6/11 東武鉄道は10年後に経営危機ではないか
きのうきょうと、副都心線がらみのマスコミ報道が盛ん。
東武百貨店と西武百貨店が新宿に吸い上げられるみたいな報道が多かったけども、両百貨店の仕入れ先にいじめられない限り、そんなに吸い上げられるかと思う。
というのも、両百貨店を凌駕する能力があるのは伊勢丹だけ。その伊勢丹も、食品売り場は東武に負け。強みの衣料品については、東武や西武でそもそも扱っていない高級品しかない。そういうものを欲しがっている客層はもとも伊勢丹に行っていると思う。
一方、東武や西武に競合しそうな他の三越、高島屋、小田急、京王で見てみると、三越、小田急、京王は東武、西武を超えられていないと思う。互角なのは高島屋だけ。山手線を挟んで、ドンパチやってきた東武、西武の競争力は思ったより質は高い。
私は、それより、原宿・表参道間のブランド街道こそ、副都心線の強みになるんじゃないかと思う。
●東上線の新ダイヤの時刻表を入手。それにしても、今度の副都心線がらみの東上線のダイヤ改悪ぶりには、ほんとうに頭に来る。
今まで27分だった各駅停車の池袋・志木間が35分というのは、平均時速30キロである。ということは、ちょっと速めの自転車並みである。副都心線への乗客のシフトを過大に見積もり、東上線を不便にしようというのも理解に苦しむ。一方ではふじみ野、つきのわ駅利用者には破格の便宜を図るというのも腹立たしい。
池袋・志木の急行が、夕方のラッシュ時間で22分もかかっておきながら、TJライナーなる電車が、池袋・ふじみ野を20分で走るというのも変な話である。
マスコミは東上線・副都心線の話題でいろいろで、良くなるように宣伝しているが、いい加減な報道だと思う。
●私は東武鉄道は10年後に経営危機を迎えるのではないかと思う。
というのも、本業そっちのけで、見てくれの広報対策と不動産投資ばかりやっており、バブルで失敗した優良企業のようなノリを感じるからである。押上の操車場跡地の開発、今回の一般列車を犠牲にしたTJライナーのバカ騒ぎ、それらは本業そっちのけの不動産投資にほかならない。しかし長い目で見れば、人口減で、とりわけ沿線の埼玉など魅力的な住宅地でもなく、不動産投資がいつまでも東武鉄道に利益を出すとは思えない。ラッシュの混雑率が低いなら、着席率が高いクオリティーの高い電車を走らせて、快適通勤を売りにするぐらいにしないと沿線の不動産開発など、これからは続かないだろう。
●東武と似た体質と言われてきた京成電鉄は、東武と全然違って、不動産投資ではなく、本業の鉄道事業、バス事業に力を入れている。民鉄協会のHPに出ている京成の社長の話は良い。1973年に不動産投資で失敗した経験が生きているのだろう。
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