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2007.11.28

11/27 町内会が市議の後援会の下部組織になっても問題ないらしい

昨日の、市役所への町内会と市議選に関する問題の問い合わせに対する回答が来た。
私の問いかけは3点、その質問と回答の要点は、
①市が加入促進と育成をし補助金を支出し、防災やごみ処理などでそれなりに市民生活を左右する存在である町内会が特定候補に対して集票活動をすることについての問題は?
【回答】問題はない
②市が公金支出している団体が選挙運動することについては公職選挙法で合法か?
【回答】公職選挙法違反ということはない。
③選挙の公正さという観点から、町内会役員等に町内会組織を利用した選挙運動をしないよう注意喚起しないのか?
【回答】注意しない。

どう考えても、行政が公金を支出し、防犯や防災や、ごみ処理で培養している組織が、特定の候補の選挙運動をすることはおかしいし、そういうことを克服していかないと近代的な自治会・町内会のあり方を模索することにはならないのではないだろうか。
町内会が選挙を強要してきたとき、マイノリティーである公明党、共産党、社民党の党員たちが、それを拒んだために不利益を蒙った場合、どういうことになるのだろうか。市役所職員に憲法の感覚がなさすぎる。それら党員たちが、町内会の選挙を拒んで町内会から不利益な扱いを受けて、憤慨して脱退したときに、防災やごみ収集が別途手当されるのか、問われることになると思う。

逆のこと言うと、公明党や共産党が町内会役員を掌握してしまえば、集票組織にしても問題はないという回答でもある。

ここで、町内会による選挙運動で選ばれる市議が大半になる弊害を指摘しておきたい。
町内会による選挙運動で選ばれた市議が大半を占めると、街灯を付けたい、といった要望に始まる小地域の要望を反映させることが市議会議員やその集団である会派の価値判断の大半を占め、朝霞市の大きな問題に判断能力を失うということにある。要望を聞いてもらうためには、大きな問題で市と対立することは、まずは次の選挙までの間の票田培養のために世話焼きをどうしていくか、という優先課題を持つ議員にとってデメリットでしかなく、避けたいからだ。
結果として、基地跡地利用という大型公共事業をどうするかという問題では、大多数の朝霞の市議とその候補は財政問題や都市計画な、市民参加の観点で疑義がありながら何も判断しないまま、市長、市役所の暴走を追認してしまっている。

もちろんその大多数の市議の中には、積極的に基地跡地の市のやり方を是としている人もいるし、逆に本心では市役所の暴走をゆゆしき問題だと感じている人もいる。しかし大そういう個人の考えが政治的意志となって、議会行動に反映しているかというとそれはほとんど見られなかったことは、こうした細かい要望反映活動に熱心なことと裏腹の関係にあるだろう。

-----以下回答全文-----
黒川 滋 様

 このたびは、貴重なご意見をお寄せいただき誠にありがとうございました。次のとおり回答いたしますのでご了承ください。

 本市におきましては、第4次朝霞市総合振興計画の中でコミュニティ活動の推進を位置づけており、地域・自治コミュニティの醸成のためには地域住民による自治コミュニティづくりが大切であると考えております。この考えに基づき、地域の基幹をなす町内会・自治会に対しまして、その活動を支援するため運営費補助金を交付しているところです。
 ご指摘をいただきました自治体の補助を受けている町内会・自治会が、選挙で特定候補者を支援することにつきまして、選挙管理委員会では、公職選挙法第136条の2でいう「公務員等の地位利用による選挙運動の禁止」にはあたらないと解しております。  
 また、町内会・自治会を管轄する市民環境部といたしましても、町内会・自治会の長や役員は、当該団体において主体的に決定された方であるため、問題ないものと考えております。
 最後に、担当部として市議選にあたって町内会役員の行動に注意喚起をすることがあるのか、でございますが、市民環境部としてご注意を申し上げたことはございません。

 以上のとおりでございます。
朝霞市
市民環境部地域づくり支援課
選挙管理委員会
-----以上回答-----

●貴重なご意見という言い方がいつも癪にさわる。これはあなたは少数派なんですよという役所言葉である。
本当に感謝するつもりがあればこんな言い方にはならないと思う。

最近、このメールが「市長へのメール」から、「市への要望・ご意見」に変わった。トップが市民の意見に向き合うという姿勢は後退したものだと思う。どんな人の市民座談会にも出張っていく新座の須田市長と比較してしまう。
しかも冒頭に「市に対する建設的なご意見・ご要望などを受け付けています。」などという言葉がつき始めた。建設的という条件を付けた意味は何だろうか。余談だが、朝霞市には、建設的などという言葉に象徴されるように、市役所のご都合主義の価値観からほとばしる言葉が公文書に入りすぎる。
この建設的という言葉は、市の不当な業務、不公正な業務、不正とは言えなくても問題の多い業務のあり方に異議申し立てすることは本筋ではないと宣言しはじめたものと考えざるを得ない。

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コメント

>小地域の要望を反映させることが市議会議員やその集団である会派の価値判断の大半を占め、朝霞市の大きな問題に判断能力を失うということにある。要望を聞いてもらうためには、大きな問題で市と対立することは、まずは次の選挙までの間の票田培養のために世話焼きをどうしていくか、という優先課題を持つ議員にとってデメリットでしかなく、避けたいからだ。
>結果として、基地跡地利用という大型公共事業をどうするかという問題では、大多数の朝霞の市議とその候補は財政問題や都市計画な、市民参加の観点で疑義がありながら何も判断しないまま、市長、市役所の暴走を追認してしまっている。

何か、これって小選挙区になって以降の国会議員・殊に農村部の国会議員に当てはまる話にも聞こえてきそうですね。建前としては政策論争とか奇麗事を言っていても、その実政策実現のためという大義名分のために与党志向になってしまう。それが自民党に於ける総主流派志向・野党の一部に於ける準与党志向・更には地方自治に於ける「総与党化」・・・・・根っこは同じとこにありそうな気がしますね。

そうそう。殊に世論受けする定数削減とかでも自治会とか町内会のボスが一致団結して要求、ってのが多いんですよね(自分の地元の茨城県なんか町内会長より権限が強くて役所との関係も深い区長会があって、時には区長会が力を振るって議会とかを解散に追い込んでいるんですよね)。議員については予め俺たちで調整つけて決めるから、言う事聞けって暗黙に脅している気がするのは自分だけですかねぇ?

投稿: 杉山真大 | 2007.11.30 01:33

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