7/13 朝霞市の子ども政策を検証する
午後、今後の朝霞市を考える会のシンポジウム。子ども政策というテーマで、①保育園、②5年かかる小学校の建て替え問題、③障害児の地域での暮らし、④遊び場の4テーマ。私は保育園のところで話させてもらった。
●保育園の話の内容は、待機児童問題と民間委託の問題について中心的に話した。保育料とかもっと卑近な話はあるが、そういうのは私でなくても発言する人はいると思って、大幅にカットした。
今でこそ沈静化した待機児童問題だが、共働きを基本とするような地域社会の生活がなくて、マンションの乱造を認め続ければ、またいつ暴発するかわからないという話でまとめた。この6年の朝霞市の取り組みなども説明した。待機児童問題を解決したのは、ベクトルが違うが関係者の働きかけで、市役所にとっては想定外のいくつかの幸運が重なっていると思う。
民間委託の問題は、ふじみ野市のプール事故事件を引き合いに、発注者責任としての監督を市がやらないで業者任せにしていると、事故が発生したときに、発注を決めた職員が禁固刑=失職になる危険性があるということと、保護者やできれば子どももまじえた当事者の意思決定があって、委託先企業が決まるべきこと、実際の保育を見て業者を選択すべきことを指摘した。朝霞市の民間委託のやり方は、都内の自治体に比べてかなり手荒で、透明性がなく、業者との癒着が起きる余地がある。保育園は誰のためのものか、というものをもう一度きちんと確認して仕事の組み立て直しをしてもらいたいと思うが、しばらく市立の新設園はないと思うので、どうでもいい問題として扱われるだろう。
●第五小学校の建て替え問題は深刻である。早ければ今年の夏の入札で業者が決まれば、その秋から工事に入り、足かけ5年、子どもたちは工事と共存しながら勉強しなくてはならない。ちょっと工事ミスがあって工事が延びれば、ある学年は6年間、工事現場と隣り合わせで勉強し、体育の授業はバスでグラウンドに行く可能性もないわけではない。グラウンドがないからといって、サッカー部や野球部が解散させられてもいる。実際にサッカーや野球ができなくても、サッカーや野球の歴史や、名試合の検証なんかで活動のしようはあるはずで、何だかわけわからない。保護者グループが計画の見直しを求めてもびた一文譲らない市の教育委員会。21時からNHKスペシャルで中国の環境破壊が紹介されていたが、そこで出てきたダム建設を推進する地元政府と同じ態度である。
●自分たちで必要なものを自分たちで作って、自分たちで責任をもって運営する、障害児学童の報告はいつも頭が下がる。遊び場の課題では、プレーパークを作ろうと運動している方に話していただいたが、自然が多い朝霞の利点が全然生きていないこと、そういう中で何とかがんばって、たき火や公園利用の規制をくぐってやっているが、市職員が問題意識を共有してもらえていないため、担当者が変わるたびに振り出しに戻るので、苦労していると報告していただいた。
●今日、持っていき忘れた資料から。5歳以下の人口のうち、保育所に通所する子どもの割合は全国平均が31%、埼玉県が18%、朝霞市が16%。3歳未満児の入所している子どもの比率が、全国が17%、埼玉県が9%、朝霞市が12%。全国に比べて、埼玉県や朝霞市では、保育園に通う人たちがマイノリティーという結果が見える。埼玉県では3歳を境に保育園に通う人が倍になるが、朝霞市の場合低年齢から預ける人が多く、3歳未満児を中心に預かる家庭保育室の児童もあわせると、珍しく0歳から5歳までほとんど同じ数の子どもが預かられている寸胴型の年齢構成だと言える。保育園の保護者に3歳児神話はなくなったと言える。これは全国的にも珍しい状況である。保育園の定員は同規模自治体が1800人前後なのに対して、朝霞市は増やして1300人弱なのでまだまだ認可保育所は本当は足りない。ただ、専業主婦でおさまったり、他市に比べて手厚い補助が出る家庭保育室などに通園させているなどしてしのいでいるのだろう。
●しかし、その五小、セメントの粉塵とか舞い散る中で、喘息などの呼吸器系の慢性疾患を抱えた子どもにどのように対応していくのだろうか。まさか、そのようなことはないようにする、などという予定調和的な答弁をしているのではあるまいか。きれいになって開通した地下鉄副都心線も、駅や車内はセメントの粉臭くて、息苦しい。隣で取り壊しやセメントの流し込みをやっていて、粉っぽくならないはずがないと思うが、どうなのだろうか。そういうことを言うのはモンスターペアレンツなどと陰口を流して抑え込むつもりだろうか。
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