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2008.10.23

10/23 埼玉県のコンビニ規制

環境問題から自治体がコンビニを規制する動きがブームになりつつある。埼玉県もその1つ。しかも埼玉の田舎だけの規制かと思ったら、24時間都市を抱える、東京、神奈川、千葉にまで呼びかけて共同歩調を取るというのだ。

これについて毎日新聞埼玉版が記事にしている。

コンビニの好き嫌い、評価についてはいろいろあると思うし、一般的に言えばコンビニが環境に悪いというのはその通りだと思うが、しかし全体への影響力を考えると、コンビニがスケープゴートにされているようにしか思えない。もっと環境に悪い現象は埼玉県内にはいっぱいあると思う。例えば、脆弱な公共交通機関(都市の密度の割にバスが少ないなど)によるマイカー利用の多さとか。これなんか、私は若い人口が多いことをいいことに、バス路線を撤退するに任せ続けた県内自治体の怠慢によるC02増加ではないかと思ったりしている。マンション業者に阿って開発を次々に認め、結果として、交通量や自然環境の破壊に手を貸してしまった県内自治体の対応も、コンビニの弊害どころではない問題がある。

県の役人は「もちろん微々たる量であることは分かっている。その積み重ねを大きいとみるか、小さいとみるかは見解の違いでしょう」と言って、あえてコンビニだけを焦点にしていることを開き直っている。小さいことの積み重ね、そのためには自由権を抑圧しても構わない、そういう発想の環境運動は最も私は苦手だ。まして、県は権力である。他人の自由を規制するときにはそれなりの被害や公益性、優先度を証明する必要があるだろう。それがなくて見解の違いの一言で済ますのは、公正な行政なのかどうか、疑問である。自由権と公共の福祉のバランスを判断して、効果が大きいとなって、初めて権力による規制が行われなくてはならないはずだが、この県の姿勢ででは民主主義社会にあるまじき趣味の狙い撃ちでしかないように思う。

地域の保守的な感覚の人と話すと、コンビニの回りで起きていることはすべて良くないような話が多い。そういう感情までない交ぜになって、こういう話になってしまうのだろう。地域福祉計画づくりで、10代の子どもたちの活躍の場所をどうするか、という議論をすると、活躍の場所をどう作るかということよりも、コンビニにたむろして、という話ばかりが盛り上がってしまって、くだんの県のような態度になりがちだ。

夜子どもがうろうろするのが問題かどうか、私にはよくわからない。そのことの好き嫌いなら嫌いで、近所に学習塾があって、夜中の9時ぐらいに終わって、にぎやかに帰っていくのだが、ああいうことを子どもにさせていいのか、と感覚的には思う。それから、年中夜更かししていたら、お祭りの日の夜更かしなどが面白くなくなるだろう。

一方で、バンコクや那覇では子どもたちが22時過ぎてもうろうろしている。それで問題は起きているが、ではそれが本質的に社会をダメにしているのかどうなのか、全く証拠がつかめない。証拠がつかめないことを、社会全体で規制してしまうことがどうなのか、冷静になるべきなのだろう。

話が青少年問題になってしまった。

コンビニの公共性に着目した利活用の方法だってあろうし、最近は直営店が増えたが、それでもそもそもは自営業者がやっている仕事で、地域社会に責任を持たせるかたちで公共性のある仕事に協力してもらうことだって可能ではないか。環境問題以外にもコンビニに問題があるとは思うが、営業規制以外の方法で解決したり、乗り越えていけそうに思わないのだろうか。

そもそも満足な商店街を育てなかったために、どこの駅降りてみても、コンビニとスーパーとチェーンの居酒屋しかなくて、コンビニで買い物するしかない生活環境になっているのは、埼玉県の都市計画や商店街育成の問題ではないかと思ったりする。

上田知事は政治家として有能だと思うが、政策に関しては冷静さや客観的視点が足りないように思うところがあって、居酒屋談義的な感覚にとても弱いところが弱点じゃないかと思う。

ニュース追跡:コンビニ深夜営業自粛 温暖化防止効果薄い!? /埼玉
 地球温暖化対策で県が6月に明らかにしたコンビニエンスストアなどに対する深夜営業の自粛要請方針は、業界からの猛反発を招いている。それでも県は「県単独での要請はインパクトが弱い。改めて業界関係者に問題提起を迫りたい」(上田清司知事)と前向きの姿勢を崩さない。深夜営業の自粛が、温暖化防止にどう役立つのかを考えてみた。【内田達也】

 ◇業界は猛反発--県試算示さず、施策化前に十分検討を
 「もちろん微々たる量であることは分かっている。その積み重ねを大きいとみるか、小さいとみるかは見解の違いでしょう」

 コンビニの深夜の営業自粛によって、どれほど二酸化炭素(CO2)が削減され、温暖化防止に貢献できるのかを記者が質問すると、池田達雄県環境部長は試算を示していないことを認め、こう話した。県は「夜型のライフスタイルを改めるきっかけにしてほしい」とも説明するが、それがどう温暖化防止に役立つのかもあいまいだ。

 コンビニ12社が加盟する日本フランチャイズチェーン協会は8月、「深夜営業を自粛してもコンビニ全体では、CO2排出量を4%程度しか削減できない」との試算を発表した。照明など電力使用量で4・49%削減できるが、商品輸送を昼間に移すと交通渋滞などで、0・36%増加するためだという。削減量は日本全体のCO2の0・009%。埼玉での削減量は、さらに小さな数字になりそうだ。

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 東京港に面した再開発地区の天王洲アイル(東京都品川区)。オフィスビルや高層マンションの間に東京電力品川火力発電所が見えた。首都圏の電力需要を支える発電所の一つで、燃料は都市ガスだ。運河をはさみ対岸には原油を燃料とする大井火力発電所がある。

 電力は「作り置き」ができないため、絶えず一定量を送り続ける必要がある。時間帯、季節ごとの需要計画に従い、火力、原子力、水力などを組み合わせて発電している。

 東京海洋大の刑部真弘教授(エネルギー工学)は「深夜はCO2を排出しない原子力で主に発電している。火力発電でも燃料や条件によってCO2排出量は違う。埼玉のコンビニが深夜営業を自粛しても、どれだけCO2排出量を削減できるかを計算するのは非常に困難だ。深夜よりも昼間の営業を自粛して火力発電所の稼働時間を短くする方が効果的かもしれない」と指摘する。

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 県は年度内に、県民総ぐるみで取り組む「地球温暖化対策推進条例(仮称)」を制定する方針だ。

 条例には、省エネ家電や低燃費車の普及などを県民運動として進めることが盛り込まれる見込みで、コンビニの深夜営業どころか、各企業や団体、個人の活動にも大きな影響を及ぼす可能性がある。それだけに、事前に個々の施策の費用対効果を十分に検討する必要がありそうだ。

 ◇民間規制なら対応は慎重に--「自治体連続破綻の時代」などの著書がある松本武洋和光市議(無所属)の話
 例えばヒートアイランド現象と温室効果ガスによる温暖化は全く仕組みが違うのに、自治体のホームページでは混同している記述がよくみられる。県の今回の方針についても、「CO2の排出量を減らす」というだけで本当に温暖化抑止に役立つのか、冷静に考える必要がある。民間の活動を規制する可能性がある場合は、自治体はより慎重であってほしい。

 地球環境を改善することは最優先事項だと思うが、役所や関係業界が道路や橋などに代わる新たな公共事業を求めているだけとしか思えないものも少なくない。

毎日新聞 2008年10月18日 地方版

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