1/15 都市部でも土の匂いを感じて政策を作ることはできる
わが選挙区の早川代議士のブログで、地方出身議員の生活密着感について語られている。私も同感だ。
国土交通部会の地域公共交通小委員会で、「地域公共交通の活性化及び再生に関する法律の一部を改正する法律案」を審議したことについて、土の匂いのする政策だと評価している。
最後に、
土の匂いのする国会議員でなければ、なかなかこんな知恵は浮かばないだろう。少なくとも、私は、自分自身の切実な問題としてこんなことを考えたことが無い。だから知恵も浮かびようが無かった。
この法案の取り纏めに当たった関係議員や国土交通省に、今日のところは、脱帽だ。
とまとめている。非常にいい感性だと思う。
しかし、こうした感覚は都市部と言われる埼玉4区管内でも気づこうと思えば気づく。
私は、政府のCo2削減の方針に従っているかどうかわからないが、自動車も持たないので、15キロ近い子どもを担いで1.4キロ離れた保育園をほぼ毎朝毎夕通っている。幸い駅から遠くないところに住んでいるので、電車で1駅乗って通っている。
うちの近くには2時間に1本しか来ないバス路線がある。この路線は市役所以外の朝霞市の主要な生活関連の公共施設を沿線に持っている。駅は階段だらけだし、子どもを誘惑する商業施設でいっぱい。バスを使って送迎をすると本当に楽だし実は速い。家事をしたり、子どもと本を読んだりする時間が15分ぐらいだが余計に確保できる。
しかし、車庫の入出庫にあわせて運行しているので2時間に1本しか来ないし、朝の通勤時間帯には来ないので保育園の送りには使えない。もしこの路線の本数がもう少しあれば、市内の保育園の選択肢も大きく増える。私が子どもの頃はこのバス路線も、1時間に1本はあり、車庫に入らずともその手前の駅で折り返ししていたりして、もう少し便利だったように思う。そのバス会社のキャッシュフロー会計を改善するために、どんどん本数を削減されたように思う(最後はバス会社を分社化して運転手を転籍させ、給与カットをしたという)。
首都圏というだけで土地が高いので、保育園や老人ホームの用地取得が郊外になってしまう。そのため、公共交通しか交通手段を持たない人や、朝の保育園の送りにマイカーを使えない都内に通勤する保護者などは、ほんとうに苦労している。
一時預けた認可保育園で出会った保護者は、3人兄弟を同じ保育園に入園させるために、やむを得ず、自宅と正反対の方向の郊外の保育園を選ばざるを得ないと言って登園していた。
バスで朝霞駅まで出て、電車でひと駅乗って、そこからまた1時間に1本あるかないかのバスで保育園に通わせている。当然、保育園から出勤先に向かうにも、また1時間に1本のバスを寒風吹きすさぶ朝霞市の郊外のバス停で待たなくてはならない。川越に職場があるらしいが、自宅を出て、川越駅に着く頃には、保育園の送迎さえなけけば30分でできることを、2時間かかっていると言った。
公共交通が崩壊しているのは、都市部でも起きていることなのだ。
こうした地域固有の政策は国会議員が取り上げるべきことだとは思わないが、朝霞市議もこうした問題を腰を据えてやらない(自分の地域にバスを通せという利益誘導はやるけど全市的なバス網の整備を考えている議員など皆無に等しい。ほとんどがマイカー族だし)。市役所のお金を使ったコミュニティーバス路線の誘致が関の山で、それをやるから路線が長距離で複雑化して、使い物にならないコミュニティーバス路線ができあがる。
土の匂いを感じる課題というのは、都市部でもきちんとある。しかし都市部では、地域交通というと通勤電車の便利さか、道路建設しか政治家も有権者も目が向かない。それ以外の人は自転車やマイカーに乗ればいい、という感覚もある。そうした街づくりから取り残されるのは、交通弱者や、自転車の運転をできない子どもを抱えている人たちである。
政治家自身も首都に近く、新聞の地方欄も地域情報を大切にしないため、テレビに出られるイデオロギー先行の政策課題ばかりを政治家が語りたがるために、感覚として、地域交通のことなど後回しにされがちである。
●朝霞市の保育園が必要性の高い保護者ほど使えないようなかたちで入所決定がされるのは本当に謎である。でも16時台にマイカーでお迎えに来る保護者も結構いて、どうなってんのよ、と思うことばかりである。いろいろなことが考えられるが、議員に頼んだり、就労証明書を都合良く書いてもらっている人がいるという証言を聞いたことがある。そんな人の入所決定が横から割り込んで優先されているなら、必要性の高い保護者は使うことができない。入所審査では家庭訪問ぐらいやるべきだろう。身動きも取れない保護者にお金がかかっている保育園なのだと言い放つぐらいなら、市役所もそれくらいの手間を惜しむなと思う。
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コメント
そう言えば、自分とこにもコミュニティーバスが走っているんですけど、市町村境が入り組んでいて自治体が違うと全く止まらないんですよね。しかも彼方此方寄り道する割に、ホントに買い物で行くようなショッピングセンターとかには寄らないし。
で、こういうコミュニティバスとかスクールバス・企業バスが走っているのとは裏腹に、本来の公共交通機関の役割を果たしている路線バスが削減されるのですから、何のためのコミュニティーバスなのか訳が解りませんね。本当に公共交通の利便を考えるなら、自治体内で囲い込まずに他に幾らでもやり様がある筈なのに・・・・・
投稿: 杉山真大 | 2008.01.15 23:18