11/12 情報を入手する権利の保障
シンポジウムの準備で、いろいろ市議候補さんの連絡先や経歴を調べているが、ホームページもなければ、電話帳も出ていない人が結構いて、いったいどういう風に自分を宣伝しているんだろうかといぶかしくなる。駅に立っているのも、原山さんがよく立っていて、神谷さんの息子さんがたまに立っているけど、それ以外は見ない。
おととい、地域社会の有力者の方に会う機会があったので、市議選の情報ってどう入手しているの?と聞いてみたら、知人の噂以外ないという。私の家がマンションだから遠慮しがちに入ってこないのかと思って、戸建てにチラシが入るか聞いてみたら、投函も公明党と共産党と、たまに市民ネットのが入ってくるというだけで、全然入ってこないという。
そんなので候補者はどうやって選挙やっているのだ!と思う。
立候補届だけで、投票所のポスターと投票所の名前だけで選挙をやっているとは、驚異だと思う。投票所のリストだって、みんな無所属で、誰がどんな人かという手がかりすら与えてくれない。「広報あさか」も議会報告は匿名記事しかない。議員の賛否なんて誰も情報提供してくれない。
そういう公開性のない選挙で選良を選んでいる自治体は、議員が持ち込んでくる話はコネ関係の頼み事しかない。だから権力を経由しない「余計な声」が苦手で、対応能力がなく、批判拒否症的体質を持っている。意志決定がとても閉鎖的なシステムになっている。市内の小学校の安全性の問題で、当該校の保護者が教育委員会に苦情を言ったところ、校長から抑圧がかかったとか、そういう話はいとまがない。そういうことをやっていてはこの街は本当の話が公のテーブルに出てこないから進歩しない。本当に不満を抱えたら、近くに他の自治体がごまんとあるから、転出されていくだけになる。住民のニーズの水準がそもそも低いから、行政サービスが低レベルでも住民の満足度が高いという、足立区のような現象が起きてくる。
そんなことを考えながら、週末のイベントの作業をやる。苦手な宣伝を先にやらなくてはと、ちらしまきに夕食後歩き回る(自分は市議選の候補者よりも熱心だと思う)。
政治家のつながりが深いと言われているデベロッパーのマンションに入ったら、「ちらしお断り」と管理組合名で大きな看板が貼ってある。でもこのマンションまだ建ったばかり。これはきっとデベロッパーが「気を利かせて」管理組合を名乗って先に貼ったのだろう。
住民は、プライバシーだとか、不審者の侵入だとか、美観がどうだとか、そういうものからデベロッパーが守ってくれていると思っているかも知れないが、ぴんくちらしが入らない以上に、地域の政治家の情報、地域の市民運動の情報、地域のお店の情報が入らなくなる。そうすると、そこのマンション住民は地域情報から隔絶され、誰に何を物言っていいかわからなくなるため、発言力が実質的に奪われるということになる。期せずして税金と管理費だけ取られるだけのカモネギ住民になってしまうことになる。
でも、マンションを買うというのは、ほとんどの人は借金もこさえるわけで、少なくとも2~30年は住むことになる。それなのに地域情報が入らなくしてしまうというのは、後から何かおきたときに、大変になるのではないかと心配してしまう。少なくとも、朝霞市はマンション住民に胸襟の広い地域社会ではない。せめて情報の入手ルートぐらい確保しておかないとと思うのは余計なお世話だろうか。
私が理事長をやっていたとき、マンションのちらし投函を禁止していた管理人にやめさせた。管理組合が合意もないのにマンション住民の情報入手ルートを遮断する権利はないと思ったからだ。情報を得られない権利と、ちらしを処分する手間を比較すれば、ちらしを処分する作業の方がはるかに問題が少ないと思うからだ。ぴんくちらしや危険物の投函は別途警察が取り締まる法律がある。
ちらしの投函禁止より、管理組合がたたかわなくてはならない相手は、問題住民の対応から計算根拠がはっきりしない請求書まで、もっともっと多い。
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コメント
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時々覗かせてもらってます。
ウチのマンションにもシンポジウムのチラシ入ってました。
18日、都合がつけば行こうと思います。
確かに市議会の情報はほとんど無く、駅前の米搗きバッタか投票所のチラシしか情報無いですもんね。
それでもせめて投票にだけは足を運ぼうと毎回行っているのですが、やはり賃貸暮らしの場合は投票に行かない知人も多いですね。
こういったイベントから情報公開の輪を拡げていければいいのですが・・・・
投稿: まっきち | 2007.11.13 12:54
シンポジウム開催の件、私も行ってみたいと思います。でもマンションのポストには、チラシはまだ入ってきてないもんで、場所と時刻がわかりません。よろしければこのブログに載せていただけないでしょうか。
時々このブログ読ませていただいて、市内の情報を知る次第です。今度の選挙に当たっても、朝の通勤時、朝霞駅北口にいる人を見て、立候補予定者なのかなあとうかがい知る程度です。本当に情報不足です。これじゃあ新人はどうやって自分をアピールすれば良いのでしょうか。
また、現議員だって、市の広報の議会便りにすら名前が載らず、活躍の実態を知ってもらえず困るだろうにと思うのですが、大半の議員さんは困るどころかその逆のようですね。やはり、市民に知ってもらうだけの活動をしてないのでそれがばれるのが怖いのかなあ。
投稿: 朝霞のチャリダー | 2007.11.14 13:20
90年以降、投票率が大きく下がっています。そのことに安住している選挙をしているとしか思えません。
議員報酬も少なく、優秀な人材が流れ込まないというのが朝霞市の状況です。額面年収は700万ぐらいですが、サラリーマンより高い国保料、国民年金、議員年金保険料などを払って、選挙積立なんかやったら、新入社員並みの手取りしか残らないようです。その結果、公明党や共産党以外は土地持ちの息子しか立候補しないことになります。そして、結果として、新住民は自らの意志を託す候補がいないという状況になります。
もっと市議さんたちには自己主張をして、宣伝して、朝霞市の課題を浮かび上がらせてほしいと思うのです。そこには保守も革新もないと思っています。
投稿: 管理人 | 2007.11.15 01:35
きょうも歩く: 8/28 マンションでの政治ビラ配布は無罪
http://kurokawashigeru.air-nifty.com/blog/2006/08/828_d1e5.html
↑↑↑が東京高裁でひっくり返されました。↓↓↓
東京新聞:政党ビラ配り逆転有罪 『高裁に憲法ないのか』 被告僧侶怒りあらわ:社会(TOKYO Web)
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2007121290070900.html
なごなぐ雑記: ある朝、目が覚めると
http://miyagi.no-blog.jp/nago/2007/12/post_8bda.html
投稿: ゴンベイ | 2007.12.12 12:02
自由主義社会の前提を否定する判決でひどいものです。この判決を、被告が共産党関係者だと彼岸のことだと思っていると、ろくなことにはならないと思います。
またマンション住民のセキュリティー(大した裏付けのないものですが)重視でこの判決を歓迎する人も少なからずいるんでしょうが、地域社会の情報を入手し、責任をもった大人として判断して、せめて行動する、とくに投票行動をするということのための情報が入らなくなるわけで、これで十分な情報をもとにマンション住民は市民としてのいわゆる「責務」を果たせなくなっていくため、二級市民化の扱いを受けるということを覚悟しなければなりません。
投稿: 管理人 | 2007.12.12 17:36