8/31 防災の日に早帰りさせる保育とは?
家族の友人が、都内のK市の市立保育園に子どもを預けている。毎日下着から靴まで5着フルセットで用意させる保育園であることを以前ご紹介した。あす、防災の日だということで、15時30分に迎えに来なさいと言われているらしい。
聞いていてため息が出てしまった。
実際、地震が起きたら、少なくとも公共交通は止まり、23区内通勤者はお迎えになんかいけない。実際には火事が起きたり、橋が落ちたりして、その日のうちにはお迎えに現れない保護者も出てくる。しかしこうした保育をやっている人たちにそういう事態にたちいたることは想定されていないのではないかと思う。
大規模災害が起きた場合に保育所が行うことは、園内の安全確保とともに、保護者の帰着までの子どもの安全保護にあるのではないか。そうしたことが想定されず、とにかく通常の時間より早く保護者を迎えに来させるだけの訓練なんて何の意味があるのかわからない。
避難訓練を口実に繰り上げ保育をしてサボタージュをするような保育所がほんとうに対応能力があるのか疑うべきだ。こうした苦情は保護者側がきちんといい、具体的な地震の発生状況にあわせた訓練をしてもらうべきだろう。
しかし首都圏の多くの地域の保護者会は、都道府県単位で保育士の組織(労働組合の分会や保育士の自主勉強会の連合体)と一体となった運動をされており、保育現場では保育士側の都合と違う意見を言いにくい構造になっている。
自治体側も、保育に関する専門知識がなくて、こうした保護者側の苦情をうまく現場に反映できないでいる。
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コメント
会議でご一緒した元校長のS先生があの時私に言った言葉を思い出しました。
「引き取り訓練といって親全員が学校に迎えにくるのを、今年から私はやめることにしました。なぜなら、緊急時に子どもにとってまず安全にすごせる場所は学校だからです。いったん家に帰っても避難場所として学校に集まるわけだから、それよりは学校にとどまってもらって安全にすごす方が良い。親に引き取りに来てもらう事を考えるよりは、有事から数日間は学校が子どもにとって一番安全な場所でありたい。」と。
校長先生の考え次第なんですがね・・。
投稿: m | 2008.09.01 10:07
災害時の避難訓練であるならば、学校や保育園では、家に帰れない子どもたちの安全確保とケアの訓練を、職員を対象にするべきでしょう。
義務化してもいいと、私は思っています。
投稿: shimin | 2008.09.06 23:37
お二人のご紹介していただいた話は、どちらも避難訓練のあるべき姿だと思います。K市のような訓練がされている一方で、帰宅困難者の問題が取り上げられて、それがまったく接続された一連の問題であることが認識されていないことに、不安が増幅されていきます。
投稿: 管理人 | 2008.09.06 23:57