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2008.03.02

3/1 官僚内閣制から議院内閣制へ

今日、髪を切る。ぼっさぼさの長髪で、忙しい1カ月だったと振り返る。

●飯尾潤「日本の統治構造」を読む。飯尾氏の書いたものについては、月刊誌などで触れていたが、与党改革派寄りという印象しかなかったので読まずにいた。副題にあるように官僚内閣制から議院内閣制へ、という問題提起のもとに、内閣がどうあるべきか、議会がどうあるべきか、非常によくまとめられ、指摘している点も整理されていると思う。また、行政府が立法府から独立性の高い権力を与えられながら、国民の信頼を失わなかったシステムとして、様々な専門分野の審議会と、与野党の国対での政策取引を通じて、国民の間に大きな断層ができないようにしてきたからだという指摘がされている。小泉首相以降、そうしたシステムは壊れており、一気に政権交代にいく可能性が高まっていると言える。俗耳に入りやすい首相公選制を斥け、議院内閣制の本来の運用を示しているのが気持ちよい。

●夜「それでもボクはやっていない」をテレビ放映していたので見る。芸術作品としてはいかにもな表現が多かったのでどうかと思うが、刑事裁判の実態を表現するのによい映画だと思う。最後、有罪になるんだとは思わなかった。変な希望的観測を持たせないためにいい裏切りをしている。

●日本の三権分立がおかしいのは、民選の議会と、官僚制の間に大きな溝があって、官僚である検察と司法の裁判官が密接に交流をしていることである。先に挙げた飯尾氏も、それから古くは松下圭一氏も、行政府の民主的コントロールという観点から、議院内閣制である限り、議会から行政が独立した権力を持つなどという考え方は間違っていると指摘している。

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