4/30 通勤電車の混雑率に騙されるな
東京の通勤電車の混雑率が、バブル期に比べて大きく下がっている。あの頃、190%の電車はざらである。現在、私鉄で混雑率190%というのは、悪評高い東西線と、田園都市線と、小田急線ぐらいである。
運賃上乗せ前払いで集めたお金で、輸送力増強に取り組んだ成果でもあるが・・・。
ふと、この前、駅のホームで電車を待っていたら、反対側のホームに入った電車の定員が目に入った。
「定員160人」
あれっ。4つドアのある、あの伝統的な標準の通勤電車の定員は、144人だったんじゃないかなぁ。小学生のときに、比率の勉強をするときに授業で題材に使われたので、よく覚えている。ということは、定員が1割サバ読みされているということ。それだけで10%混雑率が下がっている。
それと、気づいたのは、混雑率というのは人数で計算している数字でしかないということ。
今日、朝の電車で運良く座れたが、となりのおっさんがとにかくがたいが大きくて、しかも股を開くわ、発車や停車の度に重たい図体を私や反対側の隣の人にもたれかけるわ、お腹が邪魔して肩をすぼめることができないわで、とにかく迷惑だったのだが、そこから気づいたのは、図体の大きな男、とくに中年が増えたということ。
昔もでかい人はいたけど、今ほどいなかった。昔の中年と今の中年を比べると、横幅は1.3倍ぐらいになっていると思う。もちろん女の人の社会進出も進んでいるので、細い人も通勤電車に増えているが。でもがさばる人は増えた。
それをならして、乗客1人あたり面積が1.15倍になっていると考えると、実質的には10%ぐらい混雑がひどくなっている。
東上線の場合、バブル期は北池袋→池袋の混雑が183%で、今は139%。先ほどの定員のサバ読みと乗客の体積増を加算すると、実質159%で24%のダウン。確かに東上線はひどい混雑をする時間が短くなった。少し混雑を避ければ本を読める。
小田急線の場合、バブル期は世田谷代田→下北沢の混雑率が206%で、今は188%。先ほどの定員のサバ読みと乗客の体積増を加算すると、実質208%で2%のアップ。どこが混雑緩和されたんだ、という実感は当たっている。世田谷代田と代々木上原の間の複々線が完成すると、どこまで効果が上がるのかによる。
有楽町線の場合、バブル期は東池袋→護国寺の混雑率が178%で、今は175%。やはり20%積むと、195%で18%も増えている。混雑率は変わらないのに、混雑はひどくなっているなぁ、という実感はやはり当たっている。
国土交通省は、バブル期から今まで、180%を切れば新聞や本は読めるなどと評価しているが、定員のサバ読みと、乗客の体格の変化を考えると、全然違うということになる。
ということで、少子化だのバブル崩壊だので混雑率が下がっている、という鉄道会社の宣伝と、輸送力改善の怠慢を鵜呑みにしてはいけないことを改めて実感した。
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