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2007.12.15

12/14 30年前の菅vs江田三郎対決から社民主義のこだわりを自省

中断しながら「政治家の人間力 江田三郎への手紙」を読む。

毎日新聞の論説委員から四街道市議になった田中良太さんの寄稿文の中に興味深い引用があった。
引用元は石川真澄の「人物戦後政治」で、のちの社民連結成につながる保谷市の小学校体育館での江田三郎氏と菅直人氏の討論会のエピソード。江田氏と菅氏が直で会ったたった1回のこの討論会が、社会党を離党した江田三郎氏と、市民運動からの政治参加を真剣に考えていた菅氏やその周辺の当時の青年との合作となり社民連が結成される。その社民連の理想の多くが今の民主党の上澄液となっているかと思うと、かなり大きな歴史的事件だと思う。

「(菅)江田さんの考えは、私たちとそんなに違わないことが分かりました。しかしそれなら江田さんはなぜ〈社会主義〉なんですか?あえて社会主義と言わなくても、その考えは現代の日本に通じるはずです」
江田氏はちょっと口ごもった。「なぜ〈社会主義〉と言われてもねぇ・・・・・・。私は戦前からの社会主義者なんだよ。そういう、心情的と言われても、心情といいうものも、ありますよ」
私は菅氏の会ったのはこの日が初めてであったが、この時、ものおじしない三〇歳の若さが六九歳を圧倒したと思った

田中良太氏は、菅氏が酷なことを要求するものだと思ったと述懐した文を本書に寄せている。この江田三郎氏の気持ちが痛いほどよくわかる。

私がも政治にかかわろうと思い始めた中学生のときは、野党第一党は社会党であった。その頃どこで拾ったものか手元にある社会党のパンフレットには、西ヨーロッパを中心に、首相や大統領を務める社会民主主義政党の党首たちが刷り込んであり、明確に政権を意識したものであった。当時のイミダスには多数の社会主義用語が掲載されており、その中に世界中の社会民主主義政党のリストと、党員数と政権参加の状態が記載されていた。私の中では、もっとも多感な時期に、先進国に住む人間として、対抗軸は社会民主主義である、と刷り込まれている。

その私が、原則的な社会主義など現実政策に使えないということもわかり、資本主義経済を全面肯定しながら分配の問題に着目した社会民主主義が、ケインズ主義経済で政策運営をしたところスタグフレーションを経て、そう簡単に社会主義の代用品にも、資本主義の問題を解決する便利なツールでもないということも承知してしまっている。また、90年代以降の参加型社会、分権型社会、そうしたものが社民主義の理想に近いものとしてありながら、我が国では社民主義者の専売特許でもないし本家でもないということも承知している。

今の若い左よりの子たちと飲んだりして、彼らの前で、言っていることも理想も、具体的な政策も近くていい気分になっていても、私が社民主義者であるなどと宣言すると、時代の遺物を見るような視線を投げかけられることがある。それは社会主義に何のこだわりもない30歳の菅直人氏に面した江田氏の気持ちに近いものがある。
この保谷市の討論会での江田氏の感覚が最近よくわかるのだ。

しかし社民主義も何も基礎的な思考、思想のないまま、政治的な人間が、社会的な弱者に同情しても、格差社会を嘆いてみても、何かペラペラな感じがしてならないように思う。これは思想を持つと自覚している人間の驕りかも知れない。
でも、民主党の中堅・若手議員で、ただ群れて政局作りばっかりに明け暮れているようなのを見ていると、糸が切れた凧だなぁと思うことがある。
昨日まで菅直人を批判して小沢にすり寄っていたと思ったら、小沢氏が自分たちを重用しないとわかると、途端にみんなで融通がきかないとひきずり降ろした岡田氏を引っ張り出して小沢批判にあれくれたり、何の一貫した理想も思想も定見も感じられないでいる。
そこには格差社会だとか、貧困だとか、構造改革の矛盾だとか、そういう話はただの添え物で、自分たちがのしていくためだけのツールに過ぎない。主義を持っている人間にはとても恥ずかしくできないことだと思う。

そうした無思想な政治参加がもたらす現実の醜さに翻弄された経験を何度も体験した菅氏は、最近は、政治参加には、何か運動経験が必要じゃないかとしきりに訴えている。思想まで持てとは菅氏は言っていないが、何か自分を突き動かす体験やこだわりが大切だと感じているのだろう。その菅氏の気持ちもわかるような気がする。菅氏の引き立ててきた若手議員がどのようになっているのか見渡すと、そういうことなのだろうと思う。数少ない優秀かつ忠実な弟子であった山本譲司元代議士も、つまらないことで検察に逮捕され、刑務所で見た現実から、政治家より意味のある仕事を見いだしてしまっている。

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コメント

逆に政策実現第一だから、政局に走りがちになるってことなんじゃないですかね。私見ですけど。政策さえ実現できれば自民党でも民主党でも、果ては右翼でも左翼でも何でもありってことなのでは?

最近では"運動"も特定党派色を出すのは極力控えてるし(でないと、「プロ市民」とか陰口叩かれちゃうかも知れないし)、兎角"当局"と協調しようって雰囲気が満ち満ちているっての見てると、こんな見方もあながちハズレだとは思えないのですが・・・・・

投稿: 杉山真大 | 2007.12.16 19:46

社民の民主合流を提案 小沢代表、有力労組幹部に(12/30)(共同)
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/68516.html
>社民党幹部は「野党共闘を呼び掛けておいて、党の吸収を考えるとは失礼にもほどがある」と拒否する考えを表明。
甘くて暗い見通しのままでは足許を見られても仕方がないのだが、、、。

自治労と日教組が連合に加わったのも、裸の単騎では自民党からの攻撃に耐えられないとの「寄らば大樹の陰」という思惑で、この動きにより政治主体としての市民層の創生に期待した社会市民連合を支えるべき勢力が消滅し、中道?・右派の民主党の誕生に力を与えることになった。「将を射んとすれば馬を射よ」で、小沢の策謀は当然ではある。

投稿: ゴンベイ | 2007.12.30 20:28

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