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2007.12.08

12/8 昨日、基地跡地利用計画勝手に決めら将来負担がどっさり

昨日、基地跡地利用整備計画について、国と朝霞市の計画がまとめられた。しかし計画がまとめられたと言っても国家公務員宿舎を建設するということ以外は何一つわからない話のようだ。
しかも、市職員がアイディアもないくせに、国の職員に事業補助のおねだりのオンパレードだったという。みっともない。90年代前半の過疎地の自治体の失敗をもう一度やっているようだ。

見返り施設も、一体何が建ち、どのように使われるのかわからない。公共施設の名のもとに税金で建物が建設され、その半分ぐらいは朝霞市の借金としてのしかかる。これが朝霞市が地方交付税をもらっている自治体なら交付税にある程度加算されるようだが、朝霞市は地方交付税をもらっていない富裕自治体なので、半分は自己負担になる。
そして、その1階部分は商業施設に貸すことになるらしい。

PFI方式という、リースとレンタルを組み合わせたような方法で事業が進められるので、市民には毎年のリース料の支払が要請されるが、事業を途中で中止すればリースと同じで、買い取りを要求される。もし借り手がつかなかったり、建設費が水増しされてもチェックができない。ただ毎年、PFI事業の負担金としてのしかかってくるだけである。

第1に考えなくてはならないのは、本来、小泉構造改革の中で、国家公務員の特権廃止として行われた国家公務員宿舎の一部廃止を、(私はしなかったが)国民の多くは拍手喝采して応援したはずである。それが23区じゃないという理由でどうして朝霞に押しつけられなくてはならないのか。全く理解できない。しかも、朝霞の宿舎の建設で国家公務員宿舎の総戸数はかえって増える結果になったし、既存の国家公務員宿舎の土地は、不動産デベロッパーに格安で払い下げられ、建設費の一部は財務省理財局の官僚や族議員に還流し、まさに改革の顔をした焼け太りと言ってよいだろう。

第2に、国家公務員宿舎の建設は来年に始まることになっている。おそらく国は建設を強行し、市は反対住民を学校や町内会などを使って抑圧にかかってくるだろう。それがかつて市長が属していた故渡辺県議派の流儀である。もしそれがスタートしてしまったからといって諦めてはいけない。見返り施設が朝霞市に多大な財政負担や借金をおしつけることになる。
この事業については、今のところ、使途も設計図も出ていない。まだ引き返せるところまで2~3年は時間がある。財務省にとっても計画をひっくり返されたら面白くはないが、財務省自体にメリットの少ない「見返り」事業でしかないので、これは市長を変えるなり、何なり、まだ白紙にひっくり返したり、規模縮小をはかる時間がたくさん残されている。

反対運動の中でも原理主義的な人は、国家公務員宿舎の建設反対一点張りで運動を進めている人もいるが、計画がまとめられてその上で市長は今任期中に事業をスタートさせようとすることから、二枚腰、三枚腰の勝負をしなければ、最初の国家公務員宿舎建設の着工で運動は無力感にとらわれる。

基地跡地利用に関して、国家公務員宿舎以外のことでも市の一方的な計画をまき直させることはいっぱいあるし、朝霞に家やマンションを買ってしまった住民のための行政サービスを低下させないためには、市役所にいくつものハードルを越えなくてはならなくなるような課題設定を行い、市の計画によってもたらされる朝霞市民の実害を少しずつ削り落としていく努力が必要だろう。

●和光市の松本武洋市議が、深夜の有楽町線の本数を増やすことを求めて、東京メトロにメールを出し、東京メトロから返答が来ている。
次回ダイヤ改正に考慮に入れたいという官僚的答弁だが、昔私が個人的に同内容で書いたメールよりいい回答。さすが市議さん。
それでも2008年6月まで待てというのか、という思い。23時台の15~20分間隔があく時間帯に、1本追加するダイヤ改正ぐらい、すぐにはできないものだろうか。
それはともかく、基地跡地の利権でうごめくこの街の市長や市役所と、街に住む人のために役に立つことのために働く市議がいる和光市とついつい比較してしまう。通勤電車のことは関係ないと言えるけど、市民のために働く市役所になりたいんだったら、朝霞駅に止まる電車のことばかりでなく、市民の多くが使う交通機関については、市外の部分のことについても要望・要請ぐらいやってもらいたいと思う。

