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2008.02.17

2/17 国土交通省の北朝鮮並みのセンス

ミュージカル「みちぶしん」が道路特定財源の流用として問題になっている。いろいろ考えることがある。

●国が丸抱えで国策宣伝のために芸術活動を利用していることは、北朝鮮のプロパガンダミュージカルを笑えない。北朝鮮に厳しい態度を取るのが国是なら、北朝鮮並みのこうしたみっともないことをやめるべきだろう。さらには、舞台役者が次々に与党応援団に入ったり、与党から立候補するからくりは、税金丸抱えの芸術活動の抱え込みがあるからだろう。

●この演劇、財政的には、道路特定財源の中でやっていることが問題になっているが、そのことを追及すると、一般財源から使うことになるのではないか。国土交通省の宿舎にしてもそう。建設費以外の道路がらみのコストを一般会計の負担にしてますます道路特定財源を聖域化することはなしにしてもらいたい。

●この事例に限らず、税金丸抱えの文化活動が多いように思う。地域で芸術活動をやっている人、市民活動をやっている人、やたら国・県・市の協賛をもらいたがる。それって何なのと聞くと、数万円の補助金をもらうことのようだ。保育園使って税金納めて、市職員に税金泥棒扱いされている身からすると、好きなことやって税金もらっている人に割り切れない思いでいる。行政の手先として市民活動したいのか、と言いたい。
彼らはもっとオブラートで包んだ言い方をしているが、簡単に言うと「いいことやっているんだからカネもらって当たり前だろう」という理屈である。その延長に今回の国策ミュージカルがある。このミュージカルを正当化しているのは国土交通省が主犯だが、道路建設を推進したい業者を中心にした有権者も共犯関係にある。いいこと宣伝するのだからこれくらいのいいことはいいだろう、という論理である。その裏側に、道路建設の推進のために予算を犠牲にされている人たちのことなんか、これっぽっちも考えていない。そういう想像力の貧困さが、いいことやっても利権化と行政の手先にしかならない公共があるのではないか。

●また、国策ミュージカルをありがたく見てしまう背景には、東京とその他の地方との文化格差がとても大きいことがある。地方では映画すら見ることもままならない。献身的な、半ばNPO的にやっている興業主がいる街だけ、何とかマイナー映画が上映されている。それが可能なのは、政令指定都市とその資格を持つ規模の都市まで。演劇に至っては、地方では惨憺たる状況だ。劇団四季の巡業をありがたく見るしかない。政界ルートに劇団四季のタダ券が良く出回っているみたいだし、何か国策のにおいもする。
それ以下の地方の人にとって文化は、テレビか郷土芸能しかない。郷土芸能ったって、もう殆ど断絶していて、今さらナショナリズムやローかリズムが流行しているが、結局褌締めて太鼓叩くしかなくなるか、ヤンキー文化丸出しのよさこい系の祭か、町内会のヒエラルキー丸出しの盆踊りしか、対置する文化がないのはやむを得ない。
それに対して、東京の情報誌系の女は、異様なまでマニアックに絵画や演劇を知っていて煮ても焼いても食えない(セクハラ表現かな)。地方にいる文化系の女は趣味も食べていくこともままならないから、東京に出るか、パラサイトシングルしてしょっちゅう東京に行くしかない。これはどうしたらいいんだろう。ほんとうに難しい。

●蘇民祭が終わったようだ。そのポスターがセクハラだとかなんだとかで一悶着あった。胸毛の生えている男の画像がセクハラというのは、男の胸毛がセクシュァリティーの対象だと告白しているようなものではないか。どっちがセクハラなのだろうか。ほんとうにあほくさい騒動であった。セクハラ表現の定義が、最もフェミ系の人たちが拒絶すべき村社会さながらのムードで断罪されていることに嫌なものを感じることがある。

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