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2008.04.01

4/1 民主党は消費税増税法案に賛成できるのか

ガソリン税の暫定税率がなくなった。

私は福田首相が3月27日に打ち出した、全額一般財源化に民主党はのるべきだと思ったが、菅直人氏はじめ、民主党の幹部は、暫定税率の存在にこだわり、結局話をふいにしたのではないか。民主党のそもそもの結党の理念は明確にされていないが、少なくとも、自民党や新進党がとってきた、「良い物をどんどん安く」という某スーパーのようなお任せの大量生産・大量消費モデルではなく、エグいマイナー生協のような有権者の自己決定権の回復の方に優先課題があったはずである。有権者の社会への危機感を背景に、単に安上がり政府ということだけではなくインナーサークルで税金に群がる人たちから政府を取り戻すという課題設定をしたことが、最終的に新進党から野党第一党を奪取することができた背景にあるのではないかと思う。菅直人氏が法政大学で国民主権論の講義をしたことが話題になったが、そのことが今回行動に結実していないことをとても残念に思う。

卑俗なことで言えば、景気が回復しながらも、毎年5兆円の財政欠損が出ている中で消費税の増税が取りざたされる中で、嗜好品税とも言えるガソリン税を引き下げることがどのような意味を持つのか、民主党は真剣に考えてもらいたかった。こののち、7兆円の財政欠損が出てくる。その中で、道路建設を削りに削っても、やはり5兆円の欠損は毎年生み出される。景気回復の自然増収などと言う竹中平蔵や、中川秀直もいるが、これはかつての消費税廃止法案の社会党と同じ思考回路である。

小沢一郎氏や菅直人氏は、政局と関係のないところでは西欧社民主義的な主張を訴えるが、政局がらみになると途端に新自由主義的な経済政策を訴える。曰く「支出のムダを削れば」と。
しかし、道路特定財源でマッサージチェアを買っただの、ミュージカルをやっただの、不正支出みたいなものを追及して切りつめたところでどんなにふくらましても数百億円程度の話でしかない。道路だけで2兆円もの不正支出をしているような国は、北朝鮮のようなっているはずである。
そもそもの支出自体を切って、国民に犠牲を強いて小さな政府にする、という政策を採らない限り、7兆円の毎年の欠損、それから道路特定財源分だけでいうと、2兆円の毎年の欠損は消えない。
それはどんなことをしなくてはならないかというと、大所の予算支出から言うと、年金給付の1割以上の切り下げ(逆に年金保険料の自己負担割合の増加)、医療給付の切り下げか医療費の自己負担割合の引き上げ、地方交付税の大幅カット、防衛費の半減、警察要員の削減、そんなところしか2兆円という財源は生まれてこない。

今でさえ生まれている財政欠損は埋めようもなく、いずれ消費税や、高額所得者の所得税、法人税のさまざまな優遇措置の廃止に踏み込まざるを得ない。民主党が政権を取っても、取る前での参議院の審議でも、この問題にぶちあたらざるを得ない。しかし今回のような強硬な戦術でガソリン税を下げておきながら、一方で消費税を上げる法案にどう対処するか、という問題をつきつけられて、財政欠損の問題を先送りしていることがわかったときに、消費税増税法案に賛成するのか、反対するのかで、マスコミや与党からさんざん議論を翻弄されることになるだろう。

道路特定財源の改革というのは、国交省が別財源をもち、国会や内閣の議論もなく、勝手に事業を進められるシステムの改革にある。マイルドな言い方をすれば、税金の使途全部を国民の代表が議論して決定できるシステムに戻すことであるし、どぎつい言い方をすれば、国交省を頂点にした道路族(自治体職員も議員も国民も)と、それ以外の分野の人たちとの国家の分裂を修復するということに本質的な意味がある。
福田首相は今回それを踏み出したのだから、民主党は一般財源化の担保だけ押さえ、暫定税率などという矮小な問題の処理は、この際無視すべきだと思う。

どうしても暫定税率分を国民に払い戻したいというのであれば、その財源で消費税を1%程度減税したらいい。ガソリンだけ減税しても、ガソリンは輸入品である。しかもお金が余って余ってしょうがないアラブの不労所得者のふところに落ちるだけである。それより、消費税なら、生活必需品から何から、みんな減税され、減税効果は低所得者に厚く、かつ政策的には中立的である。

●不可解なのは東国原宮崎県知事である。せんたくだとかいう地方分権推進のグループに並べて売名しながら、一方では、地方分権の最も抵抗勢力である国交省の手先になって、時に財務省批判などを織り交ぜながら、道路特定財源を守れと絶叫している。ガソリン税の流用だと。ではサラリーマンから絞り取った所得税は、サラリーマンのために全額使え、消費税は浪費家のために全額使え、そんなことになるのか聞いてみたいものだ。働きたくても働けない、浪費したくても浪費できない人のために税金は取った因縁と関係のないところに使うものになる。
せんたくなどというグループに入って地方分権を訴えるからには、特定財源の支出をあてにしないと通常の自治体運営すらままならないような財政配分がおかしいと声を大にして言うべきだろう(昨日の朝日新聞では、一般財源化は避けられないから地方にどう配分させるかが課題だと言い始めているが、最初からそう言えばいい)。

●うちの上田知事も不可解である。早川代議士のブログでは、上田知事が志木の駅前通の開通式で、道路特定財源の廃止を訴える民主党を批判したことが書かれている。しかし30日のNHKニュースでは、道路特定財源の一般財源化について回答を保留している。大多数の人に眼につかないところでは抵抗勢力の側につき、マスコミや目立つところでは改革派的な考え方を訴えるのは埼玉4区民主一家の特質である。

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