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コメント

>深夜の有楽町線の本数を増やすこと
増発で増収増益とはいかないばかりか、和光止まりとそれ以遠までの運転では東武東上線との関係がぜんぜん違うと思います。

>すぐにはできないものだろうか。
東京メトロも和光止まりでいいなら和光市議には何とかいい顔ができそうですが、それ以遠に関しては東武がおいそれと首を縦に振るとも思えず、そうそう可能性があるとは思えませんが。

投稿: ゴンベイ | 2007.12.10 17:34

有楽町線が本数が少なくて大混雑する→5分以上遅延して和光市に到着する→東上線がずーっと和光市で接続待ちをしている、という意味では、有楽町線が和光市まで増発するだけでもありがたいものです。

それと、深夜時間帯の成増どまりの東上線の各駅停車を志木まで延長するだけで混雑はずいぶん緩和されます。

東上線の複々線化は有楽町線が志木まで来るという意味で行われたものですから、今のような消極的な相互乗り入れはいかがなものかと思います。本線(伊勢崎線)と日比谷線の乗り入れの本数を見ると何でこんなだろうかと思ってしまいます。

東武にメリットはないのかも知れませんが、こんな劣悪な輸送環境を放置していると、いつか住宅価格が下落して、沿線はスラム化すると思います。

投稿: 管理人 | 2007.12.10 20:21

本線(伊勢崎線)はターミナルが浅草という中途半端なもので、日比谷線/半蔵門線の乗り入れによるアクセッシビリティーが北千住(曳船)-浅草間の減収を上回るメリットを東武にもたらしますが、東上線の場合はターミナルが池袋で、乗り入れによるアクセッシビリティーのメリットはかなり長い営業キロである和光市-池袋間の減収の大きさを埋められるものではないと思います。
近々開通の副都心線が絡む4線相互乗り入れのダイア編成もあり、開通直前での和光市以遠の相互乗り入れ本数の増加は望むのはやはり難しいと思います。
新線敷設の筋は京王線と都営新宿線のようにターミナルである池袋で東上線に接続してもおかしくないようなものです。憶測に過ぎませんが、有楽町線は西武池袋線に、副都心線は池袋で東上線にだけ接続しての相互乗り入れという青写真が水面下の政治的暗闘でおかしくなったのかもしれません。

投稿: ゴンベイ | 2007.12.11 00:10

もともと東上線は副都心線との直通だったはずなのですが、副都心線の開通と西武線の複々線化の遅れが同じように進んで、東上線の複々線と有楽町線の開通が同時並行で進んだことがねじれの原因だと思います(実際に小竹向原駅で線路と運転本数がねじれています)。
東武鉄道にとっては、輸送力向上の工事をせずに混雑緩和と朝のラッシュ時間の高速化をしようと思えば、副都心線ルートをもっと使ってもらうようにしなければならないと思いますが、今の直通の本数では、なかなかそういう誘導は進まないと思います。朝や夕方のラッシュ時間の直通電車が少なすぎたり、朝は、一番混雑する時間に直通電車が20分もなかったりむらが目立ちます。

投稿: 管理人 | 2007.12.11 21:06

東上線と副都心線とが池袋接続での直通とならなかったのは、東武・根津vs西武・堤の争いで堤が勝利したからかもしれませんが、それに埼京線の乗り入れ工事のタイミングなんてのもあったのでしょうか。
いずれにしても現状では東武に直通運転列車増発をさせるようなインセンティブもモチベーションを起こさせるようなものも無さ過ぎかと感じます。(朝霞基地跡地への国家公務員住宅建設こそがやる気を起こさせる?(笑)

投稿: ゴンベイ | 2007.12.12 19:41

東京都民の公務員バッシングのツケを払わされ、見返り施設でさらに借金を背負わされる朝霞市民として、せめて色魔での有楽町線直通電車の大規模な増発ぐらいなければ、国家公務員宿舎の入居者の乗車拒否運動でもやりたいものです。
毎朝、宿舎の前に街宣車をつけて、時々の国政の問題を批判し、駅前では「東上線を使うな!」というキャンペーンのビラまきを繰り返そうかと思っています。
それぐらいしないと、安心と景観を奪い、地元政治家や有力者がたかる利権のネタをばらまいて、市民に多大な負担の押しつけ、地域社会を分断した顛末を、許す気持ちがおきません。

投稿: 管理人 | 2007.12.12 20:01

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