1/20 朝霞市議会で議会改革が議論される
18日に、朝霞市議会で市民が提案した市議会改革の請願が議論された。提案趣旨を確認して、各会派が持ち帰ることとして議論は終わったようだ。今後、各会派が前向きに、先進事例などを取り入れながら、きちんとした理念ある議会改革をしてもらいたいと思うし、次の市議選では、この改革への姿勢を、投票の判断材料にしていくように運動したいと思う。
詳しくは基地跡地利用市民連絡会のHPをご覧ください。
請願内容
朝霞市議会の新たな出発にあたり、より「市民に開かれた議会」の実現を目指して「議会改革推進委員会」の設置を請願します。
議会の公正性・透明性を確保し、議会と市民の距離をなくし、市民参加を推進する議会を目指して、市民との恊働により、議会改革の議論をはじめましょう。
1 透明性を確保し、市民にとってさらに開かれた議会を実現しましょう。
2 チェック機能を高め、簡素でわかりやすい議会を実現しましょう。
3 市民の請願権を全面的に保証してください。
4 議会の改革を、市民参加により進めてください。
議論の中で、共産党の斎藤議員が、「請願者からのいろいろな提案提言がありましたが、この請願で、この要項全部をやってくれということではなく、議会改革を始めることが趣旨ですよね。 ですから、この請願を採択した上での検討が筋だとは思いますが、重要な問題ですから慎重な取り扱いが必要です。議会改革を進めるスタートになるのではないか。」と発言していたが、この課題の市議会のおかれた状況を的確に表現していると思う。
前半部分の「全部やってくれということではなく」ということは、この請願が実現するためには、この請願内容ですら値切りしないと市議会では合意できない、と評価されたのではないか(共産党が議会改革に後ろ向きか前向きかということではなく、保守系会派は値切ってでも通すために前向きに検討したらどう、という発言だろう)。
後半部は野党議員が紹介議員となって提案していることから、政治力学で否決とされることになるのだろうが、この請願を議会改革のスタートとして、議会でじっくり議論して着実に検討すべきと言っている。
後半部分については私も同感である。このことが確認されないと議会改革など行われないでお茶を濁されてしまうだろう。そういう意味では、提案者に拙速さを感じざるを得ないと思っている。
議会運営は、多数派会派の横暴(つまり議場の中ではファシズムや少数者への抑圧をさせない)を許さないためにできるだけ全会一致で進めることが求められている。議会改革はよりたくさんの議員の、嫌々ながらでの同意が必要で、その手続きを提案者が踏んでいるのかやや疑問である。提案者本人または紹介議員からの保守系会派の議員への根回しがなければいいようにつまみ食いされたり否決される可能性が高い。この市は、抽象的に良いことを提案すると、へんてこな論理で歪曲されて制度化されることが多かったことも気をつけるべきだ。そのことのデメリットは検討されているのだろうか。市民への啓発なども不十分で、外野からの圧力も不足しているように思う。
私と仲間は、市議選を控えた昨年秋にシンポジウムを開いて、議会改革のたちおくれを市議会の問題として提起した。言論の府としての議会の回復のため、自治体議会改革フォーラムの高井章博さんに、議員どうしの自由討論、情報公開、市民の参加が必要だと、お話をしていただいて、この改選された議会の4年間は、議会改革も大きなテーマではないかと思っている。新座市が暫進的に、和光市が体系的に議会改革に取り組むこととなっている中、朝霞市だけが都内や周辺自治体との立ち遅れ(つまらないことだけども傍聴席と議員控え室の間にガラスのドアがあって施錠されていたりもする)、制度未整備が目立ち、市役所の施策に市民合意が欠如したものが多い結果となっている。
そのような状況の中で出された請願としては内容も少し課題があると思う。
自治体議会改革フォーラムなどが、地方自治法や現行の自治体議会の標準的な運営を調査して限界と改革の要点を整理したものがあるが、そうしたものをふまえたものとはなっておらず、また、いささか抽象的である。議会が好きなように解釈して手を打ち、改革したとお茶を濁される可能性だってないわけではない。
●紹介議員の田辺議員が、周辺自治体の改革の状況を視察に行きましょう、と提案したのに対して、冷ややかであったという。地域福祉計画の策定作業で感じたが、新座市や和光市の福祉行政に学ぶべきことは多いのに、市職員も市議会も無視していることが多い。わずかな電車賃で行けて地域事情や住民気質もよく似ているところなのだから、もっと謙虚に学び取ってほしいと思う。他の自治体の良い政策を、真似して比較して改善していく過程なしに、市長の公約である「埼玉一の自治体」など絶対に作れないと私は思っている。
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コメント
昨年、議会運営委員会のオブザーバー委員として出席していたとき、委員会での視察の話になり、議会改革を進めている和光市に話を聞きに、といったところ、お隣とはとんでもない、和光市に対して失礼だ、などとわけのわからない理由で却下されました。
結局、和歌山県橋本市に定数削減と一問一答方式の視察に行ったようです。
どちらも、和光市はじめ、周辺各市でやっていることばかり。
投稿: shimin | 2008.01.21 00:21
隣の市の良いところを直視して学ばない人たちが、遠くの自治体を見に行っても、何の肥やしになるのかよくわからないですねぇ。ただ公費で旅行に行きたいだけじゃないですか?
小泉純一郎を評価する数少ないことの1つに「わけのわからないようなことを言う人」を徹底的に排除したことです。
和光市への視察を拒む理由など、腹に何かあるかのようなわけのわからない論理です。
和歌山の橋本に行くお金があれば、県内や都内自治体の先進事例をその10倍は見に行くことができるはずですよね。
投稿: 管理人 | 2008.01.25 22:59
最近会議の事務局に対し何か言うたびに
「福祉に関わる職員が減員されるので、直営は難しい」と言われます。
誰かが裏で動き回っている気配は感じるのですが、ちゃんと決まるまで姿を現さず、決まった時には口を挟む余白はない・・。
近くの鶴ヶ島市で「鶴ヶ島市議のはじめの一歩」というのがあったそうです。
http://www.city.tsurugashima.lg.jp/gikai/top.htm
投稿: m | 2008.04.21 07:31