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2008.02.03

2/3 日教組教研集会の全体集会中止をめぐる声明・決議等

プリンスホテルの法令無視による被害で、日教組の教研集会の全体集会は開くことができなかったが、そのことに対する日教組の説明文や抗議声明、連合の声明を入手した。

連合事務局長談話

日教組「第57次教育研究全国集会参加のみなさんへ」

日教組「抗議決議」(本記事最後に掲載)

日教組の「抗議決議」では、プリンスホテルを「法治国家にあるまじきこと」と表現しているが、法治国家とは悪法も法という考え方である。日本は憲法で法治国家という考え方ではなく、憲法の精神に反する法は法でないとする「法の支配」という考え方をとっていると言われている。したがってプリンスホテルは「法の支配に背くあるまじきこと」と、もっと強く断罪できるのではないか。顧問弁護士に確認されたらいいと思う。

●日教組はどうしてこうも標的になるのかと思う。

右翼の行動隊の供給源である不良少年や神道系新興宗教にすがらなくてはならない境遇の青少年たちにとって、親と並んで人生に深く関わった人が学校教員で、その多くはインテリで中産階級のモデルのような生活水準で、「進歩的」「文化的」思考をしていたことが、異物として大きな印象を与えているのだろう。「ニッキョウソ」という固有名詞とその発する音感に対する忌避感や被害妄想につながっているのではないか(むかし、ニッキョウソについて真剣な顔で「日本共産党ソ連派?」と聞いてきた人もいた)。ある種、そうした人たちにとって、内実よりも記号化された反応の対象であろう。その風潮に、一部のインテリな右派が乗じているのだろう。
教育が人間を変えるなんて取ってつけた理由にすぎない。サヨク教員がサヨク教育をして社会を左傾化させているなんて、右翼の被害妄想モデルを証明することは限界がある。
不良少年や親の入る新興宗教の影響下にあった青少年にとって、人生で最初で最後に出会う左派系の人が学校教員だったということではないか。

というのも、日教組よりずっと左派的な労組はいくらでもあるし、全く別世界の共産党の全教という教員組合があるが、私の職場の近くに全教本部があるが、記憶では、ここに右翼の街宣車が集団で押し掛けてくるようになったのは、20世紀最後の年か21世紀最初の年からだと思う。それまでは一部の右翼が単発で何かに抗議にしに来るぐらいで、その通りに右翼が来るときは、環境問題で、はす向かいにある土建コンサルタント大手への抗議行動の方が多かったぐらいだ。

日教組にとって、良い境遇におかれなかった子どもたちに、文部科学省の枠組みの勉強させるだけではなく、労働法制や消費者教育、刑事訴訟法など、自分を守れることを義務教育カリキュラムに乗せていかない限り、引き続き、右翼の行動隊の供給源を作るのではないかと、よその労組のことだが、心配したりする。

●連合事務局長談話

2008年2月 1日
日教組・第57次教育研究全国集会(全体集会)中止の決定についての談話
日本労働組合総連合会事務局長 古賀 伸明
 日本教職員組合(以降、日教組)は、本日、2月2日から4日にかけて開催を予定していた第57次教育研究全国集会(以下、教研集会)の全体集会の中止を決定した。これは、会場使用契約を締結していたグランドプリンスホテル新高輪(株式会社プリンスホテル)が会場使用を拒否したことによるものである。今回、1951年から56回積み重ねられてきた歴史ある教研集会全体集会が中止せざるを得なくなったことは、憲法で保障された集会・結社の自由を侵害するものであり、極めて遺憾といわざるを得ない。

 日教組がプリンスホテルと会場使用契約を締結したのは昨年5月であるが、同ホテルの一方的解除通告は11月である。日教組は解除無効を求める仮処分を東京地裁に申請、12月には同地裁が解除無効の仮処分を決定した。同ホテルは異議申立を行ったが却下され、1月16日には同地裁は日教組の使用を認める決定をした。同ホテルは東京高裁に抗告するも、同高裁は1月30日、日教組の会場使用を認め、ホテル側の抗告を棄却し、日教組側の主張が全面的に認められるに至った。
 同ホテルの一方的解除理由は、右翼団体の街宣活動により周辺に迷惑がかかり、営業に支障を来すというものであったが、東京高裁は「ホテル側が日教組や警察当局と十分打ち合わせることで混乱は防止できる」と判断している。

 プリンスホテルは、東京高裁から抗告を棄却され、日教組に会場を使用させるよう命じられたにもかかわらず、三度にわたる司法判断を公然と無視した。このホテルの行為は法治国家としてあるまじき行為として強く批判されなければならず、司法の意義も問われかねない重大な問題である。
 教研集会は、全体集会に3000人、延べ12000人が結集する大集会であり、開催2ヶ月前に代替会場を確保することはほとんど不可能である。
 教研集会は年1回全国の組合員が自らの教育活動の研究成果を発表する場であり、現場からの視点で学校教育の在り方を研究する独自の意義を有することや学校教育を支える存在として日教組の政策活動の柱となっている。同ホテルによる使用拒否はこうした正当な労働組合活動を妨害するものである。

