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2007.08.01

8/1 まともな改憲派小林節さんの話を聴く

夜、司法試験予備校の伊藤塾が主催した、憲法学者小林節さんの講演を聴きに行く。
以前、クローズアップ現代で、憲法改正が政治テーマとして語られながら、まともに憲法を議論している人たちがいない状況の中で、改憲派の小林節さんのゼミによる、護憲派の伊藤真さんの共同研究が紹介されていて、2人についてずっと気になっている。

改憲論者の小林さんも、明治憲法を理想とする類の最近の改憲論者の質の低下を嘆いておられた。時節柄政局批判にもなり、首班指名が衆議院で優越することを口実に権力の座にしがみつく安倍首相に対して、①小沢を取るか私を取るかという課題設定したのは首相自身だ、②一度も安倍首相を信任する衆議院選挙もやっていないのに、首班指名での衆議院の優越を楯に、参議院選挙の敗北は首相の退陣を意味するものではないなど、民主主義の理解不足も甚だしい、③改憲派のくせにこういうときだけ憲法を持ち出すのだから困ったものだ、などと批判した。
護憲派に対しては、身内だけで議論し、意見の合わない人との議論を回避し、きちんと論争していないから強くならないと苛立ちを隠さなかった。法学部の憲法学者が、単位認定権を楯に、子ども相手に自説の開陳にあけくれ、そういう人たちが大人になって教育現場や保護者となって子どもに9条崇拝しか教えないから、憲法本来の立憲主義が国民に浸透しない、そういう国民相手に櫻井よしこや西部邁にやられたい放題だとおっしゃられた。

国会での憲法の語られ方の見通しについて、衆議院については憲法審査会が設けられることになるが、これは自民党側委員の良識により、しばらくはアカデミックな議論の場になるだろう、参議院側は憲法審査会が設置できないか、設置されても護憲評議会みたいなものになる可能性が高い、と見通された。

護憲派の現業部門で働く身としていろいろ考えさせられる講演だった。

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