11/27 町内会主催の市議選に問題提起をする
江田三郎さんの死後30年を記念して発刊された、北岡和義「政治家の人間力江田三郎への手紙」を購入。北岡さんのほか、菅直人、土井たか子、榊原英資、山岸章、塩田潮などが江田さんのエピソードを寄稿している面白い本である。
北岡氏の執筆した部分を読む。大学時代、社会党史の研究をしていた私は、雑誌に投稿されていた北岡さんの文章に魅せられ、どんな人か会ってみたい思いをしていた。偶然手に入れた北海道出身の政治家の広報誌が面白くて、いったい誰が編集したのか確かめてみたら、発刊当時に秘書をしていた北岡和義さんだった。
北岡さんの兄上の孝義さんと一時期、同じフロアで仕事させてもらう機会があった。組織と人情の人であったし、多数派が俗論で流されるときには、果敢に少数派として信念を貫く人であった。
●そういう美談の後に、朝霞市議選の下品な話をして申しわけありません。
昨日のブログで書いた町内会役員が市議選の票のとりまとめをやっているという問題について、朝霞市に見解を文書での回答として求めるメールを送った。文章は以下の通り。選挙期間の終盤や、選挙後に回答をするのでは全く意味がない。早急な回答を求めたい。
-----以下メールの本文-----
早川忠孝代議士のホームページにおいて、町内会が市議会議員選挙の特定候補の支援に走り回っていることが書かれています。
http://ameblo.jp/gusya-h/entry-10057196328.html
「この難しい選挙に挑戦している保守系の候補者やそれぞれの陣営を支えている町内会の役員の皆さんには、自然と頭が下がってくる。」
町内会・自治会役員が個人として、その知人・友人に特定の候補者を応援することは構わないことと思いますが、町内会役員という立場を使って市議選で特定の候補者に投票のよびかけをすることは問題ではありませんか。
町内会・自治会が完全なメンバーシップで成り立ち、税金の補助などを受けていなければどこの誰を応援しようと構いません。しかし、町内会・自治会にはさまざまな市役所による加入促進が行われ、市役所による便宜を受けている以上、構成員の力だけではなく、市役所の力を使って特定の候補を支援しているようなものです。
朝霞市は、自主防災組織は町内会と定義し、町内会・自治会に入らないと災害時に行政や地域社会からの庇護を得られないかのように市民に広報をしています。一戸建て住宅の住民は町内会・自治会に入らなければ広報あさかの配布やごみ回収も保障されないことになっています。そういうかたちで自治体による加入促進を受けている団体が、特定の候補者の支援活動を行っているということは問題だと思います。この点について、町内会・自治会を管轄する部としての見解を求めます。
また町内会・自治会は、広報の配布などさまざまな市役所の末端業務を委託するかたちで補助金を受領している団体のはずです。自治体の補助を受けている団体が選挙で特定の候補の選挙の集票活動をやっていることの是非については、公職選挙法上の問題はないのでしょうか。町内会・自治会を管轄する部と、選挙管理委員会の見解を求めます。
そして、町内会・自治会を管轄する部として、市議選にあたってこうした町内会役員の行動に注意喚起をすることがあるのか、回答を求めたいと思います。
高齢社会に備え、町内会・自治会の役割は少なからずあると思いますが、支え合いや福祉活動などが逃れられない町内会・自治会活動の中で票との取引で行われるとすれば、非常に残念なことです。
-----メール以上------
町内会とはもともと戦中の隣組。公職選挙法の前身の普通選挙法、治安維持法などと同時代の生まれ。後ろ暗い影を気にしている自治体では戦後、町内会を解散したところもある。世界各国でもコミュニティーはあっても、町内会のような中途半端な地域組織はあまりないようだ。逆に北朝鮮には、日本の置きみやげの隣組をパワーアップしたものがあるらしい。旅行の申請などもここを最初に通さなくてはならないという。
話を戻し、選挙に関わると、日本の政治構造が1930年代後半(つまり昭和10年代)からあまり変わっていないということがわかる。その枠組みのままGHQによる戦後改革や、95年以降の市民社会への諸改革をやっていることが、政治や選挙の空洞化につながっているんじゃないかと思う。
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コメント
入間市でも同じで、自治会(朝霞の町内会のこと)の納会・総会に大物衆議・県議が来賓として招かれて挨拶する。
そして、市議選が始まると、自治会の役員たちが分担して、チラシを配りながら、市議候補者の「後援会」へはいるように戸別訪問します。
そのことに、有力者と関係のない市民は「何さ」と反発していても、近所づきあいがあるので、仕方なく名前を記入していてる、というのが実態ですが、どうひいき目に見ても、姑息な、見逃すことの出来ない問題です。
貴兄の公開質問状に対する「選管」の回答に注目しています。
がんばってください!
投稿: 田中洌 | 2007.11.28 12:23
市選管は県選管に再問い合わせして違法ではないという回答です。私も公選法のテキストをひっくり返しましたが、やはり違法ではなさそうです。
市職員は玉砕させたように思っていることでしょう。
しかし、それが野放しでいいという話はありませんよね。地縁団体というのは、生活にささりこみ過ぎていて、逃げようがないですからね。
しかしそんな運営を続けていれば、きっと若い人たちからそっぽを向かれます。町内会・自治会というシステムと別システムを考えるか、それらの近代化がほんとうに求められます。
投稿: 管理人 | 2007.11.28 21:59