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2007.12.29

12/29 朝霞市議会・基地跡地利用計画への住民投票を否決

午前中、市議会の傍聴に行く。選挙後開かれた、12月議会の最終日。

①先決処分(本来は議会が判断すべきだが、業務遂行のタイミングと議会が合わなくて議会が開けない場合に市長が代理判断してよいとされている事項)の承認の審議では、朝霞駅の駐輪場の管理業務の委託契約について公明党の篠原議員、共産党の石川、斎藤議員、市民ネットの田辺、藤井議員が、委託決定の判断材料、委託費の積算根拠を明確にせよと問いただす中で、市側は、終始具体的な報告を出さなかった。

②補正予算の審議では、ごみ処理場のプラスチック分別ラインの建築費の補正が出されていたが、これが財政処理上、異例づくめのことで、公明党の篠原議員が批判していた。また共産党の石川議員、斎藤議員は、業者決定がプロボーザル(コンペ)方式で決められたが、その基準が不透明と批判。市側は明確な回答がなかった。ここでは、四小などの公共建築でたびたび出てきている、業者が応札辞退するという問題があったようで、どうも朝霞市は公共建築をする際に、業者から応札辞退されると、はいはいと予算をつけて発注価格を上げているようで、公共建築の請負業者のカモにされているのでなはいかという感想を持った。私も、十分に審査過程、審査基準、審査結果が情報公開がされないプロボーザル入札は実質随意契約であり、不正を排除しきれず不透明ではないかという感想は、市立保育園の民間委託のときに感じたことである。

③人事案件では、人権擁護委員は全会一致で承認。ただし小山議員が、挙がっている人の是非ではなく、人権擁護委員の任期について質問。上田県知事が県の人権擁護委員は4年で入れ替えると言っていることをどう思うか、と市長に問いただす。ナイス。
監査委員2人のうち、議員枠の1人については無記名投票に持ち込まれ、賛成16対反対6で佐野昌夫議員が選ばれる。監査委員がもともとの市長出身会派の議員でいいのかと思う。

④最大のヤマ場、基地跡地の利用計画案に対する住民投票条例については、無記名投票で、賛成9対反対14で否決。4月までの間で住民投票が行われる見通しが無くなった。提案者は田辺議員。ただし、賛成の票読みは6~7で、残りの2~3がどこから出てきたか不明。逆に賛成票の基礎票は7になるはずが6票しかなく、派手な選挙公約を反古にした議員がいるという噂も流れている。運動団体は真偽を確かめた方がいいと思う。

議案への質疑で、明政会(旧民主クラブ)の小池議員が「コストがかかるのでなはいか」という質問をする。田辺議員は「500万~2000万の範囲でおさまる」と答弁。小池議員が「それについてお金がかかるのではないか」と質問。しかしねぇ、基地跡地の計画は、総額で400億、見返り事業の市の負担分でも200億行くんじゃないかと言われている事業だけに、民意を確かめるコストは、微々たるものじゃないかと思う。
続いて同じく明政会の須田議員が「争点として市議選が行われ終わったのだから議会で判断してもよいのではないか、地域によって温度差があるのではないか」と質問。田辺議員は「38%の投票率の選挙で民意を反映できたとは思えない。市民の意見も十分にくみ取っていないから、投票をやる意味がある。温度差については、巨額な財政支出があるということで、影響は全市民的にある」と答弁。
共産党の斎藤議員からは、タイミングがどうか、という質問があった。これは私も同感だと思った。

総括討論では、最大会派進政会の野本議員が反対の立場から、①住民投票は否定しないが、②もう少し論点を整理し検討する案件である、③住民説明会、市民アンケート、パブリックコメントをまつべきだろう、④議会は執行部をチェックすべき立場にあり、住民投票は責任放棄だろう、議会制度を否定するものである、⑤議会は有権者の意思を代表する場と認識しており、住民投票は不要である、と発言。①~③ぐらいでとどめておけばいいのに、①と④⑤では矛盾する発言だと思った。何より、野本議員の政策ビラ見たが、何も具体的な公約が書かれておらず、精神訓みたいなものが公約として書かれていて、これで選ばれて市民の前で、自由に代理権を行使されてはかなわないと思う。
藤井議員、小山議員、斎藤議員から賛成討論が行われ、藤井議員は、巨額な支出を伴い、市民の長年の関心事だけに、市役所だけで決めるのも、市議会だけで決めるのも問題があるから住民投票は必要と発言。小山議員は、市民と市役所が対立する結論になりそうなときの解決の手段として住民投票は有効、そして市長が原案が正しいと思うなら、堂々と住民投票にかけて信を問えば不毛な議論は回避できる、パブリックコメントで計画案を修正しないと言い続けてきた市役所に、市民は何も軌道修正をかける場がない、住民投票しかないだろうと発言。斎藤議員は、住民投票条例を必要とする事態になったことが残念、みんなで基地跡地の利用を語り合い、合意をつくるべきだったのが、パブリックコメントでも軌道修正をしない、ゾーニングはコンクリートしたというなら、住民に判断を仰ぐしかない。全市民的問題である、と発言。藤井議員が適切。気になったのは斎藤議員が住民投票という手段が提案されたことは残念という受け止めである。共産党はやはり今でも住民投票に後ろ向きなのだろうか。

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コメント

黒川さんこんにちは。小山さんもかなり議会でがんばっているみたいですね。わたしは今、「市民じゃ~なる」に小山さんの選挙活動を含め、朝霞基地跡地問題についての原稿を書いています。勉強不足でわからない部分も結構あってきついー。こちらのブログも相当参考にさせていただいています。
しかし、傍聴席と議員控え室の間にガラス戸があってロックされているって、ホントですか。思わずあきれて噴き出してしまいました。さいたま市議会や県議会にはよく傍聴に行きますが、本議会や委員会傍聴の後、議員に話を聞きに行くのは普通のことですよ。基地跡地問題で敏感になってそうなったのか、以前からそうだったのか。それにしてもヒドイですね。

投稿: 小高真由美 | 2007.12.29 18:45

基地跡地の問題、未解明なことが多いです。
市役所が具体的な情報を出しません。コンサルタントが市の代理を騙って、国と勝手な約束をあれこれしてきたようで、そのあたりに市役所や市議会の咀嚼不足もあるようです。

傍聴に何のために行くのか。おとなしく話を聞いてはいはいではなくて、休憩時間、議会の開始前後の時間に議員と意見や感想を述べあって、議論の質を高めるためでもあると思います。何より、議員は市民の一員ですから、有名人としての危険性以外の部分で、市民との隔たりはなるべく少ない方が良いに決まっています。

投稿: 管理人 | 2008.01.01 07:28

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