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2007.09.22

9/22 千年一日ばかの1つ覚え

役所の臨時・非常勤職員の人たちと打合せをする。

●経済財政諮問会議なんてものがまだあったかのと思ったが、規制緩和ちちんぷい神話の八代先生が、首相もいないのに報告書を虎視眈々とまとめている。
内容は相変わらず、仕事と家庭のバランスという口実のもとに、「働き方の多様化」「看護や介護、保育の外国人の就労要件の緩和」を求めている。
彼らの「家庭と仕事のバランス」という大義名分によって行ってきたことが、この間、労働環境の悪化や低賃金労働の蔓延というかたちで現れ、若者が家庭を持てない持たない副作用を生んできた。このことの反省なしに、「家庭と仕事のバランス」なんて言葉を信じてはいけない。

「働き方の多様化」では在宅勤務の時間管理の緩和を求めているが、言葉は綺麗だが、実質は過酷な内職の容認となりかねない問題を抱えている。この間、八代先生のパラダイス言語は、何の技能もないが誠実に働くことができる一般労働者を直撃して、雇用におびえる派遣労働者、日雇い派遣、偽装請負など社会問題をまきちらしてきた。「在宅勤務」なんてアットホームな言葉で語られているが、なぜ時間管理の緩和が最初のテーマに上がってくるのか、しっかり眉唾付けて監視する必要があると思う。

「看護や介護、保育の外国人の就労要件の緩和」も外国人差別やそれにもとづく低賃金労働を前提にしたものだろう。負担あってサービスなし、あるいは満員電車のような安かろう悪かろうサービスにしないために、これらの職場で働く人たちの待遇改善が課題になっているのに、それをさせないために低賃金労働者を突っ込む腹づもりだ。
経済財政諮問会議の面々は、国民負担率を抑制することだけが経済活性化と信奉している人たちだからこんな結論ばかり持ってくるが、必要な負担を回避するつじつま合わせばかりやっていては、財布の中の現金はあるけども、しかし生活の質を支える福祉・医療という「産業」がずたずたという構図が固定化されてしまうのだろう。それと国民負担率の上昇を回避しても、それで代わるべき公共サービスがなければ、それは私費負担としてのしかかる、隠れ国民負担となるだけである。
実際、在宅介護の整備のたちおくれによるニーズの増加と、そもそもそれを除いても量が不足してきた施設系介護。ここでは、結果的に不動産屋のぼったくり事業とも言える有料老人ホームが普及してしまい、高い入居費、権利関係が不透明で高額な利用料(介護の質なんかわかったものではないのに毎月15万近く取る)を自己負担させられている。
国民負担率をやみくもに抑制することは、健全な中産階級以下の所得層にとっては、老後の私費サービスによる財産収奪が待ちかまえている。でも、今の高齢者って、現役時代に国民負担率を過度に抑制してもらっていた世代でもあるので、国民負担率を上げろと言っても、支える世代としては割り切れないものもある。

●夜のニュースで、大都市部のコンビニアルバイトの賃金が上昇しているというニュースが流れている。バブル経済だった私が大学生のときのような水準だ。とはいっても当時の私は地方の政令指定都市にいて、そのまちではまだまだ時給485円なんてアルバイトばっかりだった。労働時間の計算を、1回出てくるたびに30分単位で端数切りされたり、交通費は地下鉄初乗りしか出さなかったり。
働くぐらいだったら親にたかるか貧困にあえいだ方が、と思わざるを得ない水準で、最低賃金の重要性とケインズ経済学の意味を痛感した。

昼間、臨時・非常勤の保育士の給料が、連合のめざす時給1000円に届いていないという話を昨日聴いてきたばかりなので、考えてしまう。コンビニアルバイトを差別するつもりはないが、資格もいらなければ、体力の使い方も全然違う仕事が、夕方夜間土曜の保育を担当している保育士より給料が高いということになれば・・・。ホームヘルパーなんて、なり手がなくなるだろうな。極端なことを考えると、奉仕の精神を強調できる新興宗教が介護職場を占拠できる可能性だってないわけではない。

外国人の就労 要件緩和を提案 諮問会議専門調査会2007年09月21日06時07分

 政府の経済財政諮問会議の労働市場改革専門調査会の第2次報告案が20日、明らかになった。外国人労働者については、就労可能な在留資格の範囲を看護や介護などにも広げることを提案。また、仕事と生活の調和を図るワーク・ライフ・バランスの実現にはテレワーク(在宅勤務)の拡大が重要だとして、仕事と生活の線引きが本人に任された働き方にあわせた労働時間規制の見直しも求めている。

 報告案は21日の調査会で正式決定し、経済財政諮問会議に提出される。

 外国人労働の分野では、就労可能な在留資格を弁護士や医師など専門的分野に限定する出入国管理法について「将来的に弾力的に見直すこと」の検討を提案。看護や介護、育児、家事なども加え、短大や高等専門学校程度の学校教育修了を前提に、一定の日本語能力や公的資格、企業推薦などがあれば在留資格を与えることを求めている。

 また、外国人研修・技能実習制度の見直しは「喫緊の課題」とし、現行の「研修1年+技能実習2年」を3年間の技能実習に一本化、座学の時間を除いて労働関係法を適用すべきだとしている。この制度をめぐっては複数の見直し案が発表されており、そのなかでは厚生労働省案が、研修制度の廃止と実習生への一本化を提案している。

 在宅勤務については、硬直した労働時間管理を求める現行法制が普及の壁になっているとして、「労働者の自由度の高い働き方にふさわしい法制上の工夫を検討する必要がある」とした。

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