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2008.08.16

8/15 レイテ戦の地獄を生き抜いた人たちの証言

NHKスペシャル「レイテ決戦・生存者が語る生地獄」はよい番組だった。

もう亡くなりかけている日米、そして戦場となって巻き込まれたフィリピン・レイテ島の民間人の生存者を訪ね、そのときの状況、経験、思いを丹念に聞き出し、つないでいくということは、もう二度と物理的にできないのではないかと思う。

国の指導者のメンツを保つためだけに、後先も考えずに兵力だけ突っ込んでいく、第二次世界大戦後半の戦争のやり方が問題としてあぶり出されていた。

このことの反省がほんとうにされているのだろうか。今日、右派は懐古でなく、戦争を体験しない世代のアクセサリーや信仰の対象となっている。今日、右派の彼らが語る戦争や外交に精神論が多いことが気になっている。明治維新の価値がわからない世代が戦争を遂行したのが昭和以降の戦争の歴史だ、と言う人がいた。同感である。

17日の夜のNHKスペシャルでは、日本軍と阿片の特集をやるそうである。佐野眞一「阿片王」を読んでいると、興味深い番組である。

●オリンピック中継でニュース番組すら放映されず、されてもオリンピック報道(というよりお涙頂戴の通俗道徳で塗り固められた背景事情の報道。選手に対する家族の愛情とか。げっぷ)で埋め尽くされているファッショ的状況の中で、ネクラでまじめな1時間を確保したことは偉いと思う。
かねがね(安倍晋三が抜擢した)経営委員長の古森富士フイルム社長は、自尊心を失わせるような社会派番組に疑義を呈し、紀行番組を増やせみたいなハッパを掛けているなかで、よくやったと思う。

●今日の戦没者追悼式典での河野衆議院議長の辞が評価が高いようだ。

●朝日新聞3面、夏に語るで村山富市元首相のインタビュー記事が出ている。自らの政治参加の節目節目にどのような観点で課題があってどう考えてきたのか、非常に簡潔にわかりやすい内容だ。第二次世界大戦で徴兵された世代がどんなことで戦後の価値を重んじてきたか伝わってくる。
印象に残ったのはこの言葉である。「だけどもね、戦争の傷跡はそう簡単には消えんよ。その証拠に、ことしの四川大地震の支援物資輸送に自衛隊機が受け入れられなかった」という簡単な言葉の中に、社会党出身の首相でないと言えない言葉だと思う。この言葉は、他国の自然災害に自衛隊機による支援があってもよいという政権担当者としての考えがあった上(普通の社民党員なら違和感があるだろう)で、戦争の傷跡という、社会党出身者でないと言えない言葉も含まれている。
村山元首相の評価は不当に低いと思う。阪神大震災、オウム事件の対応がもたもたもしていたことにされている。阪神大震災は官邸の機能が強化される前の時代の限界があったし、オウム事件での対応ではむしろ勇み足をしているぐらいである。そのことは石原信雄氏などが証言している。
最後に、「だが、あきらめてはいかん。(中略)現状はひどすぎると立ち上がる、そうすれば労働者はもっと強くなる、それが第一歩じゃ」という言葉には励まされる。

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