7/4 ビラ配布市議を警察に突き出した管理組合が地域事情だといって被害届取り下げ
昨日、お知らせしたマンションへの政党ビラ配布を告発したマンション管理組合が、被害届を取り下げた。これまたふざけた対応だと思う。住居侵入の前提自体が法律で争われないままに、被害という事実だけが残り、国分寺のマンションには政党ビラが投函できない、という前例だけが残っている。まったく狡猾といってよい対応である。
以前から、集合ポストへのビラ投函は法的な判断のグレーゾーンにあって、住居不法侵入の構成要件の有無、違法性阻却の可能性の2点であいまいさが残っていた。この際、こうした規制・弾圧がどうなのかきちんと法的に整理してもらいたかった。
●昨日紹介した市議は小金井市議ではなく、国分寺市議でした。訂正しておわび申し上げます。
●こうした問題が浮かび上がるたびに、管理組合というものは何なのか考えさせられる。本来は、財産管理をする共同体だと思うが、ほとんどそのことは議論されず、副次的な問題であるはずのマンション住民や出入りする人のマナー問題、近隣とのトラブル対策に追われている。そして、今回のビラ問題のように、管理人がどこまで自由権を侵害してよいのか、明確な合意を行っているところはなく、「迷惑」という漠然とした価値判断のもとに、管理会社、管理人、管理組合、住民の総意の線引きがないまま、問題に対処することが行われている。マンション管理組合を財産管理のための共同体であるという役割をきちんと認識させることが必要だろう。多くの管理組合は、マナー問題に議論が集中している間に、修繕積立金や管理費を、管理会社やその親会社であるデベロッパーに狙われ、純正品だとか何だとかで、高額な工事発注や積算根拠が不透明な管理契約を結ばされている。
一方、こうした消費者の無知につけこむ政府の姿勢も問題である。国土交通省は、高齢化を口実に、管理会社に管理組合の業務を全面委託できる法律を作ろうとしている。このことで修繕積立金は管理会社が管理し、管理会社が使うということになる。面倒くさい管理組合の運営はなくなるものの、住民が修繕積立金や管理費の行方について議論することはほとんど意味を持たなくなる。管理会社と、デベロッパーとの関係をきれいにすることなくして、危険なことだと思う。
マンション管理組合が被害届取り下げ 市議会報告配布2008年7月4日3時8分朝日
東京都国分寺市の共産党市議が、同党市議団発行の「市議会報告」を市内のマンションの集合ポストに投函(とうかん)したとして住居侵入容疑で書類送検された問題で、被害届を出していたマンションの管理組合が「地域での関係を悪化させたくない」として、被害届の取り下げを警視庁小金井署に求めていたことが分かった。同署はこれを3日に受理、4日にも東京地検八王子支部に伝えるという。
同市議は5月18日、同市本多1丁目のマンションに市議会報告配布のために入り、6月9日に書類送検された。敷地には関係者以外の立ち入りを禁じた張り紙があった。
管理組合の役員は「集合ポストには多くのビラが入れられ、住民の中には迷惑と感じている人もいる」としながらも、「書類送検された市議が今後は配布しないと言っている。この市議も防災や防犯など町内会の活動に参加しており、地域の関係を悪化させたくない」などと説明している。
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