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2007.12.18

12/17 アリコに業務改善命令が出ていた

アリコが金融庁に業務改善命令を受けていたことが明らかになった。通販の医療保険の広告で不当表示をやっていたということだ。保険金を満足に払いもしないのに「誰でも入れる」というような宣伝をしていたことが問題になったのたろうか。

保険の仕組みは、保険料の総額から営業経費を差し引きいた額から、保険金が支払われる。営業経費かかかっている保険は保険料の割に保険金か少ないし、誰でも入れる保険なら、支払われる保険金は少ないか支払われるチャンスが少ないということになる。誰でももらえる一時金というのは、それを差し引いた本来の保険部分に充当される保険金か少ないということになる。安定した運営をしたい保険なら、病気になりそうな人、死にそうな人をできるだけ排除すればよい。テレビや新聞、雑誌に広告を派手に打ってお金を使い、営業経費をかけながら、だれても入れる、一時金か出るとやっていれば、困ったときに払われる保険金は相当絞られると考えるべきだろう。
社会保険ですら「払った分の年金」なとと言っている国においては、ちちんぷいでみんなか払った保険料以上にお金が出てくる仕組みなと、民間保険にはまずない。

なぜ悪質な外資系保険かのさばってしまったのか。その裏側にアメリカ商工会議所による日本の保険行政に対する猛烈な介入がある。

今、金融庁は、アメリカ商工会議所のいいなりになっている。もっとも対米従属がひどい官庁である。
そして、今進められていることは、日本社会で、同業者、同僚、同じ問題を抱えた人どうしなどさまざまな人間関係に根っこを張って運営してきた共済・互助会に対する保険業法適用である。その一方で外資系保険業者の不埒な営業を野放しにしてきた。

もちろん共済・互助会でも、オレンジ共済のような問題になった共済もあって一定の規制は必要ではある。しかし今日金融庁がアメリカに言われてやっていることは、こうした共済・互助会に必要以上の規制をかけ、必要もないリスク管理のために金融でメシをくっている人の食い扶持を増やすこと。そのことにより共済・互助会を高コスト体質にすることを義務づけ、共済・互助会の経済的優位性を奪おうとしている。結果として大資本の保険業者の集中と寡占化が進む。規制緩和の世の中の流れとは逆行していると言ってよい。

共済・互助会の中には、既存の保険業者では中間コストがかかりすぎて運営できないものや、知的障害者の家族会が運営している共済のように、既存の保険業者がリスクを把握できないからと門前払いをしてきた人たちが、やむにやまれず始め、あれこれ工夫して何とか運営してきたものも多く、共済・互助会規制の強化は社会問題化する様相も孕んでいる(知的障害者の家族会が運営する共済の場合、民間保険にやってもらうと保険料が2倍になるということだ)。これまで共済・互助会を運営してきたこうした団体が、制度を維持しようとすると、大手保険業者に運営を委ね、その営業機関にならざるを得なくなる。しかしその営業機関になろうとすると、その資格を取り、維持するために多大な労力を必要とするようになる。そのことでの当事者運動の方が共済の運営維持に時間をさかれることになる。

アメリカ商工会議所にとっては、日本社会を維持してきた、社会団体の存在と、その中での経済的互助活動を一気に破壊できる夢のような作戦である。

ところが、アメリカが押し込んできた保険業者はどんなことをやっているのだろうか。テレビ広告を一日中流して、「誰でも入れます」「必ず一時金がもらえます」とおいしいことばかり言って、金融コンプライアンスで加入者審査が厳しくなっている日本の保険業者が萎縮し、金融庁の締め付けにより事業廃止か維持かで揺れる共済・互助会の間隙をぬって、営業を拡大している。
それで万一のときに保険金が払われればいいが、規約約款には、不払いが不払いにならないような条項がいろいろ書かれ、もちろん不払いやっておきながら、法律上は不払いとして問題にされず、保険料詐欺に近いような問題が起きてきた。

しかしやはり、そうした悪行を重ねてきたアメリカ系保険業者も、公正取引委員会から排除命令を受けていたのだ。しかし、そのことはマスコミに全然報じられず、今回、ようやく金融庁が、業務改善命令を打って、ちっちゃな記事で紹介されているだけなのだ。

そりゃそうだろう。10時から18時まで、一日中テレビ広告枠を買い取られれば、マスコミはその会社に頭が上がらない。だからトラブルが起きてもニュースにしにくい。大問題でも記事を小さくする。毎日新聞記事に目を皿のようにして見ている私も、アリコが公取に排除命令を受けていたとは、全然気づかなかった。

以前も田原総一郎のサンデープロジェクトの広告主が社会問題を抱える企業が多かったではないか、と書いたが、テレビ広告は販売促進というより、金銭によるマスコミ対策と言った方が本質を捉えている。分不相応にテレビ広告を出さない企業は、マスコミの批判にさらされるし、企業体力を超えるぐらいテレビ広告を打っている会社というのは、消費者や社会に何か問題を抱えていると考えた方がよい。

