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2007.11.03

11/2 歴史のねじを歪める人たち

昨日の大連立騒動を受けて、加藤紘一が、政治が停滞するから中選挙区制に戻せ、などと言っているようだ。

中選挙区制は、戦前、普通選挙制を導入するときに、どの政党にも過半数を握らせず、政策中心ではない選挙をなるよう意図して、内務官僚が作った制度である。出自においては決して民主主義の多様性を認める制度などではない。

選挙は何が大切かというと、今までいる政治家を政治家にしなくすることである。田中角栄が最も象徴的であったが、中選挙区制では汚職や不正ぐらいでは全然落選しないから、政治がおかしくなったのではないだろうか。今、中選挙区制に戻したら、政治家はまた官僚によきに計らえということを始めるだろう。薬害問題など、永遠に蓋をされることになるだろう。小選挙区制を中心とした選挙制度の弊害を言う前に、中選挙区制時代に、官僚による不祥事が闇から闇に葬られ、問題解決が先送りされ続けたということを指摘しなくてはならない。
わが陣営でも、こういう言い方は良くないが、小選挙区制になって、中選挙区制時代には大きな候補者供給源であった労組幹部はなかなか衆議院選挙に出なくなった。労組の人事調整のための指定席ポストとしてはあまりにもリスキーであり、求められる人材像も、安定したルールで動く世界の中で調整をうまくできる人ではなく、有権者の半分に×をもらわないよう行動できる人になった。全然違う能力を要求されるようになったからだ。

加藤氏が、政治が動かないというのは、自民党一党支配が続くことを前提にしているからであり、諸外国のように政権交代がありうることを前提にして政治システムを運用すれば、むしろ中選挙区制の方が問題になるのではないかと思う。そもそも加藤氏が小泉政権のまっただ中で離党していれば、いまごろこんなねじれは解決していたであろう。自らの力不足を棚に上げて選挙制度のせいにするのは、我田引水もいいところだと思う。

●すっかり倦んで引退してくれたかと思ったテサロニキが復活している。反小泉ブロガー同盟とやらを作り、トラックバックか何かで群れる運動をやっていた。そうして取り込んだ左派ブロガーを煽りたてては、あそこが違う、ここが違うと仲間うちで誹謗中傷を繰り返すので、鬱陶しいのだ。責任がないから、何言ってもよいし、組織責任もないという、匿名でやる言論活動の限界だと思う。テサロニキが使っている写真の肖像権ってどう処理しているんだろうかも気になる。不必要にイメージ画像として使っているから、なおも悪質だと思う。匿名だし、直通メールも明確にしていないから、抗議のしようもないのだろう。

テサロニキの書き方で私が憤るのは、山口二郎氏に対するデマにもとづく誹謗中傷である。
民主党の菅派と真ん中からちょっと左ぐらいの人たちに影響力があり、中道左派勢力のシンクタンク的な北大法学部の中心的研究者であるので、そこに何か傷を付けたいのだろう(テサロニキの行動パターンは有名人に対するコンプレクスと同じ思想的傾向を持つ人への嫉妬だ)。事実でもないことを次々に事実であるかのように書いている。小沢とつるんで政治改革をやり、新自由主義に左派を売り渡したというような書き方である。

90年代、山口は政治改革を是としながら、小沢一郎の考え方、手法には冷ややかだった。小沢にすりよる社会党議員を止めながら政界再編に導いた功績を全く無視しており、テサロニキのレッテルはほとんどデマである。丸山真男を研究したり、マルクスがどうのこうの言う人間の知性だと思えない。

山口二郎が90年代どんなことをしたかということは、左派陣営にいればおおよそ記憶にあるものだが、小沢に左派を売り飛ばしたり、あるいは二大政党制をめざしたなどということは言っていない。今はそれほどでもないが、自民党でもなく、古い社会党でもなく、小沢でもないスタンスはどのように形成できるか、ということに苦労したことである。
テサロニキの山口二郎批判は、小泉批判から左派になっていったような人たちが90年代の左派の動揺と変化を全く知らないかうろ覚えなことをいいことに、デマを根拠に行っている。テサロニキの山口二郎氏への評価は全くのデマである。当時の雑誌で、社会党内抵抗勢力と、小沢に憧憬する勢力とを両断しているものをしっかり読んだ方がいい。

山口氏が小沢一郎を評価したのは、あまりにも反動的な前原党首が辞任して以降である。小沢氏が党首になって反前原的スタンスを貫徹させてからの評価である。二大政党制も、国内において小選挙区制を基軸に社民連の思想を色濃く反映した民主党が野党第一党になり、彼自身がイギリスの留学中にイギリスの政権交代を経験して以降である。しかしそれ以降も、支援するのは民主党菅派を中心としたグループであり、小沢自由党の合流を受け入れることについては、厳しく批判を続けていた。

それより、先日の記事で、田中康夫に激励メールをもらったといって感涙たっぷりの文章を書いていたのに、田中康夫こそ小沢一郎べったりだということを無視するものだろうかと思ってしまう。

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コメント

はじめまして。たしかに、田中康夫をベタボメしながら、
小沢一郎を批判する”欺瞞”に自ら気がつかないのか、不思議に思います。
小沢一郎にメールするように言っときます。言えたらですが。

投稿: ぐら虫 | 2007.11.04 17:21

冷蔵庫の裏で、エサを待っているごきちゃんみたいですよね。
今度は長妻昭を党首にだって。ほんとう、テレビに毒されているんだなぁ。長妻氏の社保庁叩き(最近は少し叩き方が変わったように思うが)って、結局何を生産的な議論にしたのか、未だに私はわからないでいます。
公的年金が貯金であるかのような間違った本質を伝えてしまったのも長妻氏ではないかと思うのです。結果として、年金がますます保険料を払いたくても払えない人につらい制度になっていくのだと思います。
長妻氏は優秀だと思うけど、テサロニキが批判している新自由主義者じゃないのかなぁ・・・。

投稿: 管理人 | 2007.11.07 23:55

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