9/25 水戸市議が活動報告をブログに書いたら懲罰を受ける
水戸市議会で、政治倫理条例を提出した側の議員が、その条例に反対する議員から脅かされた一件をブログに書いたところ、逆に議会で懲罰にかけるとられ、ブログ削除に応じるかたちで収拾させられたというニュース。
議員が何をし、何を話したか、私生活にまつわること以外は、何書かれても仕方がないと思う。とくに政治的判断にまつわることは本当に仕方がないはずだ。
今回の件のように、少なくとも身体的な脅しを予告されたなら、そのことを公表せずして、脅かす奴のやりたい放題になる。それなのに脅かす不法行為をしているような側の議員が、懲罰を悪用して、政治的自由に関わることがらで口封じをさせようというのだからあきれかえる。
本来、懲罰権が議会にあるのは、議会が行政権の一部である警察権力から自由であるべきとして用意されているものが、自ら政治的自由を奪うことをしているのでは、どうしようもない。
こうして、地方議会はブラックボックスになって、何をやっているかわからない、疑わしい世界になっていくのである。だから市民は議員の報酬を削れ、議員の定数を削れ、という議論に拍手喝采を送るのである。そしてその結果として、議員の報酬だけで生活できないようになるから、ますますブラックボックスのままにして、議員が政治力を使って副業をしたりすることになる。
だから、議会は公開されることが原則であり、その公的な活動の部分については市民から監視されるべきものだ。私たちの税金の使途を決める場なのだから。
幸い、朝霞市議会は、こういう市議会にまで堕落していない。特に最近は、基地跡地の問題でもめているおかげで市民による傍聴や、議会運営に関する関心が高まっており、理屈にあわない政治的な懲罰は起きないようになっている。
小山市議や、田辺市議、斎藤市議の厳しい追及に、口封じみたいな手段を使わないところは、基地跡地問題の対応ででいろいろ問題ありながらも、うちのまちの保守系市議たちも、ある程度の常識があるということなのだろう。
水戸市議ブログは中傷? 他の議員が批判、削除受け入れ
2008年9月25日8時14分
水戸市議会で政治倫理条例案を議論する議会改革調査特別委員会(小松崎常則・委員長)をめぐって24日、議案を提出した玉造順一議員(民主・社民フォーラム)が自分のブログ(インターネットの日記)で条例案にまつわるやりとりを紹介したことに、条例案の慎重派議員らから批判が挙がり、議論は6時間空転した。玉造氏はブログを削除すると妥協し、特別委は始まったが、議員のネットによる情報発信に自粛ムードが広がる恐れもあり、今後、波紋が広がりそうだ。
条例案には、工事などの契約にとどまらず、物品納入や保育所の入所など許認可にかかわることに、議員が影響力を行使しないことなどが盛られていた。
問題になったのは、玉造氏が特別委への傍聴を市民へ呼びかけた20日のブログ。玉造氏は「条例の共同提出者になってもらおうと各会派を回ったときに(建設業者に関係する)ある議員からこんなことを言われました。『こんな議案を出すならケガ人を出すからな』『ウチの社員と家族をどうしてくれるんだ!』」と難航した経緯を記した。
この文言に対し、市議会会派「創政弘道会」の会長、松本勝久議員が各会派の代表者会議を開くよう伊藤充朗議長に申し入れ、午前10時半から休憩を5回はさんで約6時間、ブログの削除と訂正、おわび文の掲載についての議論が続いた。
松本氏は政治倫理条例案に賛成していない議員への中傷行為だとして「市議会に不名誉なこと。懲罰を求める」と要求し、村田進洋議員(創政弘道会)も「議員の名誉として倫理以前の問題」と批判した。玉造氏はブログで、会話した相手の実名は伏せたが、「人物がある程度特定できる」との懸念も挙がった。
一方、野村真実議員(葵政友会)は「書かれたことが事実だとすれば、このことの方が問題」と発言。玉造氏と一緒に共同提出者の署名集めをしたという川崎篤之議員(民主・社民フォーラム)は「署名をお願いにいき、(自分も)恐怖感を覚えた」と玉造氏を援護した。
議論は平行線をたどったが、結局、玉造氏が(1)ブログの関係部分を削除(2)議長あてのおわび文をブログに掲載、を検討することで折り合った。特別委は午後4時45分にようやく始まり、条例案は、退席した創政会の高橋丈夫議員を除く全員が賛成して可決した。(北崎礼子)
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コメント
松本勝久議員の自爆っぷりは愉快ですが、こんな土建ヤクザのイチャモンに屈した玉造順一議員の腑抜けっぷりも特筆に値しますな。
まぁ、話題にしただけ偉いとも言えますが。
投稿: o-tsuka | 2008.10.01 10:16