3/22 マンション管理組合・要注意
国交省が、マンション管理を理事会が責任をもってやる方法から、企業などに全面委託することを可能とする法改正をする。このままではとても危険な改革だと思う。
現在でもマンション管理会社が、管理組合の財産を押さえてしまったり、管理組合の役員を「客」としていいように議論をリードして、管理組合財産を自社の系列会社に使いたいだけ使ってしまう事例も多い。
今度は、その管理権限を住民から手放させることを可能にしてしまうのだ。マンションの財産としての権利はどこに行ってしまうのだろうか。
一方で、高齢者ばかりのマンションが増えることも、公団を中心に避けられない事態になっていて、何とかしなくてはならないということもあるが、国交省のやることだ、眉につばつけて考えた方がいい。自己防衛しない管理組合には、デベロッパーの系列管理会社がいいように管理組合の財産を食い物にする業界体質にメスを入れるつもりなど国交省にあるわけがない。
また、国交省は築30年以上のマンションを老朽化と行って、建て替えを煽るような課題設定を行っているが、冗談ではない。きちんと管理すれば築70年は使えるし、多少管理が雑でも50年以上は維持できる。地下鉄、高架橋、日比谷公会堂、九段会館、国会議事堂、大蔵省、こうした建物が築30年の段階で取り壊して作り直すなんて話はないし、マンションより過酷な環境にある地下鉄のトンネルを作り直すなんて話はない。
築30年以上を老朽化と設定して、建て替えを煽り、建設業界とおいしい汁を吸おうというのが国交省の戦略か。そのためにマンション管理組合のブレーキを緩めて、デベロッパー主導の住宅開発をできる道を開きたい、そんな考えが見え隠れする。
だからこそ、管理会社にきちんとチェック機能を働かせることができる自立した管理組合を育てていかなくてはならない。朝霞市もマンション業者の言われるまま建築許可を出す前に、そうしたマンションがたくさん建った後の社会的な課題も考えておかなくてはならないのではないか。
マンション管理、全面委託も可能に・国交省見直しへ
国土交通省は分譲マンションの管理制度を抜本的に見直す。所有者でつくる管理組合の理事会が担ってきた管理業務を全面的に外部委託するのを認める。高齢化などで運営が難しくなっている理事会がなくても、建て替えや修繕が円滑にできるようにするのが狙い。管理組合による修繕積立金の徴収を義務づけることも検討する。法改正も視野に入れ、2009年度から新制度導入を目指す。
マンションは1970年代から大量供給が始まっており、老朽化の目安とされる築30年超の物件が今後急増する見通しだ。国交省によると06年末で約63万戸が築30年以上。10年後には2.7倍の約173万戸まで増える。 (07:00日経)
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