10/25 朝霞基地跡地の問題で陳情を打診してみたけども
民主党の幹部クラスの役員に、朝霞の基地跡地に超高層国家公務員宿舎が建つことについて、陳情の打診をしたところ、「選挙区総支部が賛成しているんじゃねぇ」とやんわり逃げられる。うーん、この党の「税金の無駄遣い一掃」って理屈、最初から崩れている・・・。党内基盤の弱い幹部だから、自分ところの派閥に所属していない選挙区候補者にあれこれ言いにくいのかも知れない。
余っている公務員宿舎を、職場に近くもない場所に新たに建てるなんてムダの最たるものではないか。
社会には子どもを保育園に入れられれば働けるお母さん、介護サービスが十分に受けられれば野たれ死ななくても済んだお年寄り、産婦人科の緊急入院を断られて死産をしてしまう産婦、そんな税金の恩恵で自立と社会の再生の担い手になることを待っている人がいる。同じ税金をムダ遣いするにしても、優先順位があるのに、どちらかというと保育園に預けようとしているお母さん、介護保険を利用しようとしているお年寄り、緊急入院になってしまった産婦の方が、社会的非難や、日本的な自己責任を強調する因果の理屈で、ムダ遣いの対象として糾弾されてしまっている。朝霞の国家公務員宿舎建設に政治がブレーキがかけられる話は一向に聞こえてこない。こういうことに出くわすたびに、政治など、キックバックで動く程度のものだと思ってしまう。
民主党のメカニズムについても考えさせられる。衆議院の候補者になってしまえば、その地域のことに関して、民主党やその周辺では誰よりも偉い存在になってしまう。その地位を手に入れるために、選挙に大して強くもないのに選挙の神様と言ってみたり、有力政治家に取り入ったり、政治ニートたちは虚飾をちりばめて公認獲得に血道を挙げる。
そうして選ばれてきた陣笠候補者は、党の基本的な考え方や、政策の作風と平気で矛盾することをやれる。やっても党も党幹部も手も足も出ない。朝霞の民主党支持者の不幸はここにある。菅直人や、鳩山由紀夫や、枝野幸男や、原口一博や、馬淵澄夫をイメージして投票した人が、全く反対のことやっている人たちを勢いづけることになっている。基地跡地問題がその象徴的な問題である。
そうした矛盾した民主党総支部を持つ地域の課題については、民主党の政策に合致している主張なのに、代議士を支持する選挙区の有力者たちだけの都合で吸い上げられないというとんでもないことが起きている。ソ連共産党の地方組織が、地域や職場で滅茶苦茶なことやっても、モスクワが「機関を通して苦情を言え」と聞かなかったような話でもある。
もっとも民主党は選挙で選ばれた議員だけで作られている政党なので、そういうイメージと実態に矛盾を抱える選挙区については、自民党候補者に投票して落選させてしまえばいいということも言えるけど、自分の選挙区の候補が1つ1つの考えについてどのようなこと言っているか、マニアックに政治を見ている有権者などたくさんいない。この私でも、自分の選挙区の民主党候補が何言いたいのかほとんどわかっていない。知っているのは、お百姓さんのことに詳しいということと、後援会のちらしに兵器や軍艦の写真がいっぱい使われていることだけである。自民党候補の善行の方がよくわかるけど、これまたマニアックな人しか知らないことだったりする。
選挙区の政治家の情報収集について、有権者の自己責任に押しつけるのもいいけど、政党の自浄作用が必要で、支持者から複数のルートで陳情を受け付けられる制度や、苦情申し立ての制度を整備する必要を感じる。政党なんてレッテルに過ぎないんだから、有権者がわかりやすく判断できるようにしなければならないと思う。製造物責任と言ってもよい。
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