5/11 反中国に陶酔している人たち
またまたNHKが「国益放送」をしている。
ビルマの台風被害に、国連やNGO関係者を入れないあくどい軍事政権というプロットで延々、その非道さをなじっている。そのこと自体の方向性は間違いとは言えないが、トップのニュースで何分も流すことなのだろうか。
ビルマの後ろ盾に中国がいるということを背景に、安倍晋三の勅使、古森一派は反中国宣伝にしようというのだろうか。しかし今日の軍事政権は、そもそも日本軍が育てた鬼っ子だということを忘れてはならない。
そして、胡錦涛中国共産党主席が訪日し早稲田大学などで演説しているが、それについて何を話しているのかほとんど伝えず、ピンポンやっていることと、かつてのピンポン外交の遺跡の報道に終始して、これまたどうかと思った。
ナショナリズムを煽動し、いわゆる「反日」の前主席・江沢民一派を追放し包囲して、国際関係を重視する胡主席が何をしようとしているのか、十分にアンテナを張ることが重要だと思う。
またロシアが12年ぶりに軍事パレードというニュースを見る。今後10年、アメリカがクレジットクランチでのたうち回るのに対して、ロシアがオイルマネーにもの言わせて国力をつけていくことになる。私は親露・親ソではないがこの変化にどう対応するかが本当は重要だと思う。
●胡錦涛主席と、元首相たちとの会食で、安倍晋三がチベットの人権問題について強く批判したという。そのことを伝えたフジテレビのアナウンサーに小倉智明が「で。相手にされなかったんでしょ」みたいな返しをしていてナイス。他国の人権を云々できるのか。精神力の弱さで政権を投げ出したナショナリストの言うことなど、中国共産党のトップが尊重するわけがない。
●いいんです。チベットの人権を確立せよという主張は。しかし、それが単なる反中国の合い言葉であるなら、植民地解放と反米を唱えていた古いタイプの左翼と何一つ変わらない。でも古い左翼がジーンズを履いたように、右翼思想の連中も中国製の服を着ているんだろう。よっぽどブランドの高級服でもなければ、今着ている服は中国製だと思った方がいい。
●まだ会ったことのないご近所さんが書く「思考維持装置」から、徴農制度を唱える政治家たちをくさす記事が。同感。農業やれば人格が育つとか、そういうのは無関係だろう。農業に限らず、作業はきちんとやること、そして仕事は尊いこと、そこで関わる人は大切にすること、それだけのことではないか。
私は農業などやったことがない。父方の祖父母は都市住民で、終戦直後、やむを得ず宇佐市で小作農を少しの間やったぐらい。母方の祖父は歯科医だったので農業経験はなし、母方の祖母はやはり都市住民で農業体験はない。母方の祖父母に関しては都民だったので、終戦直後に関東近郊の農民に意地悪された記憶を持っていた。聞いた限りでは、人格なんか感じられない話だった。左翼の読み物だが、高木敏子の「ガラスのうさぎ」でも秋保温泉の農家に疎開して、農業体験の中からいじめられまくる話が出てくる。
それはともかく、東国原氏に関しては、人間(とりわけ青少年)をテレビ漬けにした自分の過去の仕事を反省してから、徴農だとか言うべきだろう。
●ネグリというイタリアの元過激派の哲学者が、日本の外務省文化人たちが呼ぼうとしながら、法務省入管に止められたという事件があった。そんなんで、ネグリ「未来派左翼(上)」をかじり読んでみた。社民主義者よりスターリン主義の方がましみたいなこと書いていて、ため息が出て読み捨て。
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