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2008.07.23

7/24 訓告戒告者まで再雇用しない年金機構の問題

社会保険庁改編後の年金機構に、移行できる社会保険庁職員の基準がまとめられているが、自民党のごり押しで一切の処分者が不採用となることになった。

組合活動の問題点を異常にまでクローズアップして、本来の業務の問題点が何も明らかにされないまま、あたかも社保庁職員全員が組合活動でズルやっていて、それが全てで年金がずたずたになっているような印象操作が行われている。このようなことになっていることを残念に思う。

一切の処分者というのは、軽微な処分まで含まれる。その中には、軽微な仕事のルールの違反や、部下の刑事事件などの不始末による連座での処分者もいるし、交通スピード違反などの業務とは関係のない公務員としての身分上放置しておけない理由で処分になった人もいる。そういう人が新組織に反対したり足を引っ張ることとは無関係である。
事業の継承企業が採用しないというかたちで解雇するのは、処分の一事不再理という観点から問題があるのではないか。事実上の諭旨免職となることからそれ自体不当解雇となりうるし、社会保険庁改編で膿を出すという社会的(本当は政治的)要請がある分を割り引いたとしても、先に挙げたように継承企業で働いても直接には不正を働く恐れがないような処分者に対しての再雇用なしという判断は、不当解雇という色彩も帯びてくるケースも多いのではないか。

そういう意味で舛添厚生労働大臣が、一切の処分者の再雇用なしという自民党の圧力に若干でも抵抗したのは、法律や社会のルールを知った対応だと言える。

数日前のNHKニュースに、処分者の一切不採用を決める会議に、大して参加者がいないにもかかわらずわが選挙区の早川代議士が顔を出していた映像が流れていた。こういう不当解雇に近いことを煽って、弁護士出身の国会議員としてふさわしい態度なのだろうか。政治家としての役割を考えても、自民党の政敵としての組合活動家の弾圧が限界だろう。他のことでは人権や刑事手続きについて極めてきちんとした識見を持っている代議士の早川氏が、ことほどこの問題では、罪刑法定主義の概念や一事不再理を超えるようなことをするのは残念な態度である。

ここまで自民党の国会議員たちが熱心に社保庁職員に厳しく当たるかというと、それは自分たちに年金改革ができなかった政治責任が向いてくることをはぐらかしているからである。

30年後ぐらいを考えれば、年金記録よりも、非正規雇用が増えたり、ニート・フリーターが増えた社会に対応できる年金制度に改革しなかったことの方が大問題になる。それはまさに与党を中心に政治家の責任である。

年金記録がぐちゃぐちゃになったのは、ワイドショーが伝えるように厳格なコンピューター管理を求めた労使協定の存在だけが理由だろうか。記録システムが悪いのは、社保庁に群がって適当なシステム開発の仕事をしてきた幹部職員やNTTデータ通信はじめとしたITゼネコンの存在を経済誌が指摘していたが、誰も話題にもしていない。システム開発に関わった職員はきっと新組織や厚生労働省でそこそこの地位につくのだろう。そもそも制度設計のところで何をやってきたか。
また、年金の運用金をわざわざ発生させて、それの転貸融資で返済の目途もたたない公共事業の配分を決定してきたのは誰だろうか。そうした検証は中途半端に情緒的に行われたままである。

労働組合の組織率が低下して、多くの人には労働組合が何だか実感する機会がなくなった。ワイドショーなんか見ている人は、労働がリアリティーないし、まして労働組合なんてもっとリアリティーがない。そういう社会の中で、労働組合が職場の裏権力みたいに描くと、アングラ小説のような面白い読み物ができあがるのだろう。もっと重要な問題が何も語られず、何も指摘されないまま、そこで労組批判を切り口に、働く職員をスケープゴートにして、職まで奪うことが軽々しく語られる今の風潮が本当に良くない。

年金機構:懲戒処分の社保庁職員867人は一律不採用
 政府・与党は22日、社会保険庁の後継組織となる日本年金機構の職員採用に関し、最も軽い「戒告」を含め過去に懲戒処分を受けた社保庁職員867人全員を例外なく採らない方針を固めた。23日の自民党厚生労働部会で協議したうえで、政府は処分歴がある職員の一律不採用などを盛り込んだ基本計画を、29日にも閣議決定する。

 社保庁は17日の同部会に、給料をもらいながら労働組合活動に専念する「ヤミ専従」職員やその上司のほか、処分歴のある職員のうち停職・減給処分を受けた約250人を不採用とする方針を示した。しかし自民党は、戒告処分のみの職員も含め、処分歴があれば一切採用しないことを求めたため、厚生労働省が再検討していた。

 戒告処分には、車を運転中の速度違反などのケースも含まれており、舛添要一厚労相は一律不採用には慎重だった。しかし、自民党は譲歩する姿勢を示さず、厚労省も「与党の了承を得るためにはやむを得ない」として方針を転換する。

 現在の社保庁の正規職員は1万3113人。政府案によると、機構発足時の10年1月には17%減の1万880人となる。民間から採用する1000人を考慮すると、定年退職者などを除き最大1500人が新機構に移ることができない。

 社保庁は新機構に採用されない職員について、処分歴の有無にかかわらず、厚労省の地方部局での採用や、民間への再就職あっせんを進めるが、数百人は行き先が見つからないとみている。こうした職員については、最終的には民間企業の解雇にあたる「分限免職」に踏み切ることを検討している。

 一方、社保庁は、正規雇用者以外に社保庁職員1400人を、期限付きで採用する。対象者は処分歴のない職員だが、このうち千数百人は最長でも6年程度の雇用となる見込み。処分歴があるため新機構に移れず厚労省の地方部局に移る職員が公務員身分を維持する一方で、処分歴なしに有期雇用で新機構に移った人の一部は公務員身分も将来的な雇用も失うことになり、「矛盾する」との批判も受けそうだ。【堀井恵里子】

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