アリコ、業務改善計画を提出 広告審査強化
2007年12月18日00時34分

 外資系生命保険大手のアリコジャパンは17日、法令順守関連部署の強化などを図る業務改善計画を金融庁に提出した。同社は、通販向け医療保険の新聞広告の不当表示で公正取引委員会から排除命令を受けたほか、パンフレットで虚偽や誤解を招く表示があったとして金融庁から業務改善命令を受けていた。

 責任の明確化を図るため、日本での代表者の高橋和之氏ら3人が報酬の30%を3カ月間返上する。そのほかの幹部10人も報酬の5~25%を1カ月返上する。

 改善計画によれば、アリコは法令順守関連部署を増員し、広告やパンフレットの審査体制を強化する。約700種類あった通販用のパンフレットなどもチェックが行き届くように約200に減らす。

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コメント

そう言えば、「辛口評論家」佐高信氏が『サンデー毎日』連載のコラムで日本独特の"相互会社"形態による生保の閉鎖性とそれによる弊害を指摘していた一方で、外資系については好意的な見方をしていたんですよね。

「辛口」の佐高氏でさえ、外資は兎角株主や当局の規制がシッカリしていてオープンで公正という幻想を持ってしまうのが、日本のいわゆる「サヨク」の限界って気もするのですが。だから『週刊金曜日』に木村剛の連載が載っちゃうんだよなぁ・・・・・(嘆息

投稿: 杉山真大 | 2007.12.18 18:23

相互会社というのが中途半端な存在であることは否めませんし、制度開発した最初の理念から遠ざかって、お手盛り民主主義の会社になっているということは言えると思います。でそれがダメだからと、株式会社なら安心かというと、それはそれ、これはこれの問題点があるわけです。

共済・互助会だって、健康というプライベートな問題を、母体となる生協、労組、業界団体、当事者団体など社会団体の役員や活動家と共有しながら運営しなければならないわけで、そこはそこでのクリアにならない問題もあるわけです。

佐高氏の批判は正しかったと思いますが、外資をヨイショしたのは蛇足ですね。

それと、新自由主義思想の普及のベースには、ありとあらゆる負担増にパブロフの犬のように反応してきたいわゆる「社共・新左翼」たちの主張に根元があったわけです。あのとき消費税を導入しなければ、介護保険料を入れてなければ、今より小さな政府になっていて、保育は今の半分、介護など今の10分の1程度のサービスしかなかったでしょう。

私など、消費税騒動のときに大学生、その後のNPO的リベラルの時代を新社会人、壮年期に入って新自由主義の時代に入り、これらが一連の思想の発展系であることを確認できる人物が何人か周囲にいます。
ときどきまともな人がいて、軌道修正をはかりながら新自由主義の軍門に下らなかった人もいますし、消費税騒動などにかかわらずまじめに保守をやりながら新自由主義に今いるきちんとした人もいますが。

投稿: 管理人 | 2007.12.18 21:05

>新自由主義思想の普及のベースには、ありとあらゆる負担増にパブロフの犬のように反応してきたいわゆる「社共・新左翼」たちの主張に根元があった
つまり全ての負担増は結局エリート官僚や利権屋に使われる(か、軍備拡張になる)し、官僚機構を徹底的に弱めればみんなハッピーって幻想な訳ですか。そう言えば今や華々しい"平成革新官僚"とか"改革派エリート"って、学生時代にそんな思想持ってたのが多い気がしますね。結局は自分たちが権力を握って"改革"する側に立つと、今度は自分の方に利益誘導し始めた。こんなのなら、まだ"観客民主主義"の方がマシって気もするよなぁ。

>消費税騒動のときに大学生、その後のNPO的リベラルの時代を新社会人、壮年期に入って新自由主義の時代に入り、これらが一連の思想の発展系であることを確認できる人物が何人か周囲にいます。
そう言えば、戦前も学生に左翼→転向して社会人になったら右翼ってのも結構いますよね。二の轍を踏んでいるってことなのか!?!?

投稿: 杉山真大 | 2007.12.18 22:40

先の統一地方選挙で共産党が地方への税源移譲を大増税と大騒ぎして反対していたので、県の政策委員会に抗議の電話をしたことがあります。そのときに、社会主義のはしくれにある政党が大きな政府に賛成ではないのか、と質問したら、共産党の政策担当者は、必ずしも大きな政府がいいとは思いませんねぇ、と答えました。びっくりでした。
彼らが税金を取られたくないという気分を蔓延させ、そこに新自由主義が登場したわけです。
日本のサヨクが、新自由主義を否定しながら、ありとあらゆる増税を否定し減税を歓迎するという大きな政府を肯定できない矛盾した態度を取るのは、世界的にも奇異な態度ですし、論理矛盾でもあります。
戦後、日本では社会民主主義政権が行うべき経済政策の立場を吉田学校門下生たちがやってしまい、そのアンチテーゼとして、財政規律については自民党岸派の流れとともにサヨク政党の側が求め続けた経緯があるからです。さらには、戦中の赤字国債の乱発が、トラウマみたいになっていたことともオーバーラップして、赤字国債=戦費調達というイメージをもってサヨクの中で語られ続けたことにあります。

投稿: 管理人 | 2007.12.18 23:12

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