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2008.12.03

12/3 373人の非常勤職員を犠牲にし、年収1100万円の市議を生む

先月、関西のある市が、非常勤職員に対して、条例にない一時金を支払ったとして、返還を求める請求をする訴訟の一審判決があった。

この判決の特色は、一時金を受け取った非常勤職員373人にまで返還請求をしたことであり、判決は、それを追認してしまった。自治体の労使関係の場合、労使協定があって、それに沿って雇う側が必要な規定や条例を整備するというのが流れである。したがって給与条例主義の責任追及は、雇う自治体の側が問われるのであって、個々の労働者に責任を問うというのは酷ではないか。

それと、原告には市民として訴える権利はあるものの、では訴えたことは、社会的にどういう意義があったのか、考えさせられてしまう。

原告は、市内の司法書士で、市議選に落選中で次回にチャレンジしている。
ここ10年ぐらいの間に、労働問題や貧困問題に鈍感なのに市民派と名乗る議員がとても増えたと思う。税金の使い道の監視が錦の御旗である。それはそれでいい。
経歴を見ると、「士」族で食べるに困らないとか、大企業のサラリーマンの妻だったりする。税金の使い道をただす、それは正しいと思うが、自治体が必要に迫られて、きちんと保護された常勤職員の手当もできないのにやっている事業に従事している非常勤職員がなぜ一身に損害賠償の責任を問われなくてはならないのか、よくわからない裁判であるし、判決もそこのところのバランスが欠いているように思う。

一方、非常勤職員は、延長保育を担う短時間保育、学童保育、図書館、障害児介助員、国保徴収員など、自治体の運営に不可欠な人たちばかりである。

判決は違法支出を批判することに主眼を置くべきで、市に労務を提供し、すでに生活費として消えてしまっているものまで返還請求するというのは度を越しているといわざるを得ない。

非常勤職員への一時金支給という問題の、違法支出の是非につていは法律的な正論は議論が錯綜するが、大して高い給料をもらっているわけでもない非常勤職員373人を踏み台にして、正義の味方のような顔をして、市議になろうとしていることがどうなのか、考えさせられる。

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コメント

非常勤職員の実態を知らない人にはお金を取り戻したという実績になってしまうのでしょうか。
それにしても労働者への返還請求を認めてしまうと実態的な解決の妥当性を欠いてしまうと思うのですが・・・。裁判官のセンスも疑いたくなります。

投稿: wacky | 2008.12.03 22:42

wackyさま
少し悪文おつきあいいだだきありがとうございました。
裁判官は関西のこの手の裁判にいくつか関わっている方です。もう少し判決を吟味しないと、この裁判官の妥当性

原告が被告人に「不当利得」を最終的に「得た」非常勤職員を巻き込んだところに問題が始まっています。
原告が関わっている行政に対するオンブズマンとしての行政の手続きの正当性を問うのであれば、果たして非常勤職員を訴追する必要があったのか、全く疑問で、裁判ゲームをやっているとしか思いません。

投稿: 管理人 | 2008.12.06 21:54

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