したり、介護や医療の事業を展開することで、雇用は創出できる。そういうことを自治体が判断できるための財源が必要である。

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2008.12.17

12/16 東京メトロのボヤ

東京メトロの白金高輪駅でボヤが発生したのは、運転士・車掌が線路内の折り返し線で折り返し電車が発車するまでの時間にたばこを吸っていた吸い殻がたくさんあって、そこに引火したものだ、ということが判明して話題になっている。

第一義的には、問題だし、ここのところ、東京メトロの始発駅からの遅延が気になっているところ、喫煙なんてことがあるのかと思うと、何だか情けない。

ただし、少し気を付けなくてはならないこともある。

この折り返し線は都営地下鉄も共用していて、東京メトロの従業員だけのものかはわからないということ。他の折り返し線でのたばこの発見駅が、都営線ばっかりだったのが気になる。

それから、積極的に現場写真をマスコミに公開したことも少しひっかかる。この事件、東京メトロ自体に何の痛みもない。抗議電話が数日かかってくるだけである。経営自体は公益事業で、首都圏の多くの人が使わざるを得ず、何の屋台骨に危ない影響を与えない。
その効果は、社員の抑圧のために使われるのではないか、と思うところもある。東京メトロは記者会見で「厳正に処分」と言って、減給や昇給の先延ばし、昇給の一部カットなんかやれば、結局、現金の亡者になっている東京メトロ本社を喜ばすだけである(東京メトロが、駅員を非正規化したり、本数を間引きしたりして、びっくりするほど儲けているかは、先日書きました)。

また、トンネル内でたばこと言うが、ほんの10年ぐらい前までは、駅で平気でたばこを乗客にも吸わせていたわけで、相対的な悪ではあるとは思うが、絶対的な悪とは言えないような事件ではないかと思う。

こうして東京メトロの従業員にいささか一分の理ぐらいのことを書いたが、私は禁煙派なので、やっぱり納得はいっていない事件である。

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2008.12.16

12/16 いつまでキヤノン商品を買うのか

キヤノン大分が、大量の非正規労働者を解雇している話で、いろいろ出てきている。

1つは、大手企業の工場は、自治体から大量の補助金、膨大な税免除で誘致された。それに対する、後は野となれ山となれの解雇。経済界が無駄だと言い続けている雇用保険や、生活保護に尻ぬぐいを押しつけている。

1つは大分県杵築市が、キヤノンを解雇された派遣職員の一部を臨時職員を一時的に雇用するという方針。生活保護費を出して放浪させるより、賢明な対応ではないかと思う。
今、世の中で人材不足で困っている仕事の多くが自治体関連の仕事である。そういうところに労働者を再配置することが必要である。それをしなければ生活保護費の増大になってくる。小野善康先生が言うとおり、国や自治体は住民をリストラできない。だったら生活保護を出したり、貧困ゆえのトラブルを起こされるぐらいなら、わずかの間でも、役に立つ仕事をしてもらって、住民にとっても、当の失業者にとっても、いい状況をつくることが必要である。

●それにしても、昔から働く人をいじめているキヤノン。労働組合も連合に入れないよう会社が圧力かけている。そういう会社の商品を買う方が、庶民にとっていいことなのか、もっと考えるべきだろう。

●自民党参議院の鈴木政二はバカじゃなかろうか。民主党が数の力で雇用対策法案を出したことを、ナチスだ大政翼賛会だと言い放った。野党が力があることはナチスでも大政翼賛会でもない。野党の力があることはファシズムだろうか。

●ニュースステーションで、古館は連合が正規職員だけのことしか考えていないとレッテルを貼った。さすが自民党のゲッペルス・電通の影響力の強い放送局、強い番組である。もちろんどうしようもない対応をしている加盟労組、加盟産別もあるが、少なくとも連合は、非正規問題は優先課題と舵を切っている。名誉毀損ではないか。なにをもって正社員のみなどと断定するのか、聞いてみたい。

