11/15 広報あさか、人権週間の記事の半分が「えせ同和にご注意」
市役所の広報が届く。
人権デー、人権週間の案内の記事、半分が「えせ同和にご注意」。呆れる。
もちろん「えせ同和」というゆすりたかりには注意しなくてはならないが、そんなことは一般市民に関係がない。注意が必要なのは、市役所と公共事業を受注する土建屋ぐらいだ。
人権啓発ということでは、障害者差別、男女差別、子どもの人権侵害、患者の人権、労働者の人権、いじめ、パワハラ、などなどさまざま課題は残されているのに、千年一日、「えせ同和にご注意」とは、朝霞市役所の人が人権を考えるときに、どのようなものの見方に力をおいているかがよくわかる。
今日の「格差社会」と言われる社会問題は、古典的な同和差別とか、男女差別というカテゴリー的問題を超越して、そもそもの普遍的な人権問題に直結していることが大半だ。
子どもの人権なんか考えないから保育所の待機児童を放置できたし、今でも学童保育は満員電車状態になっている。障害者の人権なんか考えたことないから、いつも障害者をカテゴリー分けして管理する発想しか出てこない。福祉のオンブズマンの話も全然進まない。生活保護受給をしなければならない人が、市外に難民のように流れていったり。労働者の人権について十分認識がないから、資本主義の論理と奴隷労働を混同するようなこともある。
そんなことを放置するのは、人権を語る人間はゆすりぐらいにしか思っていないからだろう。えせ同和の被害者は主に市役所や土建屋であり、市役所が、一般的な人権侵害や、人権保障から置き去りにされている人の対応よりも、こうしたインナーサークルにいる人たちの課題が優先している、という感覚の証左でもある。
※このことは一年前にも同じことを書いた記憶がある。朝霞市は人権週間にえせ同和対策しかやっていないのだろうかと思ってしまう。
●「レモンをお金にかえる法」という絵本を、小学生のときに読んだ。レモネード屋を開いて小遣い稼ぎする子どもたちを題材に資本主義の経済原理を見せていく本だが、この中には労働経済や、労働者の権利がきちんと折り込まれている。市場原理のメカニズムの中に、労働運動がきちんと存在していることを教えるにもいい題材だ。起業だ、ビジネスなんちゃらもいいけど、世の大半の人は給与所得者なんだから、そういう人の生活に根ざした人権保障をこの街ですすめてほしいなぁと思う。
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