2/9 橋下大阪府知事のおとなげなさ
自分の責任か相手の責任かあいまいな社会常識を、強引に相手が悪い理屈にするところがおとな気ない。NHKバッシングを利用するところも、首長としてあまり好ましい態度ではない。
●日本会議のHPは面白いところだ。右翼チックな主張をしているのならその思想にすりあわせて、特定の政治家を評価したりこきおろしたりすべきなのに、特定の政治家がすきか嫌いかから情報が始まっている。
とくに、与党野党が激突する選挙が増えると、立候補の経緯においての社民党や共産党などの敵対党派のアンチテーゼで動いていて、連日の橋下知事への礼賛記事も、ほんとうに橋下の考えや政策が日本の伝統的なものを大切にするひとたちに合致しているのか、検証されたものとは感じられない。すべての公共施設の見直しの一環として女性センターの廃止を出してきたものを、あたかも伝統的な家族観の復興運動の一環であるかのような捉え方は、いずれがっかりするようなことになるんじゃないかと思う。
●オバマ氏の著書を読んでみたけど、オバマ氏の1950年代の成功体験と社会の安定に戻そうという感覚は、米国版「国民新党」ではないかと感じた。社会的統合や平和の大切さ、医療保険改革を訴えるスタンスは左よりなんだけども、家族観なんかは、モラルある家族の復興みたいな価値観が前面に出ていて、安部晋三的な感じがした。選挙戦術もPR会社と広告代理店を駆使するやり方をやめたり、好人物かつ骨のある人だということはわかるんだが。最近、NHKがやたらオバマ氏をヨイショしているのが気になる。ヒラリーも気に入らないけど。家族観を読むと、古森経営委員長が好きそうな感じだ。
橋下知事「NHKのスタジオ収録には出ない」
2008年02月09日23時10分
大阪府の橋下徹知事は9日、今後はNHKのスタジオ収録には出演しない考えを示した。8日に大阪放送局の番組に出演した際、対応が不適切だったとして「黙っていてもお金が入ってくる組織はこういうものか」と批判。ただ、取材を拒否する考えはないという。
番組は8日午後7時半から関西地域向けに放映された「かんさい特集」。東京での省庁などへのあいさつ回りが長引き、約30分遅れて出演した。アナウンサーが「およそ30分遅刻で到着されました」と紹介すると、橋下知事は気色ばんで「こちらの責任じゃないので」と反論した。
橋下知事は9日、府庁内で記者団からいきさつを問われ、「NHKは(あいさつ回りを)切り上げてでも番組に出ろと強硬に言ってきた。はじめから絶対に間に合わないと言っていたが、とにかく出ろ、出るのが公務だ、義務だと。スタジオに呼びつけられることまでは公務とは思っていないので一切行かない」と不満をぶちまけた。
| 固定リンク
コメント
大阪府民です。件の番組「かんさい特集」見ていました。
紹介されているように、途中で現れると「遅れることは連絡済みだ」とアナウンサーを恫喝。その後もアナウンサーいじめをつづけ、体育施設がセーフティーネットなのかと毒づいたり、NHKのインサイダー取引がどうのこうのと言いだしたりとガサツさ全開でした。声の大きさや勢いを頼りに、なにがなんでも言いたいことは言うという姿勢でした。
二人の大学教授が妙に持ちあげているのも気になりました。この二人に媚びる様子もいやな感じでした。
なんだかなー、という後味の悪い番組でした。アナウンサー、傷ついたんじゃないかなぁと心配です。
投稿: そらまめたろう | 2008.02.10 10:25
アナウンサー、高校の同級生らしいですね。大阪出身の同僚が教えてくれました。慎太郎に比べるとつまらない喧嘩ばかりしていると思います。
投稿: 管理人 | 2008.02.15 22:44
オバマと言えば、クリントン陣営の持論である国民皆保険制度を実現不可能と批判しているのですよね。それでクリントン陣営が反批判していますけど、今となっては広がりに欠けているって感があります。
国民皆保険制度を認めないってのが所謂"聖域無き構造改革"を支持する側と奇妙に一致していて、一方で社会的統合や平和の大切さ、医療保険改革を訴えている。自分には、米国版の「国民新党」と言うより、小沢民主党のキャッチフレーズと似ているって気がしますね。そうそう。結局与党側に軍配が上がった岩国市長選も、与党側のキャッチフレーズが「生活」だったのでしたね。
投稿: 杉山真大 | 2008.02.26 17:37
オバマ氏は国民皆保険を否定しているわけではないんですよね。ブッシュが否定していることを批判していて、クリントンとはやり方の違いじゃないですか?
オバマの著書読みましたか?社会ダーヴィニズムである聖域無き構造改革派に最も嫌悪感を示しています。もっと社会は協調しあえないのか、ということが繰り返し繰り返し書かれていて、その結果として、家族を大事にしろ、50年代のような穏健な人間はいないのか、権利運動は発言を控えろ、と行ったような表現が出てきます。
となると、国民新党的だと、評価しました。民主党は「聖域無き」の思想に近いです。今回の大統領選においてのクリントンが民主党に近いんではないかと思っています。大統領選に出る前のクリントンは、民主党菅派で、熱狂的に支持する人と、嫌悪感を示す人と真っ二つ、という感じでしょうか。
投稿: 管理人 | 2008.02.26 23:33