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2008.05.13

5/12 ハーメルンの笛吹(繰り上げ当選)左翼

文藝春秋の取材に応じたため、私の言ったことが記事にならなかったにせよ、お礼として文藝春秋を送っていただいた。
世界の貧困問題を佐藤優、堤未果などが書いて、その最後に日本の状況として紹介し、その中で、役所で働くワーキングプアのひどい実態を紹介していただいている。ありかだい。

●読み進めると、社会保険庁のことを茶化した対談記事にぶちあたる。その記事は、職場を荒廃させたのは労組というモチーフで書き続けている。しかし、その職場を荒廃させている事例は80年代前半までのもの。官公労や私鉄など労働運動が激しかった職場では一般的な話となる時代のことを取り上げている。コンピューターの入力作業をしている人は、60分仕事したら10分休めということが問題だとことさら騒ぎたてているが、今のようなコンピューターならともかく、90年代前半までの業務用コンピューターは、画面が見にくく、処理方式の問題から反応が遅く、コンピューター入力をしている人には本当に負担が大きかった。実際、私が15年前、民間企業に入ったときに、組合ではなく上司から、60分入力したら10分休めと指示されたし、そのことで誰も文句は言わなかった。過去の現実をすっぽり忘れて、イメージ操作に乗せられている。

対談の一人、岩瀬達哉というルポライターが、最もひどく労組害毒論をまきちらしているが、この人物、社民党の保坂展人のグループで一緒に活動していた人物だと言う。東京の官公労関係者で社民党を支持している人間たちはこの事実をどう捉えるのだろうか。

そして、「世に倦む日々」の自称テサロニケは、社保庁労組バッシングの先頭に立つ長妻昭を党首候補にと情熱いっぱいに訴えている。ほんとうにマスコミのイメージ操作にのりやすい人だ。
日経BPという元々アメリカ資本の雑誌会社で働いていた長妻が、一体何を考えているのか本当は警戒すべきなのではないか。日経BPは大量のスタッフを雇い、人海戦術で日本の抵抗勢力を壊す記事を書いている。年金で感情的な社会保険庁批判とりわけ労組批判をすることで、一体何が生まれるのか。年金民営化論である。さらに「払った年金が貰えない」というのは、社会保障としての年金制度ではなく、積立方式の年金制度に位置づけを変えたことになる。その結果、アメリカの金融資本のための年金制度改革への地ならしが行われているように見える。そのことが反小泉だのイラク戦争反対だのアメリカ金融資本の構造改革が問題だの、言うテサロニキの論理との整合性が見えない。

そして今日のサンデー毎日を読むと、後期高齢の制度批判が、いつしか厚生労働省の官僚の身辺調査になっている。その背景に長妻昭がいるという。その横で民放は外資系保険会社のCMで「60過ぎても入れます」などとやっている(決して60過ぎても払いますとは言わない)。何かいろいろ考えさせられるものだ。

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