4/11 尼崎市役所の派遣労働者の争議、直雇用化で解決
尼崎市役所で住民票入力で働く派遣労働者が、派遣会社の一般競争入札で、雇用不安に陥ってストライキに突入していたことをお知らせしましたが、ようやく労働者側の勝利で解決することになりました。とても嬉しく思いますし、当事者の5人の労働者にお祝い申し上げます。
非正規労働者の争議でストライキ→復職をかちとることはなかなか難しく、今回は全国の非正規雇用におかれた労働者に光明を当てるものになるかと思います。
あと賃金がまだ歩み寄っていないようですが、この週末の間に解決できる見込みだということです。
これまでの経緯
・住民票入力の派遣労働者が待遇改善を求めて市役所と交渉し続けていた中、2月18日に市長の指示だということで派遣契約そのものを一般競争入札にかけるとして交渉を打ちきられた。原価が人件費しかない派遣業者の選定で一般競争入札にかけることは、人間のセリである。それも奴隷取引では高い値段をつけた業者が落札するが、行政は低い値段をつけた業者が落札するのである。
・派遣労働者5人は、3月3日から抗議の無期限ストライキに突入。市役所前に仮設テントを設け、当事者と支援者で座り込みを続ける。
・市長は態度を崩さず、3月21日に1回目の入札を強行。それだけ安い労働力が確保できないとして、落札回避の値段をつけたり、入札辞退があったりして、業者が決まらない。それでも態度を変えず、4月7日に再入札をする。
・3月28日にストライキを打ちきり職場に復帰。
・雇用期間が新しくなる4月1日から、就労通知書を持参し提出しては、帰され、テントで座り込む。
・4月7日の再入札も、業者が辞退したり、高価格で落札して、市が落札業者と再交渉して、業者は落札辞退。市長が5人の雇用の継続を検討。
・4月11日、市長と労働組合の武庫川ユニオンと交渉、5人を1年間臨時職員として直接雇用し、その間雇用のあり方について検討することを約束。賃金については積み残す。
今回の事件についてはいろいろ考えさせられることがあります。
① 自治体の業務を誰が責任を取る体制で働くのか、という問題。
② 自治体の業務を行う、自治体正職員以外の人たちの労働条件の問題。シングルマザーに年収150万円で働かせてワーキングプアを作っている問題。
③ 派遣業者を一般競争入札だけで選ぶということの、人を安く買うという倫理の問題。
④ 民間委託が進んでいる中でスト権を持っている人たちが公務を担っている中での、公務員のスト権を制限していることの無意味さ。
⑤ 自治体業務を行う派遣労働者や請負労働者の雇用責任。
⑥ 自治体業務を行う派遣労働者や請負労働者の仕事の指導責任。
などが課題ではないかと思います。
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