 連合は、正当な労働組合の活動を妨害するいかなる行為も認めるものではない。憲法で保障されている集会・結社の自由と民主主義にもとづく労働運動を守るため、今後とも断固たる姿勢を堅持していく。

以上

●日教組「第57次教育研究全国集会参加のみなさんへ」
 困難な醸成の中、第57次全国教研に参加されたみなさまに、日教組市場初めての全体集会中止に至ったことをお詫びします。
 開催直前まで私たちは、東京地裁・東京高裁の判決でも認められたグランドプリンスホテル新高輪「飛天」の使用を求めてきました。しかしホテル側は最後まで会場使用を拒否し、司法の判断にも従わず企業としての最低のモラルをも投げ捨てました。

 今後ホテル側への損害賠償責任やホテル業としての適格性などの追及は言うに及ばず、この国のありようを問いただし、日本国憲法第21条の「集会・結社・表現の自由」を蹂躙するものへ、司法・行政・立法は断固たる態度を示すよう迫らなければなりません。およそ「先進国」に値しないこうした実態を国際世論に訴えます。そして差別と暴力からの解放へ向けて、政治を糺し社会を変革する大きな力にしていきます。

 私たち日教組は何より子どもたちの幸せを願い、保護者・地域から信頼される教育と差別のない平和な社会を求めて教育研究活動にとりくんできました。そういう私たちのとりくみが、いつまで右翼集団の大音響によって恫喝され、妨害されなければならないのでしょうか。塀やバリケードや厳重な警備に囲まれず、通行証もなしに参加する教研集会が自由に開催できる社会を実現させましょう。

 私たちは必ずや反転攻勢に出ることを決意します。
 そしてたわしたちの先輩が営々と築き上げてきた教育研究活動において、私たちの団結と連帯の力で尚いっそうの成果をあげることこそが、次につながることを確信します。この事態をさらなる躍進のばねにすることを確かめ合い、それぞれの職場・地域から立ち上がり、全国・全世界へと拡げましょう。
 そのためにも今日から三日間の分科会討論が実りあるものになるよう、力合わせをしていこうではありませんか。
2008年2月2日
日本教職員組合中央執行委員長 森腰康雄

●日教組「抗議決議」
 日教組は、第57次教育研究全国集会を東京で開催することを確定し、07年3月、グランドプリンスホテル新高輪に会場使用を申し込み、利用承諾の回答を得て、契約が成立した。その後、両者で実務的な打合せをすすめてきたにもかかわらず、11月になって突然、右翼の街宣行動を理由にして、株式会社プリンスホテルが一方的に契約解除を通告してきた。

 プリンスホテルに契約解除撤回を求めてきたが、聞き入れられず、やむを得ず東京地裁に「仮処分申立」を行った。1月30日、東京高裁は、日教組の会場使用を認め、プリンスホテルの抗告を棄却した。07年12月26日、08年1月16日に出された東京地裁の「日教組に会場使用させなければならない」との裁定に加え、三度にわたる司法の判断である。

 日教組は、これらの司法判断を踏まえ、開催日ぎりぎりの段階まで、全体集会をグランドプリンスホテル新高輪にて開催するべく何度もプリンスホテルに申し入れてきた。しかし、プリンスホテルの会場使用拒否の姿勢は変わらず、ついに「全体集会」中止の決断をせざるを得なくなった。

 日教組は、結成当時から教育の民主化と研究の自由を柱とする教育研究活動を重視し、1951年に第1次全国教研と栃木県の日光において開催し、昨年の第56次まで毎年継続して全国各地で開催してきた。

 全体集会では、今日的な教育課題を共有化するとともに、教育研究の目標を明らかにし、「開かれた教研」をめざしてきた。全体集会の内容を受けた分科会では、一人ひとりの教育実践に学びあい、交流をはかってきた。これらの教研集会は、教育研究の機会として社会的にも幅広く認知され、国内外から高い評価を受けている。

 プリンスホテルの裁判所の決定を無視した今回の態度は、司法制度の根幹を揺るがす暴挙であり、法治国家においてあるまじきことである。また、集会・結社・表現の自由を保障した日本国憲法21条にも抵触し、教育研究活動の自由を妨げるものである。法令遵守が各企業、団体に厳しく求められている今、プリンスホテルの不法行為は断じて容認できるものではない。断固抗議する。

以上、決議する。
2008年2月2日
日本教職員組合 第57次教育研究集会

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コメント

>「ニッキョウソ」という固有名詞

 私は、中学生の頃まで、「教研集会」を「強権的な先生の会」だと思い込んでいました。(笑)
 ブログ汚してすみません。

投稿: たかき | 2008.02.07 09:31

ははは。

それはそうと、昨日の朝日新聞の橋爪大三郎の寄稿、面白かったですね。こうしたことに大衆抗議行動を街頭でできない日教組の村社会思考を揶揄していて、我が身に振り返って反省です。

投稿: 管理人 | 2008.02.15 22:43

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