« 3/21 朝霞市で進むお友だち市政運営 | トップページ | 3/22 精神修養であることを要求される子育て »

2008.03.23

3/22 小佐々守さんの命

7年前に栃木県鹿沼市のごみ政策の担当課長小佐々守さんが暴力団組員に殺害された事件があった。
当時、組合ルートからも行方不明の捜索協力があって、機関紙に掲載したのでよく覚えている。結果は、いなくなったその日に殺害されていて、ほんとうに悲しい事件だったと思う。

その栃木県鹿沼市で、昨年12月に、公共工事のトラブル仲裁と新たな仕事の配分をめぐって、市長と市議会議長と元県議会議長、商工会議所会頭、暴力団5人が会合していた、という事件が出てきた。呆れるばかりである。

市長は、市長選前の誹謗中傷と逃げ回っている。元県議会議長は、市長は市職員を守る責務がある、組員も市民だ、などと詭弁を弄している。暴力団との不適切な関係を正そうとした職員が殺された自治体の責任者が、開き直ることかね、と思う。殉職とも言える小佐々さんの命は何だったのかと思う。

政治と公共工事にまとわりつく不透明な人間関係がまたも出てきたような事件である。
説明のつかない公共工事は、背後に怪しい何かがあると考えた方がいい。

栃木・鹿沼市長、組長と同席 公共工事トラブル仲裁会合
2008年03月23日03時01分

 栃木県鹿沼市発注の公共工事をめぐって昨年12月、受注した地元企業と暴力団の間に起きたトラブルを収めるため、元県議会議長が両者を仲立ちした会合を開き、市長や市議会議長らが同席していたことが22日、分かった。元県議会議長は朝日新聞の取材に「市民と市長の間柄で話し合った。問題はない」と話している。会合は01年に起きた暴力団員らによる市職員の殺害事件をめぐり、市が再発防止への努力を遺族に誓う民事訴訟の和解協議を進めるさなかに開かれた。

 複数の関係者によると、会合が開かれたのは昨年12月20日。自民党鹿沼支部長を務める新井喜久雄・元県議会議長を呼びかけ人に、阿部和夫市長、市議会の小松英夫議長、鹿沼商工会議所の中津宰会頭、住吉会系暴力団組長の5人が出席した。

 問題の公共工事は、昨年10月に鹿沼市が入札を行った大型商業施設跡の解体工事。中津会頭が代表を務める建築会社が約1億3500万円で受注した。

 落札後、同暴力団組員が受注企業に「片づけ処理をおれたちにやらせろ」と不当な要求をしたとして昨年12月8日、同県警鹿沼署が暴力団対策法に基づき中止命令を出した。また、関係者によると同時期、「市と受注業者との間に癒着がある」などとして同組員が市内に街宣車を走らせていたという。

 阿部市長は会合で「前からお会いしたかった」「何かあったら、私にじかにでもいいので言ってください」などと組長に呼びかけたという。

 鹿沼市では01年、ごみ処理行政をめぐって市幹部(当時57)が暴力団員らに殺害される事件が発生。市は事件後、不当要求対応マニュアルなど再発防止策を整え、市職員らに対し、暴力団や右翼などからの行政対象暴力への適切な対応を求めている。

 新井元議長は朝日新聞の取材に「ことが大きくならないうちに集まったらどうかと考えた。市の職員の安全を守るのは市長の責務。組長も市民なんだから、市長と話すことに何も問題はない」と語った。

 また、暴力団組長は朝日新聞の取材に「下の者が関係する解体業者が下請けから外されてもめた。話し合いは向こうに頼まれたから出た」と話した。会合を最後にトラブルは収まったという。

 ■市長が文書、会合の有無触れず

 阿部和夫市長は朝日新聞の再三の取材申し込みに対し、面会には応じず、21日深夜、市秘書室を通じて、「報道機関のご高配とご理解を強くお願い申し上げる」との文書を出した。文書は「申入書」と題し、約700字に及ぶ。しかし、暴力団組長との会談の有無については触れていない。

 文書では、自身が3選を目指し立候補を表明した5月の市長選を控え、組長と会談した内容とされる「不審文書」が出回っているとし、「支持基盤の致命的弱体化を狙ったものである」などと記されている。その上で「選挙報道の公正公平中立にかかわる問題」として、慎重な報道を求めている。

 ■仲介した元県議長「組長も市民」「事件再発防ぐため」

 新井喜久雄・元県議会議長との主な一問一答は次の通り。

 ――5人で話し合ったのは事実か。

 間違いない。私が組長と市長の橋渡しをした。

 ――なぜ会合を設けたのか。

 (01年の市職員殺害)事件を再現しないことが第一義だ。こじれる前に、話し合いで疑問を解明できればいいと考えた。

 ――市長が組長と会うのは不適切では。

 暴力団だろうと(組長は)一市民だから問題ない。何もうさん臭い話ではない。

 ――入札をめぐるトラブルに市長が関与したのはなぜか。

 業者に怒鳴り込まれて市職員も困っていた。職員の安全安心を守るため、市長が職責を全うするのは当然と思う。

 ――また同様の事件が起きると恐れたのか。

 二度と起きない保証はない。誰も(仲介)しないなら、自分でも役に立つかなと思った。

|

« 3/21 朝霞市で進むお友だち市政運営 | トップページ | 3/22 精神修養であることを要求される子育て »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 3/21 朝霞市で進むお友だち市政運営 | トップページ | 3/22 精神修養であることを要求される子育て »