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12/15 非正規雇用を真剣に考える流れが

NHKスペシャル「非正規労働者を守れるか」を見る。

正社員の給料を削って非正規社員の給料を上げた、と雑に日本では紹介されてきた、オランダモデルをきちんと紹介していたのがよい。

後段の議論の部分が非常によかった。経営側を代弁していた岡村氏、自民党と政府を代表していた大村厚生労働省副大臣、NPOもやいの湯浅誠氏、東大の神野教授、それぞれが、それぞれの立場でよい発言をしていたと思う。

かたちはいろいろあるにしても、安定した生活を保障し、労働力の安売りをせず、雇用の質を上げていくことを考えないと、この国も良くならないし、生活も良くならないし、社会の質を下げていく、という認識は共有できたのではないかと思う。

これまで雇用の規制緩和のイデオローグ八代尚宏の宣伝するインチキオランダモデル(正社員バッシング+都合の悪いところはすべて政府に尻ぬぐい)とは全く違う方向で社会合意の土壌になる議論ができたのではないかと思う。

企業に厳しく言う側の湯浅氏や神野氏も一定の企業の論理も呑み込んでやるべきことをつきつけていたし、岡村氏も大村氏も、自分たちの陣営がやったきたことが、このままじゃいかんということを認識できていた。スタートになりそうだが、みんな現場に近いところにいる人たちで、センターで決断する人たちがきちんと事態を感覚的にきちんと理解して、決断できるかどうかなのかと思う。

私の所属している労働界や野党のあり方も問われていると思う。とにかく厚生労働省が、国民に見えやすく、政府与党のウィークポイントだとあら探しをやってきた野党。結果として、税金の無駄づかいだ行政改革だということの怒りの矛先をここに向け、セーフティーネットを結果的に壊す側にまわってきたことの真摯な反省と、与党や政府を攻撃すべきところの選び直しが必要ではないかと思う。今度も雇い止めが問題になったと言えば、雇い止め禁止法みたいなものを出してくる当たりが単細胞的というか。派遣労働そのものの
昨日、朝日新聞の一面で連合の高木会長が、規制緩和に加担した連合の対応に誤りがあったと反省しており、労働界も、言葉の方向転換ではなく、血や肉となった方向転換が必要だと思う。少なくとも、非正規社員や派遣社員を、コミュニティーの外側において当たり前の運営をしてきたことは、あすにでも改めるべきだろう。

●反貧困の湯浅誠さんが、この年末乗り切れるか、年末26日で役所はしまり、5日まで10日も開かない。26日までに解決しなければならない、という話が議論にしまりを作っていた。神野氏がトランポリン理論を焼き直していて、体系性にこだわったところが、どうだったのかな、と思う。体系だったとか、百年の計とか、日本人にはとても苦手で、今役に立つ問題から少しずつ問題解決の方法を広げていくしかないのではないか。派遣労働を解雇された人が、生活保護を受けながら正社員の職探しをしている映像の後に、「生活保護が受けられたから、質の悪い雇用に飛びつかずに、質の高い働き方を模索できる」というコメントが光っていたと思う。

●公務の非正規職員の問題を仕事にしているが、自治体の公務員制度を管轄する総務省のキャリア官僚は、年収200万円のパートの収入は少ないとは思いませんねぇ、などという。民間以上に雇い止めやり放題、キャリア育成なし、待遇改善もなし、職場は身分社会で、どこがまともな仕事なのだろうか。個々の非正規職員の意欲と努力、やりがいの見いだしで維持できていると思っている。

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2008.12.13

12/12 与党の税制改革大綱のずれ具合

自民党と公明党の税制改革大綱の筋が悪い。

①消費税の福祉目的税化はナンセンス。道路特定財源の問題と同じで、消費税分しか福祉支出はしない、というメッセージになるかも知れないし、特別会計をまた1つ増やす話にもなりかねない。収入はトータルで管理すべきで、ここが第一に筋が悪い。もちろん私は、福祉や年金の支出のために増税しなくてはならない、という前提は共有する立場ではある。

