2/11 地方財政の分権が無視し続けられている
●岩国市長選挙で、艦載機基地誘致反対派の現職が破れたとたんに、支払いを停止していた基地交付金の再会を国が決定する。道路特定財源の議論から、基地交付金まで、財政の地方自治や地方分権をないがしろにする議論がまかり通っていることに危機感を持つ。与党の言うことを聞く市長だけが交付金をもらえるような事態は、あまり好ましくない。戦前はもっとそうしたことが露骨に行われていたので、左右のリベラリストは政党無用論につながったことを忘れてはならない。
日本の地方財政調整制度は、第二次世界大戦中に、戦費調達のために税源を地方から国に移管する中で始まっている。それまでは、民政党、政友会の二大政党が勝つたびに、それぞれの勝者が、財政に困窮する地方自治体を補助金で利益誘導を行った。地方財政調整制度は、政党無用論から出てきたものであることを十分認識した上で、戦後も国に依存しなければ地方財政が運営できない状況はそのままにおかれ、自動的な財政調整制度の地方交付税、国の推進する事業の経費負担という意味の補助金、そして国の言うことを聞いてくれたら出てくる交付金を使い分けて、自治体を締め付ける構図がなかなか変わらない。
道路特定財源も、それが国がアメとムチで地方自治体をコントロールするための一つの有効な武器にされてしまっていることを何も議論せず、損得だけの暫定税率と、情緒的な地方切捨て論が対決している構図は、何か間違っている。
●朝霞市も、膨大な借金をこさえて推進する基地跡地利用でのシビックコア構想は、岩国市と同じように国の言いなりの自治体になる状況におかれる危険性を持つ。さらには、本当の危機的な財政状況に慣れていない自治体であるだけに、相当厳しい結果が待ち受けている。市長や幹部市職員たちは住民を人質に教育や福祉の質の低下として我慢を強いてくるだろう。私はそんなことに覚悟できないと思う。
●きょうの東京新聞の山口二郎氏の橋下大阪府知事に対する皮肉は笑った。岩国で敗れた井原氏に、防衛問題に関しては自治体の長が反対する権利はない、憲法を勉強しなおしたらどうか、と批判したことを受けて、山口二郎氏は、それなら大阪府内に沖縄の基地機能をすべて移転させたらよろしい、と書いている。そういう覚悟があって井原氏を批判するならたいしたものだが、基地が移転してきて、こそこそやるぐらいなら、天につばするとはこういうことだ。それとも、俺ならもっと要領よくやる、というたたきあげエリート特有のうぬぼれなのだろうか。
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