②消費税増税をさしたる根拠もなく提示したこと。どうして財源不足が起きるのか、明快な説明がなくて、「財政が厳しい」と言っているに留まっている。払った分が国民全体では戻ってくる絵柄がきちんと描けないまま、適当なことばかりやっているから増税に理解が進まないのだろう。

③消費税の複数税率はナンセンスである。消費税が、所得税や法人税、固定資産税と違うのは、徴税の事務を納税者に背負わせていることである。私も流通業でコンピューター開発の仕事をしたことがあるが、そのときも議論されていた複数税率の対応のためにプログラムの開発費が100万円単位でかかった。複数税率にすると、レジうちも単純にできなくなり、小規模事業者や零細業者にはとんでもない事務の手数がかかる。生活必需品に減税したければ、所得税の基礎控除や、生活保護の増額、給付金として返せばいいことではないか。

④政策減税のオンパレードなのも気になる。政策減税とは、どういう減税があるか知らないと、減税の恩恵が受けられない。つまり、業界団体や政治家とべったりした関係がないと何が減税になったのか情報が入らず、減税の恩恵が受けられない。結果として、減税してくれしてくれと、政治家使った人間たちだけが減税を受けられることになる。

⑤住宅ローン減税の増額はナンセンスである。金持ち減税である、という批判があるがその通りである。さらには、子どもが毎年120万人しか生まれないこの時代に、160万戸も住宅が供給されている。住宅建設を促せば景気回復する、という判断の減税なのだろうが、住宅をこれ以上作ることに税金でインセンティブを与えれば、さらに供給過剰になって、住宅が売れず、安かろう悪かろう事業者がどんどん参入し、良質な事業者が育たなくなる。住宅政策を改善したければ、むしろ土地価格の抑制などで、住宅費や家賃、事務所や店舗の賃借料に収益の大半が収奪されるような経済構造を変えることではないか。

⑥さらに法人税の引き下げを提言している。今の不況に太刀打ちすることは法人税の引き下げ程度では済まない話だろう。さらに、法人税の引き下げは、内部留保を高めるインセンティブを与えることから、とりわけ賃金を支払うことに対するインセンティブを下げる。そうであれば、雇用維持や内需拡大という政府の方針と全く矛盾する政策である。

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2008.12.12

12/11 規制緩和してコネが横行するだろう保育制度改革

認可保育所制度を守ってきた厚生労働省がとうとう規制緩和の流れに屈ししてきたようだ。

1つはパート労働者への入所を認めるというもの。これ自体は反対しないが、今の認可保育所が、やれ16:30以降は延長保育だからむやみに預けるな、とか、古いしきたりのまま、現場で憲法や児童福祉法の精神に反するような運用をやっている中で、フルタイム労働者(この中には時給でフルタイム働かされる人も含める)が使いにくいまま放置され、ターゲットが、4時や5時にお迎えに行けるパート労働者の子ばかりが認可保育所に入れるようなことになりやしないかと思ったりする。

1つはバウチャー制度を提示したこと。これは厚生労働省が、悪化が良貨を駆逐する結果になる、と反対してきたものだし、保育園を考える親の会などの保護者団体も猛反発してきたものだ。今回厚生労働省が例示したことが気になる。

もう1つは、直接契約制度に道を開いたのも気になるところで、施設による入所者の逆選択(保育所に合う子どもを施設が選んで入所させていくこと)や、園長に影響力を与えられる人のコネ入所なんかが横行しそう。
うちのまちを見ていると、障害児保育も遅々として広がらないし、お迎えが遅いとか外国人がおるということを「問題」と捉える風土の中で、公立保育所から逆選択が行われそう。今でも、そういう公立保育所の運営の都合からはじき飛ばされた利用者が認可外保育所に流れ込んできているぐらいだ。
生活保護家庭を排除するなとか応諾義務とか言ったところで、すでに高齢者介護で屁の突っ張りにもならないことが見えているように、サービス供給量がないままに公権力による資源配分を外してしまえば、直接契約制度の危険性がむきだしになる。帰ってコネが横行する保育所になっていくと思う。

今回、踏みとどまったと思うのは、規制改革会議が、保育所の最低基準を取り払え、と強烈に働きかけてきたことに対して、保育士の配置、設備の基準は守らせる、保育料は自治体の公定価格とする、という方向を出したことである。これによって、質を犠牲にして利用料をダンピングする保育所が排除される。何とかというところか。

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2008.12.11

12/11 行政法学の扱う労務管理

今日、総務省の「短時間勤務のあり方に関する研究会」に、委員をやっている同僚のメモ取り要員として出席することになった。そんなことになるとは予測もせず、溜まりに溜まった内部の仕事、立替の請求を処理しようと、私服で出勤していたため、あわてて、私服に、とってつけたようにたまたま鞄に入っていたネクタイを締め、総務省に。

以前にもこの研究会の居心地の悪さみたいなことを書いたが、今日、よくわかったのは、行政法学者だけで労務管理を議論しているところに限界があるのではないか、ということ。行政法学者の限界というのは松下圭一法政大名誉教授が「市民自治の憲法理論」でしつこく書いているが、強烈なまでに官僚制と法律の予定調和に信頼感を置いていている。
したがって、法律に書かれていることは官僚制の論理にのっとって予定調和的に実現されるべきもの、と考える。したがって、現実が乖離しているときに、現実が乖離した原因を突き止め、対応策を考えるのではなく、逸脱したものに対して処罰したり非合法な存在として位置づけようとする。おまけでちょっと体制に取り込んでいく制度を広げる。
それが自治体の臨時・非常勤職員の処遇をめぐる、「何か違うんだよなぁ」という当事者や私の感覚につながっている。
その結果、自治体の臨時・非常勤職員に関して、行政法学独特の解釈が行われ、法律には書かれていない理屈が山ほどあって、結局はいいように低賃金でこき使って、使い捨てにして、文句も絶対言われないように解釈されるようになっている。当然、当の臨時・非常勤職員は、夫の稼ぎを充てにしている補助労働力か、金持ちのボンボンでもない限り、労働問題にぶち当たれば、くやしく思いをして泣き寝入りしていることが多い。

その委員のよって立つ思考回路の違いに気づかせてくれたのは、私の同僚の発言と、労働法の専門家である川田琢之委員の発言である。
とくに川田委員は、雇い止めをするにしても、それまでの手続きが必要だろう、と述べたが、行政法学者の委員たちは「ですから再度任用の手続きをしっかりすればいいんですよね」と全くその意味を理解できないでいた。雇う側の選抜の都合しか視点にないのだ。

労働法だと、雇い止めであっても予告期間は必要だし、予告期間を十分におかなければ、1ヵ月分の賃金相当の補償の支払いを求められることもありうる。公務の場合、解雇権濫用法理をクリアするために求められている要件や手続きうち、無理がなく実行できることすら怠って雇い止めにしてしまうことが多い。任用が、人員を要らなくなればぱっと棄てられるものと解釈されているからである。

必要な手続きは、予告期間であったり、解雇理由の明示であったり、可能であれば他の仕事の斡旋であったりするということになろうが、最低限の予告期間すら守られないケースが多い。そうした手続きが杜撰にされていることの意味が理解されていない。

だから研究会の答申のたたき台の案は、できの悪いワンマン社長の会社の労務管理みたいに、1年こっきりの雇用であることを再確認させ自然に更新されるなどと期待させないこと、非正規労働力として受け入れたんだから自業自得です、のような表現が随所に見られる。労働法を知っていたら、恥ずかしくて書けないような言葉遣いである。

西村美香委員の発言もよかった。西村委員も法律が実態に合っていないなら法律を優先、という立場だが、その立場から、フルタイムで毎日働いて、正規職員と同じ仕事をしているなら、正規職員にするような方向を出せ、と発言。まったくその通りで、臨時・非常勤職員の問題の半分ぐらいは、本質的にはそのことに問題がある。

研究会では、8月に人事院が、非常勤公務員の賃金の計算方法について簡易に示した「非常勤職員の給与に関する指針」を、国と自治体は別物として一向に取り合わない総務省の態度も議論になった。
これについて、高橋座長からももう少し何とかならないか、という指摘があった。その上で東京都庁の竹内委員の発言の皮肉もとても効いていて、自治体の正規職員の賃金・労働条件はラスパイレス指数などというものがあるように国との権衡を求められ、同じく非正規職員の休日や勤務時間は国との権衡を求められるのに、どうして非正規職員の賃金だけは国とは別物なのか、という疑問を呈しておられた。総務省も、普通に理解できる理由としてあげた中では、自治法で給与と報酬は別物です、というに留まった。相変わらず別物論から脱出しようとしなかった。

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2008.12.09

12/8 麻生太郎のキリスト教への冒涜か

麻生太郎のキリスト教への冒涜か。

 一方、首相発言にも変化が出てきた。

 「労働は神が与えた罰と思ってる国と、神と一緒にやる善行と思っている(日本のような)国では、労働に対する哲学が違う。日本の持っている底力の一番はこれだ」

 熊本県天草市で7日、持ち前のべらんめえ調を織り交ぜながら、首相就任後は対外関係も考慮して封印していた持論を展開した。


よりによって天草市でやるとは・・・。

プロテスタンティズムと資本主義の精神でも読むべきです。

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12/8 官製ワーキングプア追放条例に尼崎市長が抵抗

何かと今どきの労働問題が凝縮している兵庫県・尼崎市。

今年の3月に市役所で働く派遣労働者が1ヵ月近くストライキして復職を勝ち取ったのはここでも紹介した。公務で働く年収150万円のワーキングプア、偽装請負、人間を競売に掛ける役所の派遣労働など、さまざまな問題を表面化させた。
今度は、尼崎市の与党会派22人が、市役所の発注する仕事、市役所の雇う人からワーキングプアをなくそうと「公契約条例」を作ろうとしている。とても画期的なことだが、この22人の市議に推薦されて選挙で当選した当の白井文市長が反対しているそうだ。
伊田広行さんのブログが、このことの考え方の整理の仕方をうまく表現している。

市のごもっともな理由は財政負担の増大。それを、最低賃金法をないがしろにする、などとのたまわり、抵抗している。最低賃金法は、最低であることに意味があるので、それを上回るルールを作ることに何ら問題はない。最低賃金法を上回る基準を作るのが問題だとすれば、労使合意で企業内最低賃金や、産業別最低賃金を作るのも違法だし、私鉄総連の集団交渉のようなことも違法になる。市の言っていることはわけがわからない。最低基準に関する法律には、上回るルールを地方自治の本旨や、労使自治の原則で上乗せすることは可能である。不服なら、そうした企業は尼崎市の仕事を請けなければよい。近隣に自治体はいくらでもある。

むしろ尼崎市が何らかのかたちで市の仕事で働く人の賃金保障をしていくことで、尼崎市民の生活や労働の質、労働の生産性は確実に上がる。そのことで自治体としてのプラスメリットがあるはずである。

公契約条例を否定して、ワーキングプアを増やせば、めぐりめぐって、年金未納者や生活できる年金にならない人を増やし、結果として市の生活保護を増やしたり、病弱な人を増やしたり、教育水準の低い家庭をふやして、めぐりめぐって市の財政を痛めつける。

また、白井尼崎市長が最初に当選したときの公約の1つが公契約条例の制定であったはずである。全く理にかなわない拒絶である。

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2008.12.08

12/8 自称改革派のけじめのなさ

政界がざわつくと、与党議員と寝たがる野党議員が出てくる。

渡辺喜美自民党代議士のパーティーで、枝野民主党代議士がヨイショ。
こういう前原派はじめ、自称改革派のけじめのなさが、民主党の信頼を失わせているのではないかと思う。お互いに大政党にさほど干されているわけでもないのに、さも干されているかのように思って、境遇を相哀れみ、渡辺氏のスタンスを評価するなら、自ら自民党に移籍して、自民党の改革派を名乗るべきではないか。

93年型与党も野党も人物本位政界再編成チチンプイ神話からそろそろ脱却しないと、いつまでたっても対抗軸のはっきりしない、丁半賭博みたいな選挙に国民がつきあわされるだけで不幸である。

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2008.12.06

12/6 形成が悪くなると日教組叩きをする自民党のビョーキ

自民党のビョーキというか、形成が悪くなると日教組だの北朝鮮だの引っ張り出して、自分たちの失政を感情的に誤魔化そうとする。

中山前文相を擁護する鴻池官房副長官。中山前文相は、日教組が強い県は学力が低い、と言った。事実は無関係だった。それが今さら擁護に値することなのだろうか。不可思議である。

鴻池官房副長官、日教組批判「中山さんは正しい」朝日新聞
 鴻池祥肇官房副長官は6日、大分県杵築市で講演し、日教組批判や成田空港をめぐる発言などで辞任した中山成彬・前国土交通相の発言について、「中山さんは正しい。私も日教組はとんでもないと思っている」と述べ、中山氏を擁護した。

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12/6 市川房枝記念館の労働問題

市川房枝記念会で労働問題が発生したようだ。伊田広行さんのブログで知る。

記念館の建て替えで会館職員2人を一方的に解雇して、建て替えた会館にはボランティアを無償労働で運営するようになったという。和解したので、一件落着したが、女性の権利のためにたたかってきた人物の会館としてはあまりにもお粗末な事態だと思う。しかし、学校法人や福祉事業、NPO、もっと卑近なボランティア団体の従事者がいかにひどい労働問題を抱えていて、一触即発のような問題を抱えているのか、あちこちで見聞きしたので、今さら驚くに値しないが、毎度毎度、なんだかなぁ、と思うところだ。

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12/5 自民党は崩壊するのか

党首も変えられなければ、選挙もできない、やったら惨敗という予測、ということで、自民党の手詰まり感が見えてきている。民主党の大ぽかでもなければ、容易にこの流れは切り返せない感じがして、遠心力の働き具合が、末期の社会党を見ているようで、敵陣営にいてもかわいそうになってくるぐらいだ。

まぁ、しかしこうなると、民主党と連携したがる自民党の連中がうようよ湧いてくる。これが迷惑な存在だったりする。きちんと選挙で政権を選ぶためには、まずはきちんと自民党と民主党で対決型選挙やって、国民が自ら政権を選んだかたちにしていくことが重要だ。
それなのに、民主+自民くずれvs自民党残留組では、勝負は見えているし、また争点も、何が大義かもぐらぐらになってしまう。自民くずれについて国民がどう評価してよいかも、イメージだけの問題になってしまう。
さらに大きくなりすぎた民主党の運営も難しくなる。ますます党内の意見をまとめることができないし、基本的な政権運営のスタンスも、社民主義にも、大前研一・竹中平蔵路線にも、土建田中派路線にもつかない、わけのわらかない状態になり、実際に政権獲得して数年で、分裂するか、自民党のように基本的な考え方のない権力に寄る政党でしかなくなってしまうのではないか。

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2008.12.03

12/3 373人の非常勤職員を犠牲にし、年収1100万円の市議を生む

先月、関西のある市が、非常勤職員に対して、条例にない一時金を支払ったとして、返還を求める請求をする訴訟の一審判決があった。

この判決の特色は、一時金を受け取った非常勤職員373人にまで返還請求をしたことであり、判決は、それを追認してしまった。自治体の労使関係の場合、労使協定があって、それに沿って雇う側が必要な規定や条例を整備するというのが流れである。したがって給与条例主義の責任追及は、雇う自治体の側が問われるのであって、個々の労働者に責任を問うというのは酷ではないか。

それと、原告には市民として訴える権利はあるものの、では訴えたことは、社会的にどういう意義があったのか、考えさせられてしまう。

原告は、市内の司法書士で、市議選に落選中で次回にチャレンジしている。
ここ10年ぐらいの間に、労働問題や貧困問題に鈍感なのに市民派と名乗る議員がとても増えたと思う。税金の使い道の監視が錦の御旗である。それはそれでいい。
経歴を見ると、「士」族で食べるに困らないとか、大企業のサラリーマンの妻だったりする。税金の使い道をただす、それは正しいと思うが、自治体が必要に迫られて、きちんと保護された常勤職員の手当もできないのにやっている事業に従事している非常勤職員がなぜ一身に損害賠償の責任を問われなくてはならないのか、よくわからない裁判であるし、判決もそこのところのバランスが欠いているように思う。

一方、非常勤職員は、延長保育を担う短時間保育、学童保育、図書館、障害児介助員、国保徴収員など、自治体の運営に不可欠な人たちばかりである。

判決は違法支出を批判することに主眼を置くべきで、市に労務を提供し、すでに生活費として消えてしまっているものまで返還請求するというのは度を越しているといわざるを得ない。

非常勤職員への一時金支給という問題の、違法支出の是非につていは法律的な正論は議論が錯綜するが、大して高い給料をもらっているわけでもない非常勤職員373人を踏み台にして、正義の味方のような顔をして、市議になろうとしていることがどうなのか、考えさせられる。

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2008.12.01

12/1 朝霞市議会、会議の原則公開の請願が採択。反対は、自民系・民主系の2会派

市議会のすべての会議を原則公開とする請願が市議会で採択された。賛成したのは、公明党、共産党、市民ネット、無所属の3議員全員、計13人の賛成による。

ただし請願に過ぎないので、その内容についてはこれからの検討結果次第。早速あった、「首都圏最低の児童1人あたりの教育費」についての全員協議会の議論は非公開。

議会の原則公開に反対したのは、自民系の進政会7人(議長の陶山氏を除く)、民主系の明政会3人。次の総選挙を控えた2大政党の代理人たちが議会の原則公開に反対したとは嘆かわしい。
市議会の原則公開は、新座でも和光でも始まっており、それがなければ朝霞市がやっていけない事情がわからない。よっぽど、人に公開できないような会話をしているのだろうか。

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12/1 自分のところの従業員にこそ「社員が定着して、そこで一生懸命働くことに勝る資源はない」

テレビ画面で、麻生首相が渋谷のロフトに行って、「社員が定着して、そこで一生懸命働くことに勝る資源はない」とコメントし、ロフトの非正規社員の正社員化の取り組みを評価し、政権運営の正当性を雇用対策に置くことを示したようだ。

で、一方、政府機関でも、保育園や図書館、学童保育、社会保険庁、職業安定署などの職場では、大量の非正規職員を使っている。彼らには、非正規職員としての「身分」は変わらないにしても、安定した雇用どころか、期限がきたら予告なしに雇い止めにしても問題が問われないし、誰がどういう理由で雇い止めにされても、原因を追及する権利も、抗議する権利も与えられていない。いいように低賃金で働かされて、使用者としての最低限の信義やマナーもなく、雇い止めが行われ、その理由も何も明示されないで労働市場に放出される。民間非正規労働者の基本的な権利すら認められていないのが、公務員非正規労働者である。

そういう制度を放置したまま、行政改革などと称して、直接国民に役に立つ職場からどんどん正規職員を減らし、非正規職員に置き換えざるを得ないようにし向けている。

それが保育所や学童保育などの人の命を預かる職場の主戦力に対する評価である。ロフトに行って、パフォーマンスする必要がある意味は理解するものの、自分の足下である政府部門の労働者について、胸を張って、「社員が定着して、そこで一生懸命働くことに勝る資源はない」と言えるような制度にしたらどうかと